それは修亜鉛の効果

 それは修行後のお茶の時間がdha epa常習化し、ミモザがレオンハルトのこマカ と はとを愛称で呼ぶことが許されるようになった頃に起こった。
「あ、」
「どうした?」
 問いかけるレオンハルトにミモザは困った顔をする。
「ランチボックスを忘れてきました」
 時刻はちょうマカ サプリどお昼時である。昼食の時間をまたぐことがあらかじめわかっていたため用意していたのに、その肝心のランチボックスを丸ごと家に置いてきてしまったのだ。
「仕方がないな。今日は適当にどこかで買うか、外食でもするか」
 頭を掻きながらレオンハルトは提案する。以前の彼ならここは「なら帰るか」となりそうな流れクロムだが、習慣を変えたくない性質なのか、それともミモザとのお茶会もとい食事会にそれなりに意味を見出しているのか判断に悩むところだ。
「いいですよ、すぐに取ってきます。せっかく作ったのにもったいないですし、それに……」
「それに?」
 ミモザは気まずそうに目をそらした。
「この村、田舎なので外食する店ないです」
 悲しい事実だった。しかしレオンハルトは気に留めた風もなく「王都に行けばいいだろう」などと軽く言う。
「いや、遠いじゃないですか」
「レーヴェに乗っていけば1時間てところだな」
「え?」
亜鉛 思わず驚いてレーヴェを見る。彼は自慢げに胸をそらし、翼を広げてみせた。
「近くないですか?確か半日ほどかかると思っていたのですが」
「それは街道を通った場合だな」
「……そんなに差がでるんですか?」
「まずこの村から主要な街道に出るまでに10時間ほどかかる」
「………」
「そこから街道を4時間と言ったところか」
「なんでそんなに街道まで遠いんですか」
「この村に何も特産品も需要もないからだな」
 そのレオンハルトの返答にミモザはうっ、と言葉に詰まる。
「世知辛い話ですね」
 結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
「世知辛い話ですねぇ」
 そして無ポリ ペプチド情だ。
 どこの世界でも需要の少ない田舎は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますよ。僕の家まで1時間かからないので」
 立ち上がりかけたレオンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
 母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。 

「はぁっはぁっはぁっ」
 ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
 背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
 バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
 いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。

 家にランチボックスを取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが亜鉛 の サプリ用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミモザはその隣に置かれたランチボックスを持って外へと出た。
 そして出会ってしまったのである。
 下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
 ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
 学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
 すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
 しかし失念していたのだ。
 もうすぐ秋休みだったということを。
 秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
 今日がその午前授業の日だった。
 そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
クロムの効能ゴーヤ チャンプルー亜鉛 サプリ おすすめ

 若い娘が楽し亜鉛の効果

 若い娘が楽しそうにはしゃぐきゃっきゃっと明るい声が響く。
 そこは亜鉛王都のメインストリートに面した雑貨屋だった。生活やアントシアニン冒険に必要な物資やそれとは別に装飾品や化粧品なども売っていたりする店だ。店は若い娘も入りやすいような清潔でおしゃれな内装をしていた。
「ねぇ、見て! これdha epa dha可愛い!」
 ステラは黄色い石のついたネックレスを手に取る。
「これ、こんなに可愛いのに魔道具なんですって。えっと、幻術を見せる魔道具……?」
 ネックレスにつけられたタグの内容を読んだ後、彼女は自分の胸元にそれを当ててみせた。
 にっこりと花のように微笑む。
「どうかしら?」
「よく似合ってるよ」
 言ったのはマシューだ。彼は微笑ましいものを見るように目を細めている。
 ゴーヤ チャンプルーその時スッと一人の青年が前に進み出てそのネックレスを奪うとお会計のレジへと無言で持っていった。
「ジーンくん!」
 驚くステラに、彼は振り返ると照れくさそうに笑った。
「よければプレゼントしますよ」
「えっと、でもそんなの悪いわ」
 遠慮するステラに彼は微笑むとたった今購入したネックレスをステラの首へと持っていった。
「どうか受け取ってください。僕のためだと思って」
 そうしてネックレスをつけてあげようとして、
「あ、あれ……?」
 金具の外し方がわからず四苦八苦する。
 それにステラはくすりとマカ と は笑うと「貸して」とネックレスを受け取って金具を外した。
「え、えーと、すみません、慣れてなくて……」
「ねぇ、ジーンくん、つけてくれる?」
 ここの金具をこうするのよ、と実際に実演してみせてからステラはネックレスをジーンに渡した。
「ね、お願い」
 そして、ん、と首を差し出す。
「……では」
 それにジーンは多少照れたように頬を紅潮させながらも真剣な顔を作って今度こそネックレスをつけた。
「ありがとう」
 ステラが微笑む。
 サファイアの瞳が喜びにうるんで美しかった。
「…………」
 アベルはその様子を少し離れた位置で眺めていた。その表情は場所にそぐわず険しい。
「アベル!」
 そんな彼の様子に気がついたのか、ステラは駆け寄るとネックレスを見せる。
「どう?似合ってる?」
「……ああ、おまdhaえはなんでも似合うよ」
 その気のない声にステラは頬を膨らます。
「もう、アベルったら変よ」
「……そうかもな」
「あ、そうだ!」
 ステラは何かを思いついたように自身のバックを漁ると何かを取り出して差し出す。
「元気のないアベルには美味しいものをあげるわ! ほら、あーん」
 そう言って彼の口もとに押し付けられたのは、飴だった。可愛らしいピンク色の、ハートの形をした飴だ。
 彼はその飴を見てわずかに躊躇したが、結局は口を開く。
「美味しい?」
「………ああ」
 アベルは忌々しげにその飴をがりっと口内で噛み砕いた。

 ミモザはのんびりと夕方の王都を散策していた。『黒い密売人』との交戦が決まってしまったため、どのように戦おうかと作戦を練っていたのである。
 はっきり言って本物の犯罪者と戦うのは保護研究会のロランという老人以来となる。しかもあの時はレオンハルトが駆けつけるのが前提の上、ジーンもいるという状況だった。その上ロランはそこまで好戦意ゴーヤ欲の高い人物ではなく、かなりの時間を戦わずに潰すことが出来たが、今回はそうはいかないだろう。
(遭遇した時点で戦闘になるかな)
 まだ相手がミモザのことをステラと誤認している状況のうちに不意打ちで倒せればいいが、それをしくじった場合の対処も考えておかねばならない。
 レオンハルトはああ言ったが、信号灯を灯した時点で相手は逃げる可能性は高いし、今回仕留め損なえば次はミモザの前には姿を現さないだろう。
(一回しか騙されてくれないだろうしなぁ)
 さすがに二回もステラとミモザを間違えさせるのは無理だろう。なんなら合言葉なりなんなりの対策を取られてより姿を捕捉しづらくなるかも知れない。
(一回でけりをつけたいよなぁ……)
 ふぅ、と息を吐く。相手はミモザよりも対人戦闘に慣れている可能性が高い。準備はし過ぎるほどにしたほうが良かった。
(………ん?)
 視線を感じる。
 王都はミモザ達の故郷より遥かに人が多い。しかしそれに比例するように人の動向に無関心でもあった。このように見つめられるのはレオンハルトと共に行動している時以外亜鉛では初めてだ。
 その視線の主が背後から近づいてくる気配を察して、ミモザは警戒しつつゆっくりと振り向いた。
「………よぉ」
「……アベル?」
 そこにはアベルが立っていた。
 藍色の髪に金色の瞳。歳を経るごとにレオンハルトに近づきつつあるその外見は、もしかしたら父親似なのかも知れなかった。
 ミモザは彼のことを疑うようにじーと見る。
「なんだよ」
 その視線にアベルは居心地悪そうにミモザのことを睨んだ。
「いや、脳みそパーになってないかなって」
「なってねぇよ」
 その返答にミモザはあれ? と目を見張る。
「なんで?」
「俺が聞きてぇよ」
 そこまで聞いてミモザは思う。この会話は意味不明だ。やり取りとして成立していない。
 大前提として『あの飴』の存在を知らなければ。
「ラブドロップ」
 ミモザは切り込んだ。
「食べてないの?」
「食ったよ」
「ーーなら、」
「だから知らねぇよ!」
 憤懣やるかたないという様子でアベルは怒鳴る。彼の精神はもうギリギリだったのかも知れない。その様子はふちのふちまで表面張力ぎりぎりで水を注がれたコップのように、感情が決壊して流れ出したようだった。
「俺が、元からステラに惚れてるからじゃねぇの? 惚れ薬飲んでもなんにもかわらねぇってことはよ」
 悔しげに、苦しげに彼は声を絞り出した亜鉛 サプリ
「いっそのこと、脳みそパーになりたかったよ、俺だって」
 二人の間に沈黙が落ちた。ここでするような会話じゃないなとミモザは思ったが、だからと言ってじゃあどこなら相応しいのかもわからない。
 こんなどうしようもなくやるせない話をするのに相応しい場所など、もしかしたらこの世には存在しないのかも知れなかった。
「なぁ、ミモザ、お前もあの飴のこと知ってんのな」
「まぁ……」
「ーーってことは兄貴も知ってるよな、はは……」
「………」
「お前言ったよな、ステラの敵だって」
「うん」
「……っ! なんでそんなに割り切れんだよ……っ!!」
 耐えきれないというようにアベルは顔を歪めて叫ぶ。
「確かにあいつは間違ってる。悪いことをした。あいつおかしいよ、言ってもわからねぇんだ、わかってくれねぇんだよ、俺じゃ、あいつを止められねぇんだ」
 そして力無く俯く。拳を握っても振り上げることも出来ず、アベルは首を振る。
「けどさ、だからといってすぐに嫌いになんてなれねぇんだよ。今までのこと全部なかったことに出来ねぇんだよ。ずっとガキの頃から一緒にいるんだ。あいつは優しかった、優秀だった、格好良かった、それも全部本当なんだよ! なかったことにはならねぇんだよ!」
 そこまで言って、アベルは興奮に激しくなった呼吸を整えるように黙り込んだ。そして言う。
「なんでそんなに割り切れんだよ……」
 それは疑問ではなく批難の言葉だ。自分一人だけ楽な場所にいるミモザを責める言葉だ。
「……割dha epa dhaり切れないよ」
 ミモザにはどうしようもない。アベルの苦しみはアベルが自らの意思で選び取った結果だからだ。
 そして同時にミモザの良心の呵責もまた、ミモザが選び取った結果だ。
「でも、割り切るって決めたんだよ。……僕が、僕であるために」
 のろのろとアベルは顔を上げた。その顔は先ほどまで興奮していたはずなのに血の気が引いて真っ白だ。
「そうかよ……」
「アベル、どうするつもり?」
 ミモザはアベルが嫌いだ。けれどもしもステラの罪を告発して保護を求めるならどこかその辺の騎士に口聞きをしてやっても構わない。
 そうすることで、きっとステラは色々なことを思い留まるかも知れない。
「……俺はあいつを見捨てられねぇ」
 しかしアベルは首を振った。
「どんな罪を犯しても、最低でも、最悪でも、あいつが悲しんだり酷い目にあったり、一人っきりで泣かせる気にはなれねぇんだ」
 ミモザのことを睨む。その目には先ほどにはなかった強い意志が宿っていた。
 痛みを覚悟した意志だ。
「説得は続ける。けど、あいつが犯した罪を、あいつ一人に背負わせることは俺にはできねぇ。……ミモザ、俺は」
 アベルはしっかりと自分の両足で立ち、姿勢を正した。金色の瞳に炎が灯る。
「どこまでもステラの味方だ。そう決めた」
「……そう」
 ミモザにはそれを止めることは出来ないだろう。それだけは理解できた。
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 ゴードンサプリメント マカ

 ゴードンは新米兵士である。
 一応精霊使dhaいと名乗れる程度の素養はあるが、塔を5つ目で挫折したため精霊騎士ではない。それ亜鉛 の サプリでも5つ目の塔まで攻略した実績を評価され、王国騎士団の下っ端として拾ってもらえたのだ。エリートコースを歩むためには精霊騎士になることが必須であるが、田舎の出身で王都で暮らすことクロムの効能を夢見ていたゴードンにとっては食っていける職にありつけただけで上々の人生である。
「壮観だなあ」
 そんな新米で小市民なゴードンにとって、今回のは初めての大規模な任務であった。実に数千人規模の両騎士団を動員した、戦争でも始めるのではといった事件だからだ。
 ゴードンの前方には整然と先輩兵士が並び、そのさらに前にはエリートの精霊騎士達、そしてそのさらゴーヤに前、先頭にはー
(あれが『三勇』)
 我らが王国騎士団団長フレイヤ、教会騎士団団長ガブリエル、そして聖騎士レオンハルトの姿があった。
 ちなみに三勇とは『三人の勇士』の略である。かつては『二将、一勇』や『三英傑』など色々と呼び方を模索したらしいが、一番語呂がよく呼びやすい『三勇』に落ち着いたらしい。やはり語呂は大事だ。
 ゴードンのような下っ端ではレオンハルトはおろか、フレイヤですらお目にかかる機会は滅多にない。
 それが3人揃い踏みなのには当然理由がある。王都周辺で野良精霊の大量発生という異常事態が起こったからだ。それも複数箇所同時にである。
ゴーヤ それなのに何故ここにこんなに戦力が集中しているのか?
 単純に考えれば分隊を大量に分け、各地に派遣すべきと考えるだろう。そして実際に別働隊は存在している。しかし彼らの仕事は精霊の駆除ではなく、住民の避難と精霊の追い込みである。
 今回あまりにも精霊の量が多く、また倒しにくい相手であった。熊型が大量発生したのだ。
 そのため一箇所一箇所殲滅して回るには時間がかかり過ぎた。そこで考えられた案が追い込み漁である。
 幸いなことに大量発生している場所は王都周辺と限られていた。そのため大量発生が起こった一番外側を円の端にしてぐるりと騎士達で囲み、そのまま精霊達をこの何もないだだっぴろい荒野へと追い込み、そこで待ち受けて一網打尽にしようということになったのである。ちなみにこの作戦の発案者はガブリエルゴーヤ チャンプルーである。ゴードンは今まで知らなかったが、彼は知将として国内外で有名らしい。
 その時、上空からひらひらと何かが舞い降りてきた。それは2匹の守護精霊だ。
 1匹は黒い羽に銀色の模様の映える美しい蝶。そしてもう1匹は黒く艶やかな装甲をして鋭いツノをもつノコギリクワガタだった。
 その二匹は諜報にでも出されていたのか前方の三勇の元へと飛んで行く。
「お、三勇様の守護精霊だな」
 その時前に並んでいた先輩がつぶやいた。
「確か、団長様のでしたっけ?」
 それにゴードンは声をかける。先輩は目線だけで振り返ると「当たりだ」と笑った。
 ゴードンは当たったことが嬉しくてへへっと笑う。噂で両騎士団団長はお互いが同じ虫型の守護精霊であることが気に食わなくて仲が悪いのだと聞いたことがあったのだ。
「両団長様のだな。おそらく追い込みの調子を確認していたんだろう」
 先輩の言葉を肯定するように、仕入れてきた情報を主へ伝えようと精霊達はそれぞれの騎士団亜鉛の効果長へと近付いて行った。
 蝶はガブリエルの方へと進み、その姿を美しい鉄扇へと変えた。
 クワガタはフレイヤの方へと進み、その姿をいかついチェーンソーへと変えた。
「ぎゃっ」
 逆だろ!と叫びかけてすんでのところで堪える。しかし、
「いや、逆だろ!!」
 口を手で押さえるゴードンの背後から声が聞こえた。振り返るとそこには指差して叫んでしまったと思しき同僚の姿があった。彼は先輩に頭を引っ叩かれ、逆にゴードンはこらえたことを褒めるように先輩に頭を撫でられた。
(あとであいつに声かけに行こ)
 友達になれる気がする。
「ぼさっとするな、来るぞ」
 他の先輩が促す。それとほぼ同時に地響きのようなものが始まり、そして姿を現した。
 大量の熊型の野良精霊である。
 そのあまりの多さに、みんなわずかに怯んだようだった。しかし、
 ごうっ、と風の燃える音がした。
 レオンハルトだ。
 彼が巨大な剣を一振りすると、そこから炎を纏った斬撃が放たれ、それは徐々に範囲を広げながら熊達を焼き切った。あまりの高温ゆえに、おそらく斬撃に触れた場所が蒸発したのだ。
 胸から上を失った熊達が無惨に倒れ伏す。
(すげぇ……)
 なんと彼はその一振りでたどり着いた第一陣をすべて焼クロムの効能き払ってしまった。
 まさに一騎当千。
(これが、聖騎士)
 これが最強の精霊騎士か、と感嘆すると同時に畏怖の念が湧く。
 味方ならこんなにも心強いが、もしも敵対することがあればと思うと冷や水を浴びせられたように体が一気に冷たくなり震える。
「聞け」
 その時声が響いた。ゴードンは弾かれたように顔を上げる。
「これは皆のための戦いである。家族や友、そして愛すべき国民を危機に晒してはいけない」
 けして叫んでいるわけでないのに、大きくよく通るレオンハルトの声が響く。
 その言葉にゴードンははっ、と我に返る思いがした。そうだ、守りに来たのだ。自分の想像に怯えている場合ではない。
「皆の者、俺に続け。必ず勝利を掴み取るぞ」
 オオオォォォッ!と雄叫びが上がった。ゴードンはもう、畏怖にとらわれてはいなかった。
 陽の光に照らされて、英雄の藍色の髪がきらりとひらめく。その横顔は凛々しく、金色の瞳は未来を見据えている。
 勝利という未来を。
 そう信じるには充分過ぎて、ゴードンは胸を熱くした。
 そう、ゴードン達はこの手で必ず国民を守るのだ。
ゴーヤマカ と はdha epa

 かくして、アントシアニンの効果

 かくして、その少女は主人自ら送迎を行うという好待遇で屋敷に足を踏み入れた。
「…マカ……っ!」
 その姿にマーサは息を呑んだ。マーサだけではない。主人の弟子の姿アントシアニンを一目拝もうと並んで出迎えた使用人達みんなが目を見張った。
 主人のレオンハルトは美しい男だ。それはマーサも認める。そんな主人と並んでもなんら見劣りしないどころか、そサプリメント マカれ以上に可憐で美しい現実離れした少女がその隣には立っていた。
 美しい飴細工のようなハニーブロンドの髪に海の底を思わせる青い瞳は何かを憂うように伏せられ、長いまつ毛がそれを扇状に繊細に覆っていた。肌は雪のように白く透き通って唇はふっくらと桜色に色づいている。まるで職人が丹精込めて作った陶器でできた人形のように繊細で作り物めいた美しい少女だった。
 亜鉛の効果少年のような地味で露出の少ない服装だけがその容姿を裏切っている。
「弟子のミモザだ」
「よろしくお願い致します」
 主人の簡潔な紹介に続いて粛々と、鈴を転がしたような可愛らしい声で彼女は告げた。その顔はなんの感情も表さず、やはり作り物めいている。
「ミモザ、ここにいるのでこの屋敷の使用人はすべてだ。滞在中何か困ったことがあれば俺がいない場合はこいつらに聞け」
「わかりました」
 そのやりとりは淡々としていてマーサが危惧していたような類の感情は一切感じとれなかった。
「何か質問はあるか?」
クロムの効能 レオンハルトの事務的な問いかけに彼女は少し考えこむと「行ってはいけない場所ややってはいけない禁忌事項などはありますか?」とこれまた事務的な質問を返した。
(なんか思ってたんと違う)
 あまりにも無表情でまるで主人と似たような雰囲気の少女に、マーサは己の危惧を裏切られたにも関わらず落胆した。そこでマーサは初めて自分が来客に対してこの屋敷に新しい風を吹き込んでくれるのを期待していたことに気がついた。
「そうだな、離れには近づくな。それ以外は好きにしてくれてかまわん」
 『離れ』。その単語にぎくりとする。この屋敷の最大の闇とも言うべき場所だ。主人の近寄り難さ、不気味さの象徴であると言ってもいい。あそこに何があるか知っているマーサは用事がない限り近づゴーヤきたくはないが、この屋敷を訪れた人間はあの場所を気にして入りたがる。それも当然だ。秘されれば覗きたくなるのは人の常である。
「わかりました」
 しかし彼女は理由も聞かずにあっさりとそれに頷いた。それが興味のないフリなのかどうか、マーサには判断がつかない。
「あと修行の合間の空いた時間なのですが、ただ置いてもらうのは申し訳ないのでお仕事をもらえませんか?」
「いいだろう。ジェイド」
「はい、旦那様」
 彼女の要望に主人は鷹揚に頷き、呼ばれた蛙男はすっと近づいた。驚いたことに彼女は彼の容姿にもまったく無表情を崩さなかった。
「この子に仕事を教えてやってくれ。そうだな、仕事内容は……、俺の身の回りの世話だ。ミモザ、これはジェイドという。屋敷のことは彼に任せているから仕事は彼から教わりなさい」
「はい。よろしくお願い致します」
 深々と頭を下げる。マーサは主人の発言におやまぁ、と目を瞬いた。人嫌いの主人が身の回りの世話を任せる者は限られている。若い娘にそれをマカ サプリさせるのは初めてのことだった。
 マーサは必死にジェイドに『どういうことだろうねぇ、気になる関係じゃないか』とアイコンタクトを送ったがジェイドはちょっと引いた顔で『は?何?』という顔をするだけだった。それに内心でちっと舌打ちをする。有能な奴だがこういう察しの悪いところがあるのだ、ジェイドという男は。
「ではジェイド、さっそく彼女の案内を頼む」
「はい」
 大抵の若い娘であればジェイドに案内役をふられた時点で大概げんなりとしたり期待が外れたような表情をするのだが、やはり少女は顔色ひとつ変えずに「よろしくお願い致します」と頭を下げるだけだった。

 では頼むと言い置いてレオンハルトは執務室へと戻っていった。
 残されたのはミモザと託されたジェイド、そして自主的に残ったマーサだ。ジェイドは何故いなくならないのかという顔でこちらを見ていたがマーサは素知らぬ顔でミモザへ「マーサと申します」と自己紹介をした。
 ジェイドはそれにため息を一つ吐くと「では案内をするぞ」と先頭に立って歩き始める。
「ここが食堂」
「ここが書庫」
「ここが浴室」
 ジェイドは淡々と、そして素早く案内を済ませていく。雑談のざの字もないぶっきらぼうな態度に、しかし少クロムの効能女は特に文句を言うでもなく律儀に頷いていた。
「あそこが離れ。近づくなよ」
「はい」
 マーサは顔をしかめる。離れのことは目にするだけでも少し不快だ。
 そこはわざと人目から隠すように背の高い木で囲まれ、ちょっとした林のようになっていた。背の高い屋根がかろうじて見えるのみで言われなければ離れの屋敷があることなど気づかないだろう。
「で、ここが倉庫」
 ジェイドは遠目に見えるそれからすぐに視線を移し、すぐ近くのこぢんまりとした建造物を指差した。そこまでスタスタと歩いていくとこれまでもそうだったように一応扉を開いて中を見せる。
 ミモザもこれまで同様にひょこり、とお愛想程度に中を覗いていた。
 ふとマーサも習って近づき、目に入った物に思わず顔をしかめる。
「どうされました?」
 ミモザはそれに目ざとく気づいたらしい。マーサの視線を追って、見つけたそれをじぃっと興味深そうに見つめた。
 『それ』。そう、数日前に買い出しに行った際に目にした、レオンハルトの姿が描かれた皿である。
「これは……」
 少女は戸惑ったように言い淀み、しかし続きを口にした。
「踏み絵に似た不謹慎さと恐ろしさを感じる代物ですね」
「んっふ!」
 思わずマーサは吹き出しかける。それを呆れた目でジェイドが見つつ「これを食事に使うわけがないだろう」と告げた。亜鉛
「え?じゃあどうするんですか?」
「本気で言ってるのか?飾るんだよ、棚とか壁に。鑑賞用だ」
「………」
 彼女はなんとも言えないような微妙な表情で首をひねると、その皿を手に取りじっと見つめたまま「夜中に目が合いそうで嫌じゃないですか?」ぼそりとこぼした。
「んっは、ははははは!まぁねぇ、そう思うわよねぇ!」
 今度は笑いを抑えきれなかった。そのままばしばしと自分の膝を叩く。
「でもねぇ、巷じゃお嬢さん方に人気なのよ。ほら、旦那様は格好いいでしょう」
「なんで紙じゃなくて皿に書いてあるんですか?」
「紙に描いてあるもののほうが多いわよ。でもなんでか皿に描いてあるのもあるのよねぇ、なんでかしら?」
 2人でじっとジェイドを見る。彼は嘆息した。
「ただの皿を高く売りつけたい商人の陰謀だ。売れりゃあなんでもいいのさ。刺繍とかのもあるだろ」
「へー」
 ミモザは感心したように頷く。
「でもこれ、ある意味で効能がありそうですね」
「効能?」
 訊ねるマーサに彼女はこくりと一つ頷いた。
「野良精霊も強盗も裸足で逃げ出しそうです」
「んは、んはっはっは!確かに!恐ろしくって寄って来れないかも知れないねぇ!」
「一体何が恐ろしくって、一体何が寄って来れないって?」
 愉快な気持ちで笑っていると、ふいに背後から声が響いた。聞き覚えのあるその静かで落ち着いた声に、マーサは錆びついた人形のようにぎぎぎ、と振り返る。
「何をこんなところで油を売っている」
「だ、旦那様!」
 不機嫌そうに眉間にマカ皺を寄せて、この屋敷の主人が腕を組んで仁王立ちをしていた。
(ひぃぃぃぃ)
 マーサは内心で悲鳴を上げる。怒っている、ように見える。少なくとも不機嫌ではある。
 ああなんで自分はこんな軽口を叩いてしまったのかと後悔する。この気難しい主人の機嫌を直す方法などマーサはおろか、ジェイドも知らないだろう。
 ちらりと横目でジェイドの様子を伺うと、彼も困ったように脂汗をハンカチで拭いながら「旦那様、こんなところでどうなさいました?」と尋ねた。
 それにレオンハルトは親指で空を指し示す。視線を向けるともう日が傾きかけていた。結構なハイペースで屋敷を見てまわっていたつもりだったが、広いお屋敷だけあって結構な時間が経っていたらしい。
「仕事がひと段落したからな、ミモザに稽古でもつけてやろうと探しに来たんだ」
「それはそれは……」
 ジェイドは揉み手をしながら誤魔化すようにへらりと笑う。普段レオンハルトが不機嫌そうな時は使用人達は極力彼に近づかずにやり過ごしているのだ。レオンハルト自身も使用人達に好んで話しかけたり近づいてくることはない。このような事態は本当に稀だった。
「レオン様」
 その事態をどう見たのかはわからないが、平静な様子の声が響いた。ミモザだ。
 彼女はレオンハルトの注目を引くと手に持っていた皿を掲げてみせた。
「ん?ああ、なんだこれか」
 その皿を見てレオンハルトは面白くなさそうに眉をひそめる。
「これがどうした?確か試作品だか完成品だかを商人が持ってきたから倉庫に放り込んでいたんだ」
 その言葉を聞いた少女はとととっ、と軽い足取りでレオンハルトへと近づくと、背伸びをしてその耳元へと口を寄せた。レオンハルトもいぶかりながらもその意クロム図を察して少し屈んで顔を近づける。
(おやまぁ)
 その親しげな様子をマーサは不思議な気持ちで見守った。ちらりとジェイドを見ると彼も目を丸くしている。
 そのまま何事かを彼女が囁くと、レオンハルトは微妙そうな顔をして「君なぁ」と呆れた声を出した。
「何を言うかと思ったら、そういう事に興味があるのか?」
 その態度は呆れてはいるが先ほどまでよりもずっと柔らかい。普段の近寄りがたい硬質なそれとも違っていた。
「うーん、興味というか。こういうのがあったらそういうのもあるかなって思いまして」
 少女はレオンハルトのその態度を特別不思議には思わないようで自然なやり取りのように話を続けた。その言葉に彼は渋い顔をする。
「あったらどうするんだ」
 ミモザはレオンハルトの顔を見上げた。
「どうしましょう?」
 そのままこてん、と首を傾げる。
 レオンハルトは盛大にため息をついた。
「まぁたぶんあるんだろうが、俺は知らないし知りたくもない。くだらないことを言っていないで、修行でもするぞ」
 そのままレオンハルトは身を翻して歩き出す。ミモザは慌てて皿を元の位置に戻すと、呆気に取られているこちらに気づき、頭を下げた。
「案内ありがとうございました。一端失礼しますね」
「あ、ああ」
 ジェイドがなんとかそれだけ返した。最後にもう一度頭を下げると今度こそ少女はレオンハルトの背中を追いかけた。
「……おやまぁ」
 マーサは驚き過ぎてそうつぶやくことしかできなかった。

 ちなみにその後に庭で目撃された2人の『修行』の光景の壮絶さに、使用人一同は彼女には優しく接しようと決意を新たにするのであった。
マカ サプリdhaマカ サプリゴーヤdha

 そこには美しい麗亜鉛 サプリ おすすめ

 そこには美しい麗人が立っていた。dha epa dha
 背中まで真ゴーヤっ直ぐと伸びる銀の髪に月光を集めたかのように輝くやや吊り目がちな銀の瞳、その身に真っ黒な軍服を纏う彼女は確かに美人だった。
 そして巨乳でもあった。
 ぽかん、とミモザは口を開けたまま固まる。そんなミモザに彼女は再度にアントシアニンの効果こりと笑いかけた。
「好きかしら?」
 その凄みのある笑顔に思わずミモザはこくこくと頷く。まぁ好きか嫌いかで言うと好きなので嘘ではない。
 彼女のたわわに実った胸を見て、それから自身の胸を見下ろした。12歳のミモザは年齢相応につるぺただった。
(悲しい)
 ついでに言うと双子にも関わらずステラの方がミモザよりも胸は大きかったりする。つまりミモザは胸の大きさでもステラに負けている。
(悲しい…ゴーヤ…)
 ずんと暗い表情で沈むミモザの頬を、チロは慰めるように両手で撫でた。そんな落ち込むミモザの姿を見て、女性はにんまりと微笑む。
「ねぇお嬢さん。わたくしに弟子入りをすれば、巨乳になるコツを教えてあ、げ、る」
「それって、ぐぇっ」
 その魅力的な提案に思わず釣られかけたミモザの襟首を掴んで引き止める手がある。レオンハルトだ。
 彼はミモザのことを猫の子のように襟首を掴むと、ずりずりと自分の元へと引きずり寄せた。
「人の弟子をくだらない方法で勧誘するのはやめてくれないか。マナー違反だ」
 じろりとその女性をにらむ。
「あらん、貴方のことだから弟子なんて使い捨てdha epa dha程度に思ってるかと思ったら、案外可愛がってるのね」
「さてな」
 女性の揶揄にレオンハルトは素知らぬ顔で応じる。
 2人の目線の先にばちばちと幻の火花が見えた。
(うーん?)
 ミモザは首を傾げる。彼女の服装、あれは王国騎士団の制服である。教皇が王国騎士団の制服を着ているわけがないから彼女はきっとオルタンシア教皇ではないのだろう。その時、彼女の横に立つ少年と目が合った。さらさらの黒髪をきっちりと切り揃えた少年はその黒い瞳を細めて爽やかに笑いかけてきた。
 年齢はミモザと同じくらいだろうか。清涼飲料水のCMに出れそうなくらいの爽やかさだ。
 しばらく待ってみたが両者の睨み合いが終わる気配がなかったため、ミモザは少し考えてから口を開いた。
「レオン様は巨乳はお嫌いマカ サプリですか?」
「……巨乳はともかくあれはただのゴリラだ」
 憮然とした顔でレオンハルトは応じる。
「ひどいわゴリラだなんて。なんか言ってやってよ、ジーン」
 彼女は隣の爽やか少年に声をかける。彼は笑顔を崩さないまま答えた。
「先生がゴリラなのは否定できませんが、それはともかく僕の常識では金髪美少女は巨乳なんて単語は言わないので今の発言は聞かなかったことにします」
「おいおい全員クセが強すぎるぜ。まともなのは俺だけか?ちなみにお兄さんは胸より尻派だ」
「誰がお兄さんよ、ずうずうしい。おじさんの間違いでしょう?」
「あーん?自己紹介か?お、ば、さ、ん」
「いやぁ、元気なのはいいことですね」
 不毛な4人のやり取りを新たな声が遮る。それは静謐で落ち着いた男性の声だ。
「ですが皆さん、私の存在をお忘れではないでしょうか?」
 紫がかった黒髪をオールバックに撫でつけ、すみれ色の瞳をした壮年の男性が実は女性の背後に隠れていた執務机に腰掛けていた。
 元々細い目クロムをさらに細めてにっこりと微笑んで、彼は「そろそろ本題に入りましょうか」と厳かに告げた。
 どうやら彼がオルタンシア教皇聖下らしかった。

「報告は以上です」
 ガブリエルは真面目くさった顔でそう締めくくった。それに教皇はうんうんと穏やかに頷いて「レオンハルト君は何か付け足すことはありますか?」と尋ねる。
「特には。しかしこの異常は徐々に頻度が増えている様子があります」
「そうですね。とても気がかりです。しかし原因をつかめていない以上、対症療法を続ける他ないでしょう」
(ううっ)
 思わず罪悪感で胸を押さえる。ミモザがちゃんと前世の記憶を思い出せれば原因は判明するのだ。
 今わかっていることは3年後に姉がそれを解決するということだけだ。
(いや、待てよ?)
 ミモザの記憶にはとんでもなく強い狂化個体をステラが仲間と力を合わせて倒すシーンがある。しかしその原因を取り除いていたかまでは定かではない。
(もしかして、3年経っても解決しない可能性がある?)
 だとすればそれはゆゆしき事態だ。いやしかしそんなに中途半端な解決をゲームをするプレイヤーが許すだろうか?
(よし!)
 ミモマカザは帰ったら記憶を思い出しやすくするおまじないを試すことに決めた。チロはそんなミモザの思考を見透かしてやれやれと首を横に振る。
「ところで彼女達はなぜここにいるのですか?」
 報告が一区切りついたところで、レオンハルトは王国騎士団の美女とジーンと呼ばれていた爽やか少年を目線で示して訊ねた。
「そんな邪魔そうに言わないでよ。要件があって来たに決まってるでしょ?」
 美女は口紅の塗られた唇を吊り上げて笑う。そしてちらりとミモザのことを見た。
「そうね。初対面の子もいるから自己紹介からしようかしら。わたくしはフレイヤ・レイアード。由緒あるレイアード伯爵家の長女にして、王国騎士団団長よ」
「僕はその弟子のジーン・ダンゼルと申します。以後お見知りおきを」
 そこまで言って2人してミモザのことをじっと見つめてくる。その視線にはっとしてミモザは慌てて「レオンハルト様の弟子のミモザと申します」と頭を下げた。
 試練の塔を終え御前試合にて成績を残し晴れて精霊騎士となった者の進む道は、一般的に2つに別れる。
王国騎士団に行くか、教会騎士団に行くか、である。
王国騎士団はその名の通り国に仕える騎士であり、教会騎士団も同様に教会に所属する騎士のことである。そしてどちらに行くのかの境目は出自だ。貴族は王国騎士団へ、平民は教会騎士団へと入る。稀に貴族にも関わらず教会騎士団へ入る者もいるが逆はない。マカつまり目の前にいる2人は確実に貴族であった。
 ミモザはすすっとさりげなくレオンハルトの背後へと移動する。田舎では貴族になどまず出会わないが、それでも無礼を働けばどのような目にあうかの見当くらいはつく。
 フレイヤはそれをどう思ったのか「あら可愛い」と微笑んだ。
「心配しなくても酷くしたりしないわよ。伯爵位を持つ聖騎士様の弟子に軽々しい真似はできないもの」
(伯爵位持ってたのか)
 今さらのことを知って驚く。我が事ながら自分の師に対しての知識が浅すぎる。言い訳をさせてもらえればレオンハルトは自分のことを話したがらない人であるし、これまで特に知らなくても困らなかったからだと言っておく。爵位を持っているのは知っていたが、そんなに上の方の位だとは思っていなかった。
 ちらりとレオンハルトを見上げると、彼は肩をすくめて見せた。
「最初は男爵位だったんだがな。授与される前に間が空いてしまってその間にもいろいろと功績が増えていったんだ。その結果なんの位にするか貴族達の間で意見が割れてな。色々と面倒になっていらないと言ったら吊り上げ交渉と誤解されて伯爵位になってしまった」
「はー…」
 ミモザのような一般庶民にはなんとも理解が追いつかない話である。まぁ、貴族としてもレオンハルトと友好関係を築きたかったのだろう。
 レオンハルトはいつも白い教会騎士団の制服を着ている。一般的に聖騎士はどちらの騎士団にも属さない独立した存在のはずだが、元々が平民ということもあり教会騎士団との方が距離が近いのだろう。この世界の教会は宗教団体ではあるが政亜鉛 サプリ おすすめ治的には市民の代弁者の役目も担っている。そのための教会騎士団であり抑止力として国もその存在を許容しているのだ。しかし貴族にとっては忌々しい存在だろう。最強の騎士が教会、ひいては平民寄りというのもよろしく思っていないに違いない。それを少しでも貴族側に引き寄せるために爵位を与えたとするのならばそのような高い待遇も理解できるような気がする。
(まぁ、難しいことはわからないけど)
 今のミモザにとって大事なのは、とりあえずフレイヤに軽々しく扱われる心配は低いということである。全力でレオンハルトの威を借りているが、社会的地位に関してはどうしようもない。
「今日わたくし達が来たのはね、『試練の塔被害者遺族の会』についての相談よ」
 その言葉を聞いてレオンハルトとガブリエルにぴりっと緊張が走った。
クロム亜鉛亜鉛 サプリdha epa

 落ち込みはし亜鉛 の サプリ

 落ち込みはしたがいつまでも落ち込んでいdha epaても仕方がない。ミモザは今dha epa dha日も今日とて塔の攻略に勤しんでいた。
 続いてのターゲットである第3の塔は合成技術の祝福がもらえる塔である。
 合成とはドロップや採取した材料を組マカみ合わせて薬や道具を作成する技術だ。これにより回復薬や毒薬はもちろん、梯子や網などを作成することができ、梯子を使用しなければいけない場所に行くことが可能になったり、捕まえられなかった野良精霊が網を使うことで捕まえられるようになったりするという素晴らしい技術だ。
 正直この祝福がなくてもストーリーを進めることはポリ ペプチド可能だが、有利なアイテムを手に入れたり、やり込み要素を消化するのには重要な技術である。
 さて、この第3の塔はまず塔に辿り着く前に一つ関門がある。
 それは洞窟である。
 ゲームでは特に害のある野良精霊などはおらず、蝙蝠型の野良精霊が背景的にぶら下がっているだけの洞窟なのだが、まぁ当然洞窟なので中は暗い。つまり第2の塔で手に入れた暗視スキルが必須なのである。
「ふー……」
 ミモザは小さく息を吐いた。
「オーケーオーケー。まだ大丈夫。まだ折れてない」
 心の話である。
 暗闇の中、亜鉛 サプリ おすすめミモザは自分の手を目の前にかざす。銅の暗視スキルにより、自分の手はわずかに暗闇の中浮かび上がって見えた。
 それだけであった。
「使えねぇ…」
 銅の暗視スキルはなんと、自分の体が暗闇の中でも認識できるというだけのものであった。それ以外は何も見えない。真っ暗闇である。
「チー」
 守護精霊も自身の一部と見なされているのだろう。肩の上でチロが諦めたように首を振る姿が見えた。
「うぶっ」
 その時ばさばさと音を立てて何かがミモザの顔面に激突した。手で払いのける前にミモザの顔面を蹴り付けてそれは飛び去っていく。
 蝙蝠だ。
「焼き鳥にしてやる……」
 ミモザは目を据わらせると蝙蝠を捉えてやろうと両手を構えた。
 そのままじわりじわりと前に進む。
「うおっと」
 しかしそのまま小石か何かに亜鉛 サプリ足を取られて転びかける。なんとか壁に手をついて支えたため転倒はまぬがれたが、壁についた手の下に何かの感触がある。
 それはカサカサカサと音を立てて逃げていった。
「虫か……」
 これでミモザが虫嫌いだったら悲鳴を上げているところである。
「あああっ!くっそー!」
 イライラする。しかし進まないわけには行かない。ここを抜けなければ第3の塔には辿り着けないのだ。
 もしくはこの洞窟の開いている岩山を登るという手もあるにはあるが、なんとなくそれはミモザの矜持が許さない。
 みんなが、特にステラが普通に通っている道を自分だけが通れないだなんて。
 例え第二の塔とは異なりこの洞窟の中が迷路のように枝分かれした複雑な道だとわかってはいても、進まないわけには行かなかった。

 数時間後、ミモザはもはや目をつぶって歩いていた。開けても閉じても変わらないからである。
 チロをメイスへと変え、それを杖代わりにして前方の地面を突いて確認しながら進む。ゴーヤ最初はそろそろ歩きだったが、もはや慣れてほぼほぼ通常の歩行速度と変わらなくなってきていた。
 ふと、空気を切って羽ばたく音がした。
「そこだーっ!」
 叫んでミモザは手を伸ばす。パシッと軽い音と共にミモザの手はそれを捕まえた。
 蝙蝠である。
「ふっふっふっ」
 散々ミモザのことを翻弄してくれた蝙蝠はミモザの手の中でキュイキュイと戸惑った声を上げている。
「はっはっはっはっはーっ!!」
 洞窟の中にミモザの高笑いがこだまする。長い時間暗闇の中を彷徨い歩いたミモザには、見えずとも物音などの気配で生物の位置を捉える能力が備わり始めていた。
 じゃり、と背後で音が鳴る。ミモザは笑うのをやめてその方角へ向けてメイスを構える。
「………えーと、ミモザさん。何をなさっているんですか?」
 右手にメイスを、左手に蝙蝠をたずさえて目を閉じたまま仁王立ちをするミモザに、その姿が祝福によって見えているジーンはそう尋ねた。
 ミモザには見えていなかったがその表情はドン引きしている。
「見ての通り、第3の塔を目指して進行中です」
「僕の目には蝙蝠狩りをしているようにしか見えませんが」
「そアントシアニンういう側面もありますね」
 堂々とミモザは頷く。
「側面というか、真っ正面から見てそうとしか見えないんですが……、まぁいいや」
 ジーンはミモザの奇行を正すのを諦めたようだ。そして改めてミモザの姿をまじまじと見て尋ねた。
「もしかしてなんですけど、第2の塔の攻略に失敗しました?」
「失敗はしていません。ちょっと自分の体以外の全てが見えないだけです」
「なるほど、銅の祝福はそんな感じなんですね。それで、一体どれだけここに居たんです?」
「いま何時ですか?」
「僕が洞窟に入ったのは午後2時ですね」
「朝の6時にきました」
「…………」
「8時間ですね」
 にこっとミモザは笑った。ジーンは笑わなかった。

「……結局なんやかんやさらに時間がかかりましたね、もう夕方ですよ」
 ジーンの言う通り、洞窟を抜けると空はまだかろうじて青いが西の方はもう茜色に染まりかけている。
「でも見てください、ジーン様。洞窟にこもっていたおかげで僕の気配を察知する能力が開花しました」
 そう言ってミモザは右手に5匹、左手に6匹の蝙蝠を握った状態で見せる。
 彼らはうぞうぞと動いて解放を訴えて鳴いていた。
「うわっぐっろ!ちょっとやめてくださいよ!そんな汚いものぽいしてください。ぽいっ!!」
 邪険に扱われてミモザは少々むっとしたものゴーヤの、確かに持っていても仕方がないといえば仕方がないので両手を開いた。とたんに蝙蝠たちは一斉に洞窟に向かって飛び去っていく。
「ばいばーい」
「ばいばいじゃないですよ」
 ジーンは呆れている。ミモザは肩をすくめると「じゃ、行きましょうか」とジーンのことを促した。
 目の前には背の高い塔の姿が見えていた。
亜鉛 サプリクロムの効能ポリ ペプチド

 天高く掲げ亜鉛の効果

 天高く掲げられたレイピアが振り下ろされる。
(まずい……っ)
 ミモゴーヤザはとっさに防御形態を構えた。間一髪、そのレイピアから放たれたマカ サプリ光の帯がチロの盾へとぶつかり爆ぜる。
「ぐ……っ!」
 その攻撃の重さにうめく。彼女の最強の魔法、光線銃(レーザービーム)だ。
 この魔法は主人公であるステラの必殺技であり、MPの消費量アントシアニンと溜め時間の長さによって威力の上がる技である。ゲーム中の戦闘場面で使うものは威力が少なかったが、ボス戦などのイベントでとどめを刺すモーションの際のアニメーションで使用される時の威力はとんでもなかった。だいたいは仲間の男性勢がステラが溜める時間を稼ぎ、技を放つ、といったパターンだ。それはそれは巨大な精霊の胴体に風穴を亜鉛 サプリ開けるぐらいとんでもなかった。普通にミモザが食らったら死ぬし卒業試合なんかで出していいものではない。
(う、撃ちやがった……)
 ミモザが防げなかったらどうしていたのだろう。きっと今頃スプラッタな光景が校庭には広がっていたはずだ。まぁそれを言ったら卒業試合そのものが物騒極まりないが、しかし使われる技の多くは寸止めが可能であるかあたっても死なない程度のものに配慮されている。
 ちらり、とミモザが審判の教師を見ると彼はちょっと顔を引き攣らせて引いていた。引くくらいならば止めて欲マカしい、切実に。
 正直、王都の御前試合ならともかく、今回の試合では出てこないと思っていた技だ。
(これは早々に片をつけないとダメだ)
 じゃないと死んでしまう、ミモザが。
「すごいわミモザ。簡単に防げてしまうのね」
 周囲に花を飛ばして無邪気に笑う姉に、ミモザはぞぞっと身を震わせた。ミモザがうっかり死んでしまっても「あら死んじゃったわ、ごめんなさい」で済まされてしまいそうな恐怖を感じる。
(さすがにそんなことはない……、よね?)
 チロはそんなことあるだろボケェ、とメイスの姿のまま身を震わせてミモザに訴えてきた。
 ふぅ、と自分を落ち着かせるように息を吐く。そしてその深い湖面のような瞳で、ミモザは冷静にステラのことを見据えたマカ サプリ
 ミモザに勝機があるとすれば、それは一つだけだ。
 それはーー、
「筋肉こそ!最強!!」
 気合いと共に一気に距離をつめる。氷の破片が襲ってくるが、それを避けることはせず、全てメイスで叩き壊した。長距離戦では勝ち目がない。勝つためにはなんとか近距離戦に持ち込まねばならない。ステラもミモザの狙いを悟ったのか氷を放ちながら距離を取ろうと動くが、遅い。ミモザはずっと鍛えてきたのだ。
 筋トレを欠かさず行ってきた。走り込みだって毎日続けている。そして戦闘経験ならば圧倒的に積んでいる。その分の筋力が、速度が、判断力が、ミモザにはある。
 ミモザはそのまま懐へと飛び込むと、メイスでレイピアを殴りつけた。ただでさえ重量級の武器である。遠心力で勢いがついているし、なによりも、
「筋トレの成果を見よ!」
 ステラよりもミモザのほうがマッチョである。
 ステラが防御形態を展開しようとするが、もう遅い。
 ミモザはサプリメント マカステラのレイピアを殴り飛ばした。
「……いっ!」
「筋肉の、勝ちだーっ!!」
 レイピアが空を飛ぶ。姿勢を崩し、動揺してそれを目で追うステラの喉元にミモザはメイスを突きつけた。
「…………っ」
「しょ、勝者、ミモザ……」
 審判の声は半信半疑だった。誰もがステラが勝つと思っていたのだ。まさか落ちこぼれで不登校なミモザが、優等生のステラに勝つだなんて誰が想像しただろうか。
「お姉ちゃん」
 はぁはぁと息を整えながら、いまだに呆然と吹き飛ばされたレイピアを眺めるステラをミモザは呼ぶ。
 彼女は信じられないという表情で、ゆっくりとミモザを見上げた。
「僕の、勝ちだよ」
 じわじわと、笑みが口元に浮かぶ。口にした途端、勝ったのだと実感した。
「僕はアベルを許さない。だからお姉ちゃんはそのことに今後一切、よけいな口を挟まないで」
 青空を背に、満面の笑顔を浮かべる。それは先ほどまでステラが浮かべていたひまわりのように無邪気な笑顔とは違う。
 邪気を孕んだ、けれど棘を身に纏う薔薇のように、あでやかな笑みだった。

 ミモザは優勝した。
 全校生徒が並ぶ中を、優勝トロフ亜鉛 サプリィーを受け取るために悠々と歩く。
 並んでいる中にはアベルはもちろん、他にもミモザをいじめてくれた奴らや無視していたクラスメイト達が整列していた。
 それを横目で見つつ、ふん、と鼻を鳴らす。
 壇上にたどり着くと校長が微妙な顔をして木製の小さな優勝トロフィーを持って待っていた。さもありなん。不登校児が優勝するなど前代未聞だろう。
「えー、では、優勝トロフィーを授与する。ミモザ君」
 ごほん、と咳払いして校長はトロフィーを差し出した。
「優勝おめでとう」
「ありがとうございます」
 ミモザは綺麗に礼をして優勝トロフィーをー…、受け取らなかった。
「辞退させていただきます」
「……は?」
 にっこりと、惚ける校長に微笑みかける。生徒や教員も含め、周囲が騒つくのがわかった。
「僕はこの学校に少ししか通っていません。そんな人間にこのトロフィーはふさわしくないでしょう」
 ミモザの発言にますます喧騒が広がる。
「あ、あー、ミモザ君、そのようなことは……」
「ですのでこのトロフィーは、繰り上げで準優勝のアベルに譲りたいと思います」
 どよめきの声が上がった。
(そりゃあそうだ)
 ふふふ、とミモザはほくそ笑む。
 ミモザとアベルの事件については皆知っている。その被害者が加害者にトロフィーを譲ろうというのだ。ミモザマカ サプリは戸惑う校長からトロフィーと、ついでに卒業証書ももぎ取ると、そのままスタスタと壇上を降りてアベルの元まで行った。
「ミモザ……」
「あげる」
 なかなか受け取ろうとしないアベルに苛立ち、そのままトロフィーを無理矢理押し付ける。
 ふん、と鼻を鳴らす。格下と侮っていた相手に勝ちを譲られるというのは一体どんな気分だろうか。
 決勝で戦ったアベルのていたらくといったらなかった。直前の会話に動揺したのか、あるいはステラが負けたことがショックだったのか、その両方か、アベルはろくに実力も出せずに敗北した。まぁミモザは今までの恨みを込めて遠慮なくぼこぼこに殴らせてもらったのだが。
 アベルはその瞳に戸惑いを浮かべたままトロフィーを持ち、「ミモザ、その……、これは……」としどろもどろに何事かを話している。
 その態度をミモザは、どうやら更生は順調に進んでいるのだな、とつまらない気持ちで眺めた。レオンハルトが非常に残念そうに伝えてくれたので疑ってはいなかったが、実際に見るとなるほど、しらけるものだ。
 どんなに真っ当になろうが善良になろうが、ミモザにとってクズはクズのままだ。行った行動はなくならないし今後の行動で帳消しになどなりはしない。しかしクズはクズらしくしてくれていた方が報復しやすいのは確かだった。下手に更生されてしまうと今度はこちらが加害者になりかねない。
(グレーなラインで攻めるしかないかぁ)
 どマカうやって報復してやろうかと考えていた内容を頭の中で整理する。とりあえず物理的に殴り返すというのは済んだ。あとはもう、まともになってしまったのならばまともなりに、罪悪感を一生感じて苦しんでもらうのが1番だろう。
 あれほど恐ろしかったアベルが、急に小者に見えた。なんだか馬鹿馬鹿しくなってミモザはアベルにぐいっと顔を近づける。
「み、ミモザ……っ」
「この学校の人達の評価なんて、僕は欲しくないの」
「……っ」
「偉そうにトロフィーなんて渡されたくないし、認めてもらいたくもない。加害者からは何一つ受け取りたくない。気持ちが悪いから」
 アベルにだけ聞こえる声でそう囁いて、そのショックを受けて青ざめた顔に満足する。
「だから、あげる」
 そう言って無言で立ちすくむアベルを放ってミモザは校門に向かって歩き出した。
 呼び止める声はあったような気もしたが幸い大きな声ではなかったので気づかないふりをした。もう二度くることもないだろうな、と大した感慨もなくミモザは学校を後にした。

「ミモザ」
 学校から出て家に向かっている途中、ふいに声をかけられる。一体どこからと周囲を見渡すと「こっちだ」と再び声がした。
「えっ、うわっ」
 ばさり、と大きな音を立ててそれはミモザの目の前に降り立った。それはレーヴェだ。
 黄金の翼獅子はその背に主人を乗せて空から舞い降りてきたのだ。
 彼は当たり前のような顔で守護精霊から降りるとミモザの前へと立った。
 長い藍色の髪がさらりと流れ、黄金の瞳が笑みを作る。
「レオン様、どうしてここに……」
「今日が卒業試合だと言っていただろう」
 平然と、彼はそれが当アントシアニンの効果たり前かのように言った。
「どうだった? ミモザ」
「…………っ」
 ミモザの胸がじんわりと熱を帯びた。多忙な彼が、わざわざ会いに来たのだ。今日が卒業試合だというだけの理由で。
「勝ちました」
 ミモザは笑う。少し気恥ずかしさも感じながら、それでは言葉が足りなかったかと付け足す。
「優勝しました」
「そうか」
「でもあいつらが嫌いだったので、蹴っ飛ばして来ちゃいました」
 他の誰かに言えば、きっと咎められる行為だろう。大人げないだとか、試合とこれまでのことは関係ないだろうとか、きっと諭されるに違いない。
(けど、レオン様なら)
 ミモザには確信があった。彼ならきっと、一緒に笑ってくれるに違いない。
 果たして彼は、
「そうか」
 もう一度そう頷くと、意地悪そうに口の端を上げてにやりと笑った。
「さすがは俺の弟子だ。よくやった」
「はい!」
 ミモザは満面の笑みで頷く。努力が報われた? それだけじゃない。ミモザと気持ちを共有してくれる人がいる。そのことがただただ嬉しい。
(きっと大丈夫だ。これからのこともきっとなんとかできる)
 だって、ミモザは卒業試合で初戦敗退どころか優勝し、ステラに負けるという運命に打ち勝ったのだ。
(レオン様がいてくだされば……)
 これからのゲームで起きる出来事もきっと変えられる。そう信じることが今のミモザには可能だった。
亜鉛の効果ゴーヤゴーヤ亜鉛の効果クロム

 まだ朝の早い時間亜鉛 サプリ おすすめ

 まだ朝の早い時間、ステラ達は塔を目指しマカ サプリて歩いていた。
 何故こんなに朝早いのか。それは人目を避けるためだ。
 スゴーヤテラ達は今、警官から目をつけられている。ステラとしてはこそこそとするような真似は業腹だが、またうるさく絡まれるよりは遥かにましだった。
「次は第5の塔ね」
 ステラが歌うように告げる亜鉛 の サプリ。それに着いて歩いていた面々はそれぞれの反応を返した。
「そうだね」とマシュー。
「楽しみですね」とジーン。
「……………」
 アベルだけは無表情で何も言わなかった。
(困ったわね)
 それにステラは眉を寄せる。
 ステラの『毒』は、何故だかアベルにだけはうまく効かなかったのだ。
 けれど彼は反抗する気もないらしい。仕方なくステラは彼のことサプリメント マカをそのまま連れ歩いていた。
 ステラの新たに目覚めた能力。それは『毒』属性だった。
 ティアラが傷つけた者にその毒は感染する。それはラブドロップと全く同じ効果をもって作用した。
 ステラは自分の肩でくつろぐティアラを見る。その瞳は、青い。
 それはステラが幻術を見せる機能のあるネックレスで隠しているからだった。
(狂化って言うのよね)
 ステラは思い出す。確か前回のミモザがなっていたものだ。
 狂化したミモザは狂化する前よりも確かに使える技が多彩で強くなっていたと記憶している。
 そう、今回のミモザのアントシアニンの効果ように。
(今回も狂化しているのかしら?)
 けれどミモザもチロも目は紅くない。しかし現にステラが幻術で誤魔化しているのだ。ミモザが誤魔化していない保証はない。
 狂化は国や教会で取り締まりの対象になっているが、どうしてだろうとステラは思う。
(こんなに解放的で素晴らしいのに)
 こんなに気分がいいのは久しぶりだ。
 ステラはスキップをするように歩いていた。

 それはあともう少しで塔に着くという頃に起こった。
「………ん?」
 マシューが立ち止まる。
「どうしたの?」
「いや、なんか音が」
 言われて耳をすましてみると、確かに音が聞こえる。本当に微かだが、これはーー
「鈴の音……?」
 四人は顔を見合わせる。
「野良精霊かdha?」
 アベルの問いに
「いえ、もしかしたら野良精霊に襲われている人が助けを求めているのかも知れません」
 とジーンが応じる。
 確かに盗賊や精霊に襲われた時に助けを求めるためにベルや鈴などを携帯するというやり方は、かなり古い方法だがなくはない。
 最近ではブザーの鳴る魔道具が主流だが、費用を抑えるために鈴を携帯する人も一定数はいた。
「行きましょう」
 ステラは頷くと、そっと茂みの中へと分け入った。

 鈴の音は段々と近づいてきていた。移動している気配がないため、もしかしたらもう持ち主は事切れており鈴だけが風に揺れているのかも知れない、とステラは思う。
(遺品だけでも持ち帰ってあげましょう)
 そう思いながら草をかき分けて進み、
「…………え?」
 ステラはそこで、自分に瓜二つの少女の姿を見た。

 白と藍色のワンピースが風にひるがえっていた。
 彼女は短い金色の髪を風に揺らしながら、両手に鈴を持って優雅に踊る。くるくると回る動きに合わせて、スカポリ ペプチドートはふわりと広がり、鈴がしゃらんと涼やかな音を奏でた。
 湖のように静謐な、青い瞳がこちらを見る。
 視線が合った。
「ようこそ」
 ワンピースの少女、ミモザは踊るのをやめてこちらを振り返った。
 その瞳が微笑む。
「引っかかったね、お姉ちゃん」
「………っ!!」
 とっさにステラはレイピアを構える。間髪おかず、氷の破片を放つ。
 しかしそれはミモザに辿り着く前に炎の斬撃に阻まれた。
 ゆっくりと、ミモザの隣に男が立つ。
 藍色の長い豊かな髪、黄金に輝く意志の強い左目、白い軍服を身にまとった美丈夫な男だ。
 鋼のような強さで、彼の視線がこちらを射抜いた。
「レオンハルト様……」
 思わず後退る。しかしその背後で足音がした。振り返るとそこには、
「先生!!」
 ジーンが声を上げる。その言葉の通り、銀色の髪の麗人、フレイヤが立っていた。
「俺もいるぜーぃ」
 へらりと笑ってガブリエルがジェーンを伴ってその隣に並ぶ。
「ジェーンさん、どうして……」
 マシューが苦しそうにうめいた。
 四人は挟み討ちにされていた。
「愛の逃避行はここまでだよ。ここから先は……」
 ミモザは苦笑する。亜鉛の効果
「反省会、だよ」
 ステラは忌々しげに妹のことを睨んだ。

(さて、)
 ミモザは状況を見回した。
 挟み討ちには成功した。あとは人質達をどう解放するかである。
(とはいえやっぱり、洗脳されてるっぽいな)
 マシューもジーンも、こちらを敵のように睨んでいる。
 ミモザは落ち着かなげにスカートを揺らす。慣れない格好はするものではないな、と思った。
 足がスースーする。
 このワンピースは以前王都に来たばかりの頃、12歳の時にレオンハルトに買ってもらったものである。とはいえ今のミモザでは当然体格が合わず着れなかったのでリメイクしてもらったものだ。
 元々は白いワンピースだったものを、内側に藍色のワンピースを重ねるようなデザインにしてリメイクしてもらっている。藍色のワンピースの部分を今のミモザの体格に合わせているので足りない丈の分、藍色のレースのついたプリーツスカートが白いワンピース部分からはみ出て見え隠れしているのが可愛らしい。肩の部分も今のミモザが着れるように広げるついでに、縫い目を誤魔化すためか藍色のリボンやコサージュでカバーされていた。
「お姉ちゃん」
 ミモザは声をかける。ステラはきつく睨んできた。
「自首をお勧めするよ」
「自首をしなくちゃいけないような理由はないの」
 ステラは一転して、にこりと微笑む。
「ミモザ、亜鉛の効果どうしてお姉ちゃんの邪魔をするの?」
「………邪魔じゃないよ。仕事のお手伝い」
「仕事」
「そう、仕事」
 ミモザはなんと言えばいいかを悩む。なんと言っても意味などないのかも知れないが、だからと言って悩まないのは難しい。
「犯罪がいけないのは、それを許しちゃうと社会が混乱するからだよ」
 結局ミモザは月並みな言葉を吐いた。
「例外を出来る限り作らないのは、それをしちゃうと人と社会を信用できなくなっちゃうからなんだよ、お姉ちゃん」
 たぶん伝わらないだろうなと思う。伝わってほしい気持ちはある。
「貴方をルールの例外にする理由はどこにもないんだ」
 けれど虚しさの方がどうしても勝る。この理屈の通じない動物に話しかけているような空虚感はどこからくるのだろうか。
 獰猛な肉食獣に自ら首輪をつけてくれと説得したってきっと無意味なのだ。
「わからないわ」
 ステラは微笑んだ。
(ほら、無意味だった)
 ミモザは力無く笑う。
「可哀想な人がいるの。みんなが幸せになる道がわたしには見えるの。ねぇ、ミモザ」
 ステラは笑う。花のように美しく、完璧な微笑みだ。
「貴方も知っているでしょう? みんなが幸せに笑っている未来。一度目の人生。すべてが満たされていたの。完璧だった」
 そこで彼女のサファイアの瞳はレオンハルトを見た。
「ある人の死、以外は」
「それって僕のこと?」
 違うとわかっていてあえてミモザは聞いた。苦笑する。きっと彼女には些末ごとだったのだろう。
 ミモザの苦悩も死も。
「ああ、そうだったわね。あなたもクロム死んだんだっけ」
 遠い何かを思い出すように彼女は言った。
「あなたも生きていていいのよ。わたしの邪魔をしなければ」
「……それは無理かな。きっと僕の欲望とお姉ちゃんの欲望は共存できない」
「そう、なら……」
 ステラは残念そうに、けれどあっさりと言った。
「死んで?」
 レイピアを向けられる。ミモザはチロをメイスに変えようとして、
「待ってください」
 横槍が入った。姉妹の青い瞳が声の主を振り返る。それはジーンだった。
 彼はその視線に苦笑すると、「僕に任せてください」とステラを庇うように前に進み出た。
「ジーンくん……」
「ステラさんは危ないので後ろへ」
 彼は紳士的に微笑んだ。そしてミモザへと向き直ると、真っ直ぐに剣を向ける。
「ミモザさん、勝負です」
「……いいでしょう」
 ミモザは不敵に微笑んだ。
「勝てるものなら勝って見せてください」
 ミモザには、対ジーン用の秘策があった。
ポリ ペプチドマカ と はクロムポリ ペプチド

 今、レオンハルトクロムの効能

 今、レオンハルトは最大の危機に直面していた。
 それはいつもの業務のはずだサプリメント マカった。野良精霊の異常マカ と はな大量発生が生じたため、それを退治しに来たのだ。落ち込み気味だったミモザも調子を取り戻させるためには良かろうと連れてきてみれば、そこにはーー、
 うぞうぞとうごめく、黒光りする例の虫が大量にひしめいマカ と はていた。
 何故か森の窪地に大量発生している『ゴ』から始まる4文字の虫の姿に、レオンハルトは鎮痛な面持ちになると顔を手で覆った。
 
(死にそうな顔色だなぁ)
 そんな師匠の様子を隣に並んで一緒にその光景を見下ろしながら、ミモザは見守っていた。
 さもありなん、と思う。虫が得意なミモザですら若干気持マカ サプリち悪いほどの量である。嫌いなレオンハルトに至っては言うまでもないだろう。
 レオンハルトの心情は察するにあまりある。
 やっと気を取り直したのか、レオンハルトはふぅ、と小さく息をつくと、
「ミモザ、いけ」
 据わった目で指示を下した。
「アイアイサー!」
 心得たと言わんばかりにびしっ、と敬礼を決めてミモザはメイスを構える。
(新技を使おう)
 最近地道な努力の末に手に入れた新しい毒技である。
 ステラに負けて足を負傷し、しばしの余暇期間があったミモザは塔攻略のかたわら新たな毒を出せないか練習していたゴーヤ チャンプルーのである。
 そしてその結果手に入れた新たな毒、それはずばり『麻痺』である。
 とはいえ以前の毒同様、大した効果はなく、せいぜいがなんかピリピリするくらいである。しいていうなら指先の繊細なコントロールが狂うことがあるかも知れない。
 しかし虫相手なら人間相手よりかは効くだろう。
 いちいちこの数を傷つけるなど馬鹿らしいので今回はMPの節約をやめて空気中に毒を放出することにした。
「見よ! これこそ僕の新技!!」
 誰ともなしに告げるとはっ、と気合いを入れてミモザはメイスを前に突き出す。
 とたんにメイスの周辺にいる虫達がバタバタと倒れて動かなくなった。
「………」
 ミモザは無言でしばらくメイスを蠢く虫目掛けてクロムの効能左右に振る。気分はスプリンクラーである。
 しばらくそうしているとやがて全ての虫が動きを止めた。
 ミモザはぐっとガッツポーズを決める。
「見てください! レオン様! 僕の新技、その名も『殺虫剤』です!!」
「素晴らしい!」
 レオンハルトは心の底から称賛するように拍手をした。

「それで、ミモザ。その後はどうだ」
 その質問が先日落ち込んでいたことを慮ってのことだとはわかっていた。
「ご迷惑をおかけしました」
 ミモザは丁寧に頭を下げる。その杓子定規な返答にレオンハルトはむっと顔をしかめた。
「そのようなことは聞いていない」
「おかげさまで立ち直りました。第3の塔の攻略にも行ってきましたよ」
 ステラとのいざこざがあってあの時は結局中に入れなかった第3の塔である。あの塔の中に入ると、そこにはジャングルが広がっていた。
 肝心のその試練の内容はというとーー、
 ミモザはげんなりと思い出サプリメント マカす。
 高速移動で走り回るなんかよくわからない植物の捕獲である。
 奇声をあげながら走っているので特に見つけるのは難しくないのだが、とにかく逃げ足が早くてなによりも走る姿が気持ち悪い。
 紫のまだら模様の花弁に黒に近い緑色をした茎、赤い葉っぱを腕のようにうねらせながら高速で根っこを足のように回転させて走り回る姿は、はっきり言ってただの怪異である。
 めしべに当たる部分の色が金銀銅のいずれかであり、それで祝福のランクが決まるのだが、なにしろ走り回っているものだから捕まえてみるまでその色がわからない。
 元気よく塔の壁を駆け登る姿にここに梯子があればと思い、捕まえる時に触りたくなさすぎて網があればと願う。
 もしかしたらその切なる願いが合成の技術を得るために必要なのかも知れない。
 捕まえてみるとそれはちょっと湿っていてぬるっとしていた。そのうごめく植物の中央部が銅色なのを見て、ミモザは迷うことなく無言で最上階へと向かった。
 もう捕まえたくなかったからだ。
 ちなみに奇声のように思えた音は葉っぱが擦れて起こる音だったらしい。あまりにもそのアントシアニン動きが鬱陶しすぎてその胴体である茎の部分を葉っぱごとぎゅっとわし掴んだ際に音が出なくなって判明した。特に知りたくはなかったが最上階まで行く途中に他の試練を受けている人がどうしたら大人しくなるのかを尋ねてきたので教えることができたのはまぁ、善行だっただろう。
 遠い目をするミモザに第3の塔と聞いて色々と察したのか「そうか」とレオンハルトは頷いた。
「ちなみにレオン様はその、この塔を攻略した時にあの植物は……」
 一体どうしたのだろう、と思って尋ねると「ああ」とレオンハルトは軽く頷いた。
「殺して持っていった」
 真顔である。
「…………」
「厳密には殺すと言う表現は誤りだな。知らないのか? あの植物は生物ではない。祝福のために作られた何かだ。その証拠に最上階まで上がったら姿が鍵に変わっただろう」
「え、あ、はい……」
 それはそうなのだが、あの得体の知れない植物を殺す度胸はミモザにはない。
 なんだか祟られそうな怖さがある。
 やっぱりすごい人だなぁとその思い切りの良さと迷いのなさに感服しつつ、あの謎の植物が平気でゴキブリがダメなのは何故なのだろう? と首を傾げた。
(何かトラウマでもあるのだろうか……?)
 ミモザにはちょっと理解できそうになかった。
dha epaクロムの効能クロムの効能ゴーヤ チャンプルー

 今、レオンハルト亜鉛 サプリ

 今、レオンハルトは最大の危機に直面していた。
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 うぞう亜鉛の効果ぞとうごめく、黒光りする例の虫が大量にひしめいていた。
 何故か森の窪地に大量発生している『ゴ』から始まる4文字の虫の姿に、レオンハルトは鎮痛な面持ちになると顔を手で覆った。
 
(死にそうな顔色だなぁ)
 そんな師匠の様子を隣に並んで一緒にその光景を見下ろしながら、ミモザは見守っていた。
 さもありなん、と思う。虫が得意なミモザですら若ゴーヤ チャンプルー干気持ち悪いほどの量である。嫌いなレオンハルトに至っては言うまでもないだろう。
 レオンハルトの心情は察するにあまりある。
 やっと気を取り直したのか、レオンハルトはふぅ、と小さく息をつくと、
「ミモザ、いけ」
 据わった目で指示を下した。
「アイアイサー!」
 心得たと言わんばかりにびしっ、と敬礼を決めてミモザはメイスを構える。
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 最近地道な努力の末に手に入れた新しい毒技である。
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「………」
 ミモザは無言でしばらくメイスを蠢く虫目掛けて左右に振る。気分はスプリンクラーである。
 しばらくそうしているとやがて全ての虫が動きゴーヤ チャンプルーを止めた。
 ミモザはぐっとガッツポーズを決める。
「見てください! レオン様! 僕の新技、その名も『殺虫剤』です!!」
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 ミモザはげんなりと思い出す。
 高速移動で走り回るなんかよくわからない植物の捕獲である。
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 捕まえてみるとそれはちょっと湿っていてぬるっとしていた。そのうごめく植物の中央部が銅色なのを見て、ミモザは迷うことなく無言で最上階へと向かった。
 もう捕まえたくなかったからだ。
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 それはそうなのだが、あの得体の知れない植物を殺す度胸はミモザにはない。
 なんだか祟られそうな怖さがある。
 やっぱりすごい人だなぁとその思い切りの良さと迷いのなさに感服しつつ、あの謎の植物が平気でゴキブリがダメなのは何故なのだろう? と首を傾げた。
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