それが起こアントシアニン

 それが起こったのは、ある意味必然であったのかも知れない。なにせポリ ペプチド亜鉛 の サプリ兆はあり過ぎるほどにあった。
 しかしすべての災難は最悪なことに同時に訪れたのだ。
「どういうことです?」
「そのままですよ。困ったことになりました」
 連絡を受けてかけつけたレオンハルトとミモザに、沈痛そうに額に手を当ててオ亜鉛 の サプリルタンシアは言った。
「立てこもり事件と野良精霊の大量発生が同時に起きました」
 息を飲む。二の句が継げないミモザに代わり、レオンハルトは「立てこもり事件というのは?」と尋ねた。それに教皇は無言である手紙を差し出す。それはとても丁寧な犯行声明であった。

『第4の塔に長期滞在致します。大人7名、子ども3名、計10名にて実施いたします。試練の塔被害者遺dha epa族の会』

「閉鎖しないのならば立てこもりを止める権利はない、といいたいのでしょう。まぁ実際、入場資格のある者が何日間滞在しようと規制するルールは存在しません」
「いや、大人はともかく子どもはだめってルールだったはずでしょう」
 ガブリエルがうめく。それにオルタンシアは力なく首を横に振った。
「入場管理を担っている人間を脅しつけて無理矢理入ったようです。厄介なのはここで彼らに死者でも出ようものならこちらの管理責任が問われることです」
「なぜ急にやり方を変えたのでしょう?」
 フレイヤが尋ねる。確かに、コラムを書いて人々の同情を引マカ と はこうという最初の手段からは、随分とかけ離れた強引な方法であった。
「先日の…、レオンハルト君の件が効いているのかも知れません。彼女はレオンハルト君を取り込むのに失敗しましたから」
「それにしてもあまりにも手段のベクトルが違いすぎる」
 レオンハルトの訝るような言葉にミモザも無言で頷いた。最初の戦略はなんとも慎重で自分たちに利があるように上手く立ち回っている印象だったが、今回の件はあまりに強引すぎておそらく被害者遺族の会に世間はマイナスのイメージしか抱かないだろう。
「仲間割れ、でしょうか?」
 首をひねるミモザに、レオンハルトは「そうだな」と思案した。
「少なくともジェーンを影で操ろうという人間が2人以上はいるのかもしれない。彼らはそれぞれ意思の連携ができていないか、片方が亜鉛功を焦りすぎたか」
「どちらにしろ重要なのは、このような自分自身を人質として盾にするようなテロリズムに我々は屈するわけにはいかないということと……」
 オルタンシアは首を振る。
「野良精霊の討伐のほうが優先事項であるということです」
 確かに自らの意思で危険に飛び込んだ者と、なんの落ち度もないのに危ない目に遭いそうな者ならば、後者が優先して守られるべきだろう。
「野良精霊の方に王国騎士団、塔の方に教会騎士団で分担してーー」
「というわけにもいかないのです」
 オルタンシアは眉間を押さえる。
「現在だけでも野良精霊の被害が10ヶ所以上で報告されていて数は増える一方です。両騎士団一斉にことにあたっても被害をすべて食い止められるかどうか……」
 レオンハルトも難しい顔で腕を組んで考え込んでいる。ミモザはちらりと教皇の執務机の上を覗き見た。王都周辺の地図に赤い印がばらばらと点在マカ サプリしている。これら全てが野良精霊の大量発生箇所だとしたら、確かにとても人手が足りないだろう。
「ミモザ君、行ってくれませんか?」
 ふいに声が響いた。オルタンシアからの急な名指しにびくりと震える。
「え?」
 その顔をまじまじと見つめるが、彼は真剣な表情を崩さない。
「両騎士団長は指示を出さねばなりませんから言わずもがな、レオンハルト君の戦力は野良精霊の方に必要ですし、英雄がテロリストの命を優先することははばかられます。しかし彼らを放置するわけにはいかない。ですから塔の方はミモザ君、君に任せられませんか?」
「……それしかないか」
 レオンハルトも難しい顔でそれに同意した。
「ミモザ、別に解決する必要はない。ただすべてを片付けて俺が駆けつけるまでの時間を稼いでくれ。第4の塔ならばお前の実力でなんとかなるだろう」
「はぁ、わかりました」
 つまりミモザは彼らの用心棒をして待っていればいいのだろう。いくら塔の中が危ないとはいえ試練に挑むわけではない。能動的に動かなければ危険も少ないはずだ。
「それなら、僕も行きます」
 手を挙げたのは爽やか少年ことクロムの効能ジーンだった。
「戦力は多いに越したことはないでしょう」
(うーん…)
 その言葉にミモザはレオンハルトの顔を見る。彼は無言で首を横に振った。薄々わかってはいたが、どうやらレオンハルトは基本的に教会寄りのスタンスらしい。
「申し訳ありませんが……」
 案の定、オルタンシアは申し訳なさそうに首を振る。
「なぜですか!」
「塔の一度に入れる入場人数には制限があるのです。第4の塔は12人が上限です。これは我々が決めたものではなく塔がそれ以上の人数を拒絶するのです」
「なら僕もぎりぎり…」
「1人は連絡役に残しておきたいのです。中の状況が全く確認できなくなるのは困りますし、必要に応じて物資なども運ぶ必要が出るかも知れません」
 ジーンは悔しそうに歯噛みした。
 嘘ではないだろうがそれだけが理由ではないだろう。塔は教会の管理である。ミモザは教会寄りのレオンハルトの弟子だからいいのだろうが、王国騎士団団長の弟子の手を借りたくはないのだろう。それは国に借りを作ることと同義であるし、下手をすれば塔の管理について余計な横やりを入れられかねない。
 塔は金の卵を産む鶏のようなものだ。そのほとんどが塔の管理と維持費に消えるにしてもそこそこの収益にはなっているだろうし、なにより教会としては宗教的価値のあるゴーヤ塔の利権を手放したくはないだろう。
「では、ジーンを連絡役にしましょう」
 その時フレイヤが強い口調で提言をした。王国騎士団側としてもこのような機会は見過ごせないらしい。
「ジーンならばいざとなればミモザちゃんと協力して戦えますし、王国騎士団に所属しているわけでもない。適任ですわ」
 名案と言わんばかりに花のようににっこりと笑うフレイヤに、そこが落とし所と考えたのだろう、オルタンシアは「では、お願いしましょうか」と苦笑した。
「ただし、君はあくまで連絡役です。それ以上のことは越権行為ですよ」としっかりと釘を刺すことは忘れなかったのはさすがである。
マカ サプリサプリメント マカゴーヤ チャンプルー

「ミモザ!」 亜鉛 サプリ

「ミモザ!」
 喜色をにじませた声でステラが名前を呼んで立ち上がる。そのサプリメント マカ瞳はきらきらと輝き、頬を亜鉛 サプリ おすすめ紅潮させて笑う姿は相変わらずうっとりするほど美しかった。それに若干げんなりしつつミモザは首を横に振る。
「話は聞かせてもらった。けど薬草の採取は種類に厳密な制限があるし、塔の外に持ち出す行為は禁止だよ」
 本当は何も言dhaわずに立ち去りたかったが、聖騎士の弟子という立場上、犯罪行為に対して忠告くらいはしないと世間体が悪い。
 ミモザのその忠告に、ステラは悲しそうに眉根を寄せた。
「どうしてそんな意地悪を言うの?この子が可哀想だとは思わないの?」
「可哀想だったら何をしてもいいわけじゃない」
 ミモザは上げていた手を下ろした。そして幼いながらに横槍を刺したミモザのことを強く亜鉛 サプリ睨みつけてくる少女のことをちらりと見る。
「薬草の数は限られている。取り過ぎれば当然絶滅してしまうから採取量は制限されているし、採取されて薬になって以降は優先順位を医者と国が判断して必要性の高い人に優先的に分配されるように管理されている。それを無視して掠め取る行為は犯罪だし、なにより他の順番を待っている人達に対する裏切りだ」
 それはステラというよりは少女に向けて言った言葉だった。彼女は気まずげに俯くが、すぐにまた顔を上げると「でも」と言いdha募った。
「でも、お母さんの病気が悪化したら……っ」
「医者はしばらくは大丈夫だと言ったんでしょ?」
 ぐっ、と少女の言葉が詰まる。ミモザはその様子にため息をついた。
「おおかた、お姉ちゃん以外の人にも頼んで断られたんじゃないの?今僕が言った理由で」
「え?」
 驚いたようにステラが少女を見る。少女は図星だったのか気まずそうに身じろぎをした。
「そりゃあ皆断るよ。バレたら大変だし君の言っていることに理はない。多少同情の余地があるとはいえ君のただのわがままだ。そんなことに自分の人生を賭けるような真似、まともな神経ならしないよ」
「でも……」
 ここまで言っても諦めきれない様子の少女に、ミモザは容赦をやめて言葉の切先を突きつdhaけることにした。
「なんで君がやらないの?」
「………っ」
「第2の塔は攻略したんでしょ。なら第3の塔にも自分で入って自分でやってくればいい」
 少女は俯く。ミモザは近寄ると彼女の顎に手をかけて上を向かせ、逃げることは許さないというように無理矢理目線を合わせた。
 彼女の瞳をその湖のように深い瞳で覗き込む。
「それをしないのは怖気付いたの?それとも何か他の理由かな。わからないけどさ」
 少女の目には怯えが浮かんでいた。そのまるで被害者のような表情に腹が立つ。
「自分の欲望のために罪を犯すというのなら、人に押し付けないで自分でしなさい」
 ぼろぼろと彼女の瞳から大粒の涙がこぼれた。それを無表情に見下ろして、ミモザは顎を掴んでいた手を離した。
(さて……)
 言いたいことも言わなければならないこともとりあえずは全て伝えた。あとはもうミモザの仕事ではない。そそくさとそ亜鉛 の サプリの場を立ち去ろうとするミモザのことを、しかしステラは許さなかった。
 ミモザの前へと立ち塞がり、両手を広げて逃がさないと言わんばかりに睨みつける。
「どうしてそんな酷いことを言うの?この子はここまで頑張ってきたんだから、その努力は褒められるべきことだわ」
 ミモザはため息を吐く。うんざりと髪をかき上げた。
「褒めるだけでいいならいくらでも褒めてあげるよ。ここまで来た根性は認める。でもそれとルール違反をしてもいいかどうかは別の話だよ」
「ルールルールってそればっかり!ミモザには人の気持ちがわからないの?」
 その言葉にミモザは鼻白む。とんだ言われようである。
「規則は守らないと国も世界も成り立たなくなっちゃうよ。なによりきちんとルールを守っている人が損をしちゃうのはダメだ」
 けれどただちにその場を立ち去りたい気持ちになんとか蓋をして諭すように話しかけた。しかしステラは拒絶するように首を横に振る。
「人それぞれ事情があるじゃない」
「黙って従ってる人にも事情はあるよ」
「……決めた」
 何を、と問いかける時間は与えられゴーヤ チャンプルーなかった。ステラの目が何かを覚悟したようにきらめき、ミモザのことを射抜く。
「ミモザ、わたしと勝負をしなさい。そしてわたしが勝ったら彼女に薬草をあげるのをこれ以上邪魔しないで」
「犯罪を容認しろってこと?」
 そんなのはダメだよ、と言おうとして急に頭痛に襲われてミモザは黙り込んだ。
(これは……)
 くらくらと目眩がする。既視感がミモザを襲ってくる。
(妨害イベント……)
 仕掛けてくるのはステラからとゲームとは逆になっているが、今この場面は確かに『ステラ達が塔に入るのを邪魔する』というミモザの妨害イベントそのものだった。
(これを止めようとしたのか、ゲームの『僕』は)
 薬草を無許可で採取しようとするステラを止めようとして次の妨害イベントは起きたのだ。
「ミモザ」
 黙り込んでいることを了承と取ったのか、ステラはティアラをレイピアへと変えて構えて立った。
「勝負よ!」
 その澄んだ真っ直ぐな眼差しに、ミモザの頭痛は増した。
dhadhaポリ ペプチドサプリメント マカ

 ゴードン亜鉛の効果

 ゴードンは新米兵士である。
 一応精霊使いと名乗れる程度の素養はあアントシアニンるが、塔を5つ目で挫折したため精霊騎士ではない。マカそれでも5つ目の塔まで攻略した実績を評価され、王国騎士団の下っ端として拾ってもらえたのだ。エリートコースを歩むためには精霊騎士になることが必須であるが、田舎の出身で王都で暮らすことを夢見ていたゴードンにとっては食っていける職にありつけただけでポリ ペプチド上々の人生である。
「壮観だなあ」
 そんな新米で小市民なゴードンにとって、今回のは初めての大規模な任務であった。実に数千人規模の両騎士団を動員した、戦争でも始めるのではといった事件だからだ。
 ゴードンの前方には整然と先輩兵士が並び、そのさらに前にはエリートの精霊騎士達、そしてそのさらに前、先頭にはー
(あれが『三勇』)
 我ら亜鉛の効果が王国騎士団団長フレイヤ、教会騎士団団長ガブリエル、そして聖騎士レオンハルトの姿があった。
 ちなみに三勇とは『三人の勇士』の略である。かつては『二将、一勇』や『三英傑』など色々と呼び方を模索したらしいが、一番語呂がよく呼びやすい『三勇』に落ち着いたらしい。やはり語呂は大事だ。
 ゴードンのような下っ端ではレオンハルトはおろか、フレイヤですらお目にかかる機会は滅多にない。
 それが3人揃い踏みなのには当然理由がある。王都周辺で野良精霊の大量発生という異常事態が起こったからだ。それも複数箇所同時にである。
 それなのに何故ここにこん亜鉛の効果なに戦力が集中しているのか?
 単純に考えれば分隊を大量に分け、各地に派遣すべきと考えるだろう。そして実際に別働隊は存在している。しかし彼らの仕事は精霊の駆除ではなく、住民の避難と精霊の追い込みである。
 今回あまりにも精霊の量が多く、また倒しにくい相手であった。熊型が大量発生したのだ。
 そのため一箇所一箇所殲滅して回るには時間がかかり過ぎた。そこで考えられた案が追い込み漁である。
 幸いなことに大量発生している場所は王都周辺と限られていた。そのため大量発生が起こった一番外側を円の端にしてぐるりと騎士達で囲み、そのまま精霊達をこの何もないだだっぴろい荒野へと追い込み、そこで待ち受けて一網打尽にしようということになったのである。ちなみにこの作戦の発案者はガブリエルである。ゴードンはポリ ペプチド今まで知らなかったが、彼は知将として国内外で有名らしい。
 その時、上空からひらひらと何かが舞い降りてきた。それは2匹の守護精霊だ。
 1匹は黒い羽に銀色の模様の映える美しい蝶。そしてもう1匹は黒く艶やかな装甲をして鋭いツノをもつノコギリクワガタだった。
 その二匹は諜報にでも出されていたのか前方の三勇の元へと飛んで行く。
「お、三勇様の守護精霊だな」
 その時前に並んでいた先輩がつぶやいた。
「確か、団長様のでしたっけ?」
 それにゴードンは声をかける。先輩は目線だけで振り返ると「当たりだ」と笑った。
 ゴードンは当たったことが嬉しくてへへっと笑う。噂で両騎士団団長はお互いが同じ虫型の守護精霊であることが気に食わなくて仲が悪いのだと聞いたことがあったのだ。
「両団長様のだな。おそらく追い込みの調子を確認していたんだろう」
 先輩の言葉を肯定するように、仕入れてきたゴーヤ情報を主へ伝えようと精霊達はそれぞれの騎士団長へと近付いて行った。
 蝶はガブリエルの方へと進み、その姿を美しい鉄扇へと変えた。
 クワガタはフレイヤの方へと進み、その姿をいかついチェーンソーへと変えた。
「ぎゃっ」
 逆だろ!と叫びかけてすんでのところで堪える。しかし、
「いや、逆だろ!!」
 口を手で押さえるゴードンの背後から声が聞こえた。振り返るとそこには指差して叫んでしまったと思しき同僚の姿があった。彼は先輩に頭を引っ叩かれ、逆にゴードンはこらえたことを褒めるように先輩に頭を撫でられた。
(あとであいつに声かけに行こ)
 友達になれる気がする。
「ぼさっとするな、来るぞ」
 他の先輩が促す。それとほぼ同時に地響きのようなものが始まり、そして姿を現した。
 大量の熊型の野良精霊である。
 そのあまりの多さに、みんなわずかに怯んだようだった。しかし、
 ごうっ、と風の燃える音がした。
 レオンハルトだ。
 彼が巨大な剣を一振りすると、そこから炎を纏った斬撃が放たれ、それは徐々に範囲を広げながら熊達を焼き切った。あまりの高温ゆえに、おそらく斬撃に触れた場所が蒸発したのだ。
 胸から上を失った熊達が無惨クロムの効能に倒れ伏す。
(すげぇ……)
 なんと彼はその一振りでたどり着いた第一陣をすべて焼き払ってしまった。
 まさに一騎当千。
(これが、聖騎士)
 これが最強の精霊騎士か、と感嘆すると同時に畏怖の念が湧く。
 味方ならこんなにも心強いが、もしも敵対することがあればと思うと冷や水を浴びせられたように体が一気に冷たくなり震える。
「聞け」
 その時声が響いた。ゴードンは弾かれたように顔を上げる。
「これは皆のための戦いである。家族や友、そして愛すべき国民を危機に晒してはいけない」
 けして叫んでいるわけでないのに、大きくよく通るレオンハルトの声が響く。
 その言葉にゴードンははっ、と我に返る思いがした。そうだ、守りに来たのだ。自分の想像に怯えている場合ではない。
「皆の者、俺に続け。必ず勝利を掴み取るぞ」
 オオオォォォッ!と雄叫びが上がった。ゴードンはもう、畏怖にとらわれてはいなかった。
 陽の光に照らされて、英雄の藍色の髪がきらりとひらめく。その横顔は凛々しく、金色の瞳は未来を見据えている。
 勝利という未来を。
 そう信じるには充分過ぎて、ゴードンは胸を熱くした。
 そう、ゴードン達はこの手で必ず国民を守るのだ。
ゴーヤアントシアニンの効果マカ と は亜鉛 サプリ おすすめ

 そこは森亜鉛 サプリ おすすめ

 そこは森の中だった。
 青々と生い茂る木々や草花、頭上まで覆う木の葉の隙間dha epaから木漏れ日が溢れdha epa dhaる。
 どこか遠くで鳥の鳴く声がしていた。
 ミモザはあたりを見渡すと遠くに何か光る物が見えた気がしてそちらに近づく。そこにあったのはーー、
「聖剣……」
 木々や草花がそこだけ生えるのを避けたかのような森の中の突如開クロムけた空間に、その何の変哲もない剣は刺さっていた。
 近づいてしげしげと眺める。
 ごくり、と一つ唾を飲み込んだ。
 ミモザはそれに手をかけると、勢いよく一気に引き抜いた。
「………抜けた」
 思わずぽかんとする。しかし何か力が湧いてくるような気配はない。
 どうしようかな、と剣をぷらぷら振ってみると
『何のために力亜鉛 サプリを望む』
「うおっ」
 剣から声がした。もう一度振ってみる。
『何のために力を望む』
 まったく同じセリフがきた。
(なんか、あれに似てるな)
 ボタンを押すと決まったセリフを喋ってくれる人形みたいだ。
 ミモザはもう一度振ろうとして
『振るな。何のために力を望む』
 注意を受けた。どうやら録音された音声が再生されているわけではないらしい。
 ミモザは周囲を見渡して誰かが近くに潜んで腹話術をしていないかを確認してから、小さく一度息を吸って、言った。
「奪い返すために」
『何を?』
 その質問にちょっと悩んで、告げる。
「僕ゴーヤの、生きる価値を」
 しばしの沈黙が落ちる。ミモザはあまりにも正直過ぎたか、と少し後悔した。
 あまりに利己的で小さな動機だ。
 世界を救うためじゃない。誰かを助けるためでもない。
 自分自身を、満足させるためだけだ。
 たったそれだけのことに命を賭けている。
 自分のちっぽけで、あまりの小者ぶりに笑えてくる。
 そこまで考えて、ふともう一つ思いついた。
「大切な人を守るために」
 レオンハルト。
 ミモザの脳裏にあの藍色の髪と金色の瞳がちらつく。
 彼が死んでしまったり、狂化に飲まれてしまう運命さえ変えられれば、例えミモザがどうしようもない奴でも、例えミモザが聖騎士になることに失敗したとしても、上出来ではないだろうかマカ サプリ
 ミモザは微笑む。
 先程の自嘲の笑みとは違う、それはとても穏やかで見る者の目を奪うような満ち足りた微笑みだった。
『ふむ』
 聖剣は考え込むような声を発する。
『動機が不純なのはまぁいいが、魔力が足りんからダメじゃ』
「え、」
『あと不適合者が触れた場合は私はここから解放されることになっておる、感謝する』
「え?」
 そしてばきり、と剣は折れた。
「……………」
 ミモザは折れた剣を見つめて呆然とする。
(魔力の話なんか聞いてない)
 ゲームではそんな設定はなかったはずだ。
「クソゲーめ」
 淡い期待を抱いて損をした。ちぇ、と口を尖らせてミモザは折れた剣を投げた。それはミモザがここに入る時に通過した壁にぶつかり、そして通り抜けて消えた。
「いてっ」
 続けて、誰かに当たった音と声がした。
 ミモザは慌てて壁に頭を突っ込んで異空間の出入り口から外を覗く。
「あー、なんじゃこれは」
「折れた剣みたいだね」
 息を呑亜鉛 サプリ おすすめむ。そこには以前第5の塔で遭遇した老人、保護研究会のロランが頭をさする姿と、その隣で剣の残骸を拾う見知らぬ少年がいた。
 少年はミモザとちょうど同じくらいの年齢に見える。淡い水色の髪に水色の瞳をした中性的な美少年だった。真っ黒い礼服とネクタイという服装と声でかろうじて少年であろうと推察できた。
 にこやかに微笑んでいるように見えるのに、何故だか不吉な印象を与える少年だ。
 ミモザは少し悩むと、彼らが折れた剣に気を取られている隙にそっと異空間から抜け出して彼らの背後へと回った。
 そしてチロをメイスへと変えるとロランへ向けて振り上げる。
「ロラン」
 水色の少年がまるで後ろに目がついてでもいたかのように振り返るとミモザへと杖を向けた。
 そこから風の刃が鋭く放たれる。
「……っ」
 ミモザは素早く後方へと飛んでそれを避けた。
「あっ、おぬしは」
 ロランがミモザを見て声を上げる。
「知り合いかい?」
 少年は親しげにロランに声をかけた。年端もいかない少年が老人に対等な立場で話しかける様子はいやにちぐはぐな印象を受ける。
 しかしロランは気にせず少年の問いかけに頷く。
「第5亜鉛 の サプリの塔で邪魔をしてくれおった小娘じゃ」
「あーあの、聖騎士の弟子だっけ?」
「そうじゃ」

『どうしてここに?』

 見知らぬ少年とミモザの言葉がかぶった。
 ミモザがメイスを構え、ロランも槍を構えた。その間に立つ少年はまるで降参でもするように両手を上げながらにこりと笑う。
「まぁ落ち着きなよ。ボクは君と敵対するつもりはないよ。今はね?」
「なぜですか?」
「メリットがないからさ。逆に言えば君と仲良くしてもデメリットがない」
 ロランも落ち着きなよ、と彼は声をかける。
「むぅ、しかしこの小娘は……」
「話は君から聞いて知っているよ。なかなかの食わせ者だっていうのはね」
 彼は心得ていると言わんばかりにぱちり、とミモザにウインクをしてみせる。
「でも君も今は手を出す理由がないんじゃない? 僕たちは今、なんの犯罪行為も犯してないんだからさ」
「貴方はともかくそちらのご老人は脱獄犯ですよ」
「まぁまぁ、それだけじゃない」
「大問題なんですけど」
 あの後レオンハルトの機嫌が悪くて大変だったのだ。なだめるのにどれだけ苦労したことか。
 半眼で見やるミモザに、彼は人差し指を顔の前でピンと立てて見せると「聖剣」と呟いた。ミモザはぎくりと肩を揺らす。
「こんなところで遭遇するなんて、それ以外に理由があるかい?」
「なんのことだかわかりませんね」
 そらっとぼけるミモザに「実クロムの効能は随分前からこの場所に目星はつけていてね」と彼は語りかけた。
「けどここから先、聖剣の取り出し方がわからなかったんだ」
 先ほどミモザが投げ捨てた折れた剣を彼はかざして見せる。
「これ、壊れているけど聖剣だよね? そしてこの剣の出現と同時に君は現れた」
「……僕はただの通りすがりです」
 苦しいがミモザとしてはそう言ってしらをきるしかない。ここで認めるのは悪手だ。
 ふむ、と彼は一つ頷く。
「質問を変えよう。ここに来るまで手掛かりとしてあるはずだった石碑がすべて破壊されてたんだよね」
「あ、あー……」
「知らないかい? 石碑」
「知りません」
「ほんとーに?」
「知りません!」
 しばし、じぃっと彼はミモザのことを疑わしげに見つめた。ミモザは必死で目線を逸らした。
「………」
「……………」
「…………………」
「………………………すみません、それあげるんで勘弁してください」
「やっぱり壊したのは君だったか」
 まぁここに三人しか人がいない以上、その中の誰かが犯人なんだけどね、と少年は肩をすくめる。
「ボクとロランが違えば君しか犯人いないよね」
「他の第三者かも知れないじゃないですか」
「本気で言ってる?」
 もちろん、本気では言っていない。悪あがきをしてみただけだ。
「ご先祖様の手記には場所の手がかりは書いてあったけど取り出す方法は書いてなかったんだよね」
「ご先祖様?」
「そう。ああ、そういえば名乗ってなかったね」
 そういうと少年は綺麗な礼をしてから黒い五角形を取り出して見せた。五角形の一番上の角にdha epa dha金色の印がついている。
「ボクはエオ。保護研究会の五角形のうちの一角だよ」
 彼は美しく微笑んだ。
 その名前にミモザは聞き覚えがあった。
「貴方がバーナードの言っていた……」
「……ああ。彼を捕まえたのも君なのか」
 彼の言葉にしまったとミモザは迂闊な発言を後悔する。
(敵だとみなされただろうか)
 いざとなったら逃げ出そうと片足を後ろに下げたところで、彼はそれに気づいたように苦笑した。
「ああ、気にしなくていいよ。保護研究会のメンバーはそれぞれ独立していて仲間意識は薄いんだ。一角が削れたって別の誰かがそこに補充されるだけだからね」
「……はぁ」
 それはなんとも薄情な話である。
 しかしロランは彼とは異なる意見なのか案ずるように「バーナードはどうなった?」と尋ねてきた。
「……今は牢屋に収監されていますよ。しかし犯した罪が罪ですから。近いうちに死刑が確定するでしょう」
「……そうか」
「おっと、そういえば例外がいたねぇ。君はみんなと仲が良かった」
 呆れたように、しかし許すように微笑んでエオは言う。
「そうだな、君が望むなら彼のことを牢屋から連れ出してあげても構わないよ。君のことを連れ出したようにね」
(エオがロランのことを脱獄させたのか)
 ミモザは驚く。どうやら二人はそれなりに親しい仲のようだ。ロランは彼の提案に少し悩んだ後、
「いや」
 と首を横に振った。
「助けに行くならわしが行くからいいわい」
「それは良くないなぁ」
 それにエオは難色を示す。
「君の脱獄があってただでさえ警備は強化されているし、その上彼は王国騎士団団長の恨みを買っているからね。君が行ったら一緒に捕まるのがオチだよ」
「む、む……」
「行くならボクと一緒だゴーヤ チャンプルーよ。それ以外は認めない」
「むぅ……」
 ロランは困ったように眉を寄せ、結局「少し考えさせてくれ」と結論を見送った。
 どうやらこの二人に関しては主導権はエオが握っているらしい。
 エオはこちらを見ると「脱線しちゃったね。なんだっけ? 自己紹介だったっけ?」と首をひねった。
「もうお名前はお伺い致しました」
「そうそう、そうだったね。ちなみに本名はアイウエオだよ。長いからみんなエオって呼ぶんだ」
「50音じゃん……」
 その補足情報に思わずミモザは小声でつっこんだ。
「え、」
「ん?」
「あ……」
 ミモザはぱっと自分の口を両手で塞ぐ。
 エオと名乗った少年はそれを面白そうに眺める。
「君、この音の並びに心当たりがあるの」
「ありません、ありません」
「ふーん?」
 ミモザは冷や汗をだらだらと流す。
(なんで日本語の50音が名前なんだ……?)
 全くもって意味がわからない。
「ゴジューオンって、なんじゃ?」
 二人のただならぬ様子にロランが首を傾げる。
「うふふ、なんだろうねぇ」
 明らかにわかっている様子のエオはにやにやと言った。
「ちなみにこれはご先祖様の手記に記されていた音でね、50文字が5から3文字のまとまりで記されていたものだよ」
 やっぱり50音表だった。
「ここから順番にうちの人間は名付けられることになっている。ちなみにボクは一人っ子だけど弟が生まれれば名前はカキクケコになっていたはずだよ」
 あまりに雑過ぎる名付け方だ。そしてやっぱり意味がわからない。
 エオの言った情報が本当だったとして、日本語の知識があったのはエオではなく先祖だったということになる。
(そういえばご先祖の手記に聖剣の場所の手がかりが書いてあったって言ってたな)
 ということはエオの先祖はゲームのプレイヤーだった可能性が高い。転生なのか転移なのかはわからないが、それに類する何かなのだろう。
ゴーヤ チャンプルー そこでふと、ミモザは思い出した。
「あのぅ、もしかしてなんですが……」
「うん?」
 エオは促すように顎を上げる。
「貴方のご先祖様って、ハナコ・タナカ様って名前じゃありませんか……?」
 以前聞いた150年前の異世界チートのお方である。
 その質問にエオは目を見張ると「驚いた」と口にした。
「その通りだよ。よくわかったね」
「ははは……」
 なるほど、納得である。
「ボクはフルネームをアイウエオ・タナカというんだよ」
 聞けば聞くほどふざけた名前だ。しかし日本の知識がない人間は少し変わった名前としか思わないのだろう。
「それで? えーと、君は……」
「あ、ミモザです」
「ミモザちゃん、君は何者なのかな?」
 にやにやとエオは察しがついているように尋ねてきた。
「えっと、僕はレオンハルト様の弟子で……」
「うん、知ってる」
「えーーーーとっ」
 ミモザの思考はぐるぐると空転する。彼は敵か味方かというと敵寄りの人間である。
(ーーというか)
 はっとミモザは気づく。
(彼は主人公の攻略対象では?)
 確か保護研究会にも一人いたはずだ。天才キャラだったと記憶している。
 立場の強そうな美少年。その上、日本の知識あり。
(攻略対象な気がする)
 しかし確証はない。記憶があやふや過ぎてわからないのだ。
「うふふ」
 黙り込むミモザをどう思ったのか、エオは笑うと折れた聖剣を振って見せた。
「まぁ、これの提供に免じて今は君の正体は暴かないでおいてあげよう」
「ありがとうございます」
 普通に助かったのでミモザは平身低頭した。
マカ と はマカ と はゴーヤ亜鉛 サプリ おすすめアントシアニン

 頭上ではきら亜鉛の効果

 頭上ではきらびやかなシャンデリアが揺れていた。クリスタルと金細工マカ サプリでできたそれは、一亜鉛 サプリつで平民の生涯年収を超えてしまいそうな品だ。灯りを反射して周囲を華やかに彩るその下では、人々のいろいろな思惑が交錯していた。
 本日はこのア亜鉛 の サプリゼリア王国の第一王子の婚約お披露目パーティーである。ここは王城のホールで様々な階級の人間が招かれている。本来ならばこういった場に招かれるのは上流階級の人間だけだ。そして実際にそういった人間がほとんどではあったが、中には学者や王子が個人的に親しくしている人なら平民であっても招かれていた。
 これは第一王子の意向である。
 現国王は病床亜鉛の効果に伏して久しい。意思の疎通はできるものの、その病態から執務のほとんどは何年も前から第一王子が代行していた。もはや彼が王だと言われても誰も否定はしないだろう。
 その第一王子アズレン・アルタイル・アゼリアは実力至上主義者である。
 その慧眼により能力のある者を次々と登用し、それにより国の発展と安定に寄与してきた。巷では賢君と名高い。そのため今回のパーティーもその意向が色濃く反映されているのだ。
 しかしそれだけでは外聞が悪い。平民の『えこひいき』は要らぬ反感を買ってしまう。古くからの貴亜鉛族の機嫌を損ねるのはいただけないのだ。そのため上流階級とプラスして王子の気に入っている人々、という闇鍋のようなパーティーが開催される運びとなったのだった。

 さて、そんな闇鍋の中、目立っている2人の人物がいた。それは2人の伯爵令嬢であった。
 1人はアイリーン伯爵令嬢。美しいピンクブロンドの巻き髪にエメラルドの瞳をした非常に愛らしい女性である。彼女は有数の商家を営む家柄で、その裕福さを示すように下品になりすぎない程度だがその髪飾りやネックレス、ドレスに使われる飾りまで、どれも上質な宝石で彩られていた。
 もう1人はセレーナ伯爵令嬢。艶やかな黒髪にキリリとした吊り目のオレンジの瞳をした麗人である。彼クロム女は貴族の令嬢にも関わらず精霊騎士の称号を持つ才媛だ。シンプルながらも彼女のそのすらりとしたシルエットを優美に見せるドレスと控えめな宝飾品が美しかった。
 そんな2人はある一つのものを巡って対立していることで有名である。
 それはーー、
「ああら、アイリーン様、本日もとても可愛らしいドレスですこと」
 にっこりと微笑んで口火を切ったのはセレーナだ。
「ごきげんよう、セレーナ様。あなたもとても素敵なドレスだわ。あなたのスタイルによく似合ってらっしゃって」
 アイリーンも微笑みを返す。ただドレスを褒めるだけの会話だが、両者の間にははっきりと火花が散っていた。カーン、とどこかでゴングが鳴る音の幻聴がする。
「とてもお若く見える装いだわ。確か最近の流行のものだったかしら。パニエがしっかり膨らんでいるから対比で腰が細く見えていいアントシアニンの効果わね」
 そういいながらセレーナは扇子で自らの腰の曲線をなぞって見せる。近くにいた人々は思わずそのラインを目で追った。
「ありがとうございます。セレーナ様はとてもシンプルで大人っぽい装いですわね。わたくしはそういうドレスは似合わなくって……」
 そういいながらアイリーンは腕を寄せて見せる。彼女の豊満な胸がむにっと押しつぶされて強調され、それまでセレーナの腰を見ていた人々の目がそちらに移った。
 あまり胸の豊満でないセレーナはじとりとした目をし、多少ぽっちゃり気味の体型のアイリーンはセレーナの腰付近を親の仇のように睨んだ。
「レオンハルト様はきっとご自分と並んだ時に身長の釣り合いのとれる女性がお好きでしょうね?」
「ええー、騎士様はきっと可愛らしくて愛嬌のある女性がお好きだと思うわ。だってたくましい女性はご同僚にたくさんいらっしゃるはずでしょ?」
「仕事の内容に無理解な妻なんてお呼びではないはずだわ!」
「まるで騎士団に勤めたことがあるような口ぶりですのね!資格を取っただけで働いたことなんてないくせに!」
「何よ!」
「そクロムの効能っちこそ何よ!!」
 ああ、また始まった。周囲の人間はその光景を見てため息をつく。これはこの2人が同じ場所にそろった際に起きる恒例行事だ。
 彼女たちの対立の原因、それは聖騎士レオンハルトの妻の座に一体どちらがおさまるかという争いだった。
「誰があの2人を同時に招待したんだ?」と誰かが尋ねたが、誰も答えなかった。
 そんなの第一王子殿下に決まっていたからだ。
 その時、新たな来賓の到着を告げる管楽器の音がした。皆が無礼をせずに済むように一人一人到着ごとに音楽隊が鳴らしてくれるのだ。噂をすればとはこのことだろう。皆の注目の中、到着したその人物は渦中の聖騎士レオンハルトであった。
 反射で若い令嬢達が上げかけた黄色い歓声は、しかし尻すぼみで終わった。かの人の隣に立つ人物を見たからだ。
 その美丈夫な男は今日は軍服ではなく黒い礼服を身にまとっていた。美しい藍色の髪をいつものように黒いビロードのリボンでまとめ、胸元には青い花を飾っている。その長身やよく鍛えられた体躯も相まって、相変わらず令嬢達がため息を溢すような色男っぷりであった。しかし問題はその隣に当たり前のように佇む少女である。
 少女である。それだけでも大問題だ。これまで一切の女っけがなくクロムの効能、お見合いも色仕掛けもするりとかわしていた男が女を伴って現れたのだ。
 さらに問題なのは、その少女が女神もかくやというほどの美しさだったことだ。
 綺麗に短く切り揃えられたハニーブロンドには天使の輪が光っていた。物憂げに伏せられた瞳は深海を思わせる深い青色で雪のような白い肌によく映えている。頬は薄く桃色に色づき、小さな唇もまるで果実のように艶やかだ。
 そしてその少女の格好がさらなる大問題だった。その髪にはラピスラズリの髪飾りがつけられ、ドレスはシンプルなものだが足元からまるで夜空のように深い藍色がグラデーションを描く美しいものだった。そしてその首元に光る黄色い宝石のついたリボン。そこには黄金の翼獅子が刺繍され、それはレオンハルトの髪を結えるものと全く同じだった。
 その全てが2人が深い仲であることを示していた。
 ふとレオンハルトが何か声をかけたのか、少女は扇状に覆われた長いまつ毛を震わせて伏せられていた瞳を上げた。途端に彼女の瞳に明るい感情が宿り、唇が笑みの形に緩む。
 その仲睦まじい様子に、思わずホールにいた招待客達は先ほど言い争っていた伯爵令嬢2人を見た。
 2人とも悪鬼の形相をしていた。
「ありゃ勝ち目がねぇわ」と誰かが余計なことを口にした。
 思いの外響いたその言葉に、2人は悪鬼のまま犯人を探さんと周囲を見回した。みんなは一斉に視線をそらし、見なかったふりをした。
ゴーヤ チャンプルーマカ サプリマカ と は亜鉛 の サプリ

 周囲は喧騒クロムの効能

 周囲は喧騒に包まれていた。まだ日が高い時ゴーヤ チャンプルー刻のため人の往来も激しい。故郷の村では決アントシアニンして見ることのできない賑やかで華やかな街の様子をステラは店主が店の奥から出てくるまでの時間を潰すために眺めていた。ふと自身の手が目に入る。右手の甲に浮かぶ花のような紋様のその花弁のうちの一クロム枚が金色に輝くのを見てステラはふふふ、と満足そうに笑う。
「お嬢ちゃん、計算が終わったよ」
 年配の店主がゆっくりと店の奥から出てくるとカウンターへ腰掛けた。彼は老眼鏡の位置を直しながら伝票と現金を弄る。
「全部でこのくらいの価格で買い取れるけどもね」
「わぁ!ありがとうございます!」
 なかなかの価格にステラは目を輝かせる。ステラの精霊騎士を目指す旅は順調に進んでいた。第1の塔では金の鍵を簡単に見つけられたし、野マカ良精霊を倒すのも手間はかかるがそんなに難しくはない。初めは路銀稼ぎに苦労すると噂では聞いていたが、これだけ稼げるなら余裕で王都で過ごすことができる。
(ミモザは銅だったわね)
 卒業試合では遅れをとってしまったが、しかしミモザはミモザだ。やはりステラよりも劣っている。
(どうしてレオンハルト様はミモザを側におかれるのかしら)
 ステラの方が何においても優っているというのに。もしかしたら優しいレオンハルトはだからこそ妹に肩入れしているのかも知れなかった。いじめを受けて祝福も1番下のものしか受けることができない。確かに同情するにはdha epa dha十分かも知れない。
 上機嫌でお金を受け取ろうとして、店主はしかしそれを手で覆って渡すことを拒んだ。
「………? 店主さん?」
「これは一日で取ったのかい?」
 店主はじっとステラを探るように目を見つめてきた。それに首を傾げてステラは頷く。
「ええ、そう……」
「ステラっ!!」
 そこで息を切らしてアベルが駆けつけた。物資の買い出しの途中でステラだけ抜けてきたので心配していたのだろう。彼は必死の形相だ。ステラと店主の手元を見て、アベルは顔を真っ青に染めた。
「これは子どもの時から集めてた奴も混ざってるんだ!ガキの頃は換金なんてできなかったから!」
 そうして意味のわからないことを言う。ステラは首を傾げてアベルの言葉を訂正しようと口を開きーー、その口をアベルの手で塞がれた。
「………。まぁ、いマカ と はいがね、厳密に一日に何匹狩ったかなんてのを取り締まるのはどだい無理な話なんだ」
 そう言ってため息をつくと店主は金をアベルへと渡した。
「けどねぇ、お嬢ちゃんら、やりすぎはいかんよ。多少は見逃されるけどね、あんまりにも度が過ぎりゃあ絶対に取り締まられる」
 ちろり、と店主の灰色の目が鋭くステラの目を射抜いた。
「密猟ってやつはね、加減を知らんといけんよ」
「………肝に銘じておきます」
 ステラの開きかけた口をまた手で押さえて、アベルは神妙な顔でそう言った。
「行くぞ」
 そのままステラの手を強引に取って歩き始める。その歩く速度の速さにステラは戸惑う。
「アベル、ねぇ、アベル!」
「1人で動くなって言っただろうがっ」
 怒鳴って、アベルはステラの手を離した。そのまま2人は橋の上で立ち止まる。無言の中で川のせせらぎだけが鳴っている。
 振り返らないアベルの背中は震えていた。
「アベル……?」
「わりぃ……、怒鳴るつもりはなかったんだ」
 アベルはゆっくりと振り返った。金色の瞳が、真ポリ ペプチドっ直ぐにステラを見つめる。
「なぁ、ああいうことはやめよう」
「ああいうことって?」
「密猟だよ。一日に20匹以上狩るのはやめよう」
 ステラは首を傾げる。アベルが何故辛そうなのか、その理由がわからなかった。
「どうして?」
「法律違反だからだ。ミモザも言ってただろ。今回は見逃してくれたが、頻繁に繰り返すとまずい」
 ステラは表情を曇らせた。
「……アベルはミモザの味方なの?」
「お前の味方だよ!だから言ってるんだ!!」
 眉を顰める。ステラの味方なのにステラの行動を止める理由がわからない。
「でも、20匹以上狩ってもわたしは大丈夫なのよ。怪我もしないわ。そんな制限なんてなんの意味があるというの?」
「理由なんかどうだっていい!問題なのはそれが犯罪だってことだ!」
「アベル……」
「なぁ、ステラ、わかってくれ。俺はお前が大事なんだ。傷ついてほしくない」
「……わかったわ」
 本当はわからない。けれどアベルがあまりにも辛そうで、ステラはそう言っていた。
「ステラ……っ」
 アベルが安心したように破顔してステラを抱きしめる。
「ごめんね、アベル。アベルの嫌がることをして」
「いいよ! いいさ、わかサプリメント マカってくれれば!」
 ぎゅうぎゅうとアベルに抱きしめられながら、ステラは思う。
(アベルが気づかないようにしないと……)
 知られるたびにこうもうるさく言われては面倒だった。

 かたん、と軽い音を立てて扉を開ける。
「ああ、ミモザ。帰っていたのか」
「レオン様っ!?」
 部屋から出た途端にかけられた声にミモザは飛び上がった。
 彼もちょうど帰ってきた所だったのだろう。自室の扉を開けて入ろうとした時にミモザが隣の部屋から出てきて鉢合わせたらしい。
「なにをそんなに驚くことがある」
 彼はそんなミモザの反応に憮然とした。
「いや、急に声をかけられたもので……」
 ついでに言えば考えごとをしていたせいでもある。
 ステラのことだ。
 姉のあの行為をレオンハルトに相談するかどうかを悩んでいたら、急に声をかけられて飛び上がってしまったのである。
(どうしようかな……)
 軍警に届け出るというのは選択肢には最初からない。なにせ本人の自白以外に証拠のないことであるし、積極的にステラを追い込む気にはなれないのだ。
(覚悟が甘いな、僕も。……奪うと決めたのに良い人ぶりたいのか?)
 しかしミモザはステラから聖騎士の座をぶんどる覚悟はしていても、ステラから社会的な立場を奪う覚悟はしていなかったのだ。元々はせいぜいが悔しがって地団駄を踏んで欲しかっただけである。笑えるほどに甘っちょ亜鉛 サプリろい報復を目論んでいたのだ。
 しかし見捨てると決めたからには、ミモザも覚悟を決めなくてはならないのだろう。
 例えステラがどうなっても、見捨て続ける覚悟を。
「ミモザ?どうした?」
 黙り込むミモザに不審そうにレオンハルトが問いかけた。それに一瞬逡巡し、
「なんでもありません。第1の塔の攻略をしてきました」
 結局ミモザは黙ることを選択した。
 しかしこれはステラに温情をかけたのではない。むしろ逆だ。
(落ちるなら、とことん勝手に落ちていってくれ)
 今ここでステラの罪状を食い止めてあげる義理はミモザにはないのだ。
 ステラの行為に目をつむる。
 それがミモザなりの、『ステラを貶めたい』という自分が抱く悪意に対する礼儀であり、言い訳の許されない悪人になるという覚悟だった。
サプリメント マカクロムdha epa dha亜鉛 サプリ

「難しいお話は終わアントシアニンの効果

「難しいお話は終わったの?」
 その鈴の音アントシアニンの効果を転がすよマカうな声は突然降ってきた。
 母がその声の主を振り返る。
「ステラ」
「ごめんなさい。わたしも少しだけお話したいことがあって…」
 申し訳なさそうに恐縮して、けれど姿勢良く落ち着いたそぶりでクロムの効能その少女は微笑んだ。
 長いハニーブロンドが彼女の動きに合わせて優雅になびき、美しい晴れた空のような青い瞳が瞳を潤ませて微笑んだ。白いブラウスのワンピースが揺れる。
「妹を、ミモザを助けてくださってありがとうございます」
 ぴょこん、と可愛らしくお辞儀をする。
「ああ、当然のことをしたまでだ。礼を言われるようなことではないよ」
 気を削がれたような表情でレオンハルトは応じる。それにスクロムの効能テラは気づいていないのか会話を続けた。
「いえ、おかげで妹は大きな怪我をせずに済みました。ありがとうございます」
(怪我、してるんだけどなぁ……)
 ミモザはぽりぽりともうすでに血が固まりかけている傷口を掻く。まぁ、大きくないと言えば大きくはない。しかし自分で言うならまだしも、人に言われるともやもやとしてしまう。
 この姉に言われると特に、である。
 傷一つなく美しいステラを見つめ、擦り傷と泥にまみれ髪もちりぢりになってしまったミモザは微妙な顔をした。
「怪我をする前に助けられなかったことをここは責める場面だよ、ええと…ポリ ペプチド
 言い淀むレオンハルトに、
「ステラ、と申します」
 にこりと微笑んで彼女は言う。
「では、ステラくん。俺はレオンハルト・ガードナーと言う。こちらはレーヴェ」 
 レオンハルトが差し出した手を握り2人は握手を交わした。
「あ、わたしの守護精霊はティアラというんです。猫科で翼があるなんて、わたし達おそろいですね」
 そう、何故かはわからないが、ステラとレオンハルトの守護精霊は非常に似た造形をしているのであった。
 レオンハルトは翼の生えた黄金の獅子なのに対してステラは翼の生えた銀色の猫である。
 ティアラは紹介されたことが嬉しいのかなーん、と鳴いた。
(制作スタッフが猫好きだったのだろうか)
 なんにせよ、鼠であるチロにとってはどちらも天敵に違いない。
「そうか」
 ステラの台詞にレオンハルトは微笑ましげにふっ、アントシアニンと笑った。ステラの頬が桃色に染まる。その顔はまるで恋する乙女だ。
 それをミモザはげんなりとした表情で眺めた。
(ゲームにそんな描写あったっけ?)
 いや確かなかった、はずだ。ステラがレオンハルトに恋しているなどと。まぁ思い出せないことの多いミモザの記憶などそこまで頼りにはならないのだが。
「それでは俺はそろそろ」
 握っていた手を離し、レオンは言うと身を翻そうとした。
「……っ、あの!」
 その時、意を決したようにステラが声を上げた。その横顔は何かを決意したかのように凛として美しかった。
「なんだい?」
「わたしにも!修行をつけていただけないでしょうか!」
(げ)
 あまりにも恐ろしい展開にミモザは青ざめる。
 時間だけがミモザのアドバンテージなのだ。それがほぼ同時に、しかも同じ師匠から教えを受けるなど才能にあふれるステラに対してミモザは敵う要素がない。
 しかしそんな事情はレオンハルトには知ったことではないだろう。彼がその申し出を受けることを止める権利はミモザにはない。
(どうしよう……)
 うろうろと視線マカを彷徨わせてそれは自然と自分の肩に腰掛けるチロへと着地した。
「チチ」
 その視線を受けるとチロは立ち上がり任せておけとばかりにサムズアップする。そのままおもむろに自分の背中から一際鋭い針を引き抜くと暗殺の準備は万端だぜ!と頷いてみせた。
「‥‥‥」
 ミモザは無言でそっとチロのことを両手でつつみポケットへとしまうとそのまま見なかったことにした。
 一方肝心のレオンハルトはというと決意みなぎるステラをみてふむ、と頷くと「では、これを君にあげよう」と一枚の紙に何事かをさらさらと書き込んで渡した。
 それを不思議そうに受け取るとその中身を見てステラの表情が曇る。
 ミモザにはその紙の中身が手に取るようにわかった。
 筋トレのメニューだ。
 ミモザにも渡されたそれがステラにも渡されたのだ。
 ステラはその紙の内容とレオンハルトを困惑したように交互に見ると「あのー」と口を開いた。
「わたしは精霊騎士としての修行をつけていただきたいのですが」
「もちろんだとも。精霊騎士には体力も重要だ。申し訳ないが俺はそれなりに忙しい立場でね。だから常に付きっきりで見てあげるということは難しい。ある程度の自主トレーニングをこなしてもらう必要がある。そのメニューを毎日継続して行うといい。きっと君の力になるだろう」
 その言葉にステ亜鉛 の サプリラの表情は明らかに曇った。
 瞳にはわずかに失望の影がある。
「わたしでは、レオンハルト様に直接ご指導いただくには値しないということでしょうか」
 しゅんと肩を落とす姿はいかにも儚げで人の罪悪感を煽る風情があった。
 レオンハルトはその様子にわずかに拍子抜けをするような顔を見せたがそれは一瞬のことで、瞬きをした次の瞬間にはそれはいかにも誠実そうな真面目な表情へと切り替わっていた。
「そういうことではない。なんと言えば誤解がなく伝わるかな。君自身の価値がどうこうではなく物理的に難しいと言っているんだよ」
「すみませんでした。おこがましいお願いをしてしまって。ご迷惑をおかけするわけにもいきませんから、わたしは大人しく身を引きます」
 深々と丁寧に頭を下げる。
 そのしおらしい姿にこれは「いやいやそうじゃないんだ。君は何も悪くはない」と慰める場面だな、とミモザは白けた顔で眺めた。
 姉はこういうのが本当にうまい。本当に天然なのか計算なのか知らないが、相手の同情や気遣いを引き出して自分の都合の良いように物事を進めようとするのだ。
 ポケットの中で殺させろといわんばかりに暴れ回るチロのことを抑えながら、つまらなそうに目を伏せたミモザに
「そうかい。なら残念だが俺が君にできることはないようだ」
 ばっさりと切り捨てるレオンハルトの声が響いた。
 思わず間抜けに口をぽかんと開けてレオンハクロムの効能ルトの方を見る。
 ステラも予想外だったのか呆気に取られたような表情で彼を見つめていた。
 それににっこりと爽やかな笑みをレオンハルトは向ける。
 その笑顔は一点の曇りもなく美しく、まるで自分には一切の悪意も他意もありませんといわんばかりだ。
「君には君の進むべき道があるのだろう。いつか俺の元まで自力で辿り着くことを期待している」
 応援しているよ、といかにも善意100%の様子でステラの肩を力強く叩いてみせた。
(うわぁ)
 役者が違う。
 ミモザは舌を巻く。
 ステラのそれは無意識かもしれないがレオンハルトは明らかに意識的に無害を装って自身に都合の良い方向へと話を強引に軌道修正してしまった。
 たぶんステラの相手をするのが面倒くさくなったのだろう。
 そのまますぐに母のほうへと体ごと視線を向けると「では、先ほどのお話の通りにミモザくんのことはこれからは師として時々預からせてもらいますので」と話を戻した。
「本当に本日は弟が申し訳ありませんでした」
「そんな、いいのよ。レオンハルトさんのせいではないのだから。最初は強く責めるように言ってしまってごめんなさいね」
「いえ、また何かうちの弟やその他の子が問題を起こすようでしたらすぐに俺に連絡をください。しっかり対応をさせていただきますので」
 そう言ってきっちりと丁寧にお辞儀をしてみせる。母もお辞儀を返しつつどうか頭を上げてください。こちらのほうこそミモザをお願いします、と告げて話を締めくくった。
 結局ステラは驚いた表情のままレオンハルトが立ち去るまで再び口を開くことはなかったゴーヤ
クロムの効能亜鉛 サプリdha epa dha

「難しいお話は亜鉛 サプリ おすすめ

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「ステラ」
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 ぴょこん、と可愛らしくお辞儀をする。
「ああ、当然のことをしたまでだ。礼を言われるようなことではないよ」
 気を削がれたような表情でレオンハルトは応じる。それにステラゴーヤは気づいていないのか会話を続けた。
「いえ、おかげで妹は大きな怪我をせずに済みました。ありがとうございます」
(怪我、してるんだけどなぁ……)
 ミモザはぽりぽりともうすでに血が固まりかけている傷口を掻く。まぁ、大きくないと言えば大きくはない。しかし自分で言うならまだしも、人に言われるともやもやとしてしまう。
 この姉に言われると特に、である。
 傷一つなく美しいステラを見つめ、擦り傷と泥にまみれ髪もちりぢりになってしまったミモザは微妙な顔をした。
「怪我をする前に助けられなかったことをここは責める場面だよ、ええと…」
 言い淀むレオ亜鉛 サプリ おすすめンハルトに、
「ステラ、と申します」
 にこりと微笑んで彼女は言う。
「では、ステラくん。俺はレオンハルト・ガードナーと言う。こちらはレーヴェ」 
 レオンハルトが差し出した手を握り2人は握手を交わした。
「あ、わたしの守護精霊はティアラというんです。猫科で翼があるなんて、わたし達おそろいですね」
 そう、何故かはわからないが、ステラとレオンハルトの守護精霊は非常に似た造形をしているのであった。
 レオンハルトは翼の生えた黄金の獅子なのに対してステラは翼の生えた銀色の猫である。
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「……っ、あの!」
 その時、意を決したようにステラが声を上げた。その横顔は何かを決意したかのように凛として美しかった。
「なんだい?」
「わたしにも!修行をつけていただけないでしょうか!」
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 あまりにも恐ろしい展開にミモザは青ざめる。
 時間だけがミモザのアドバンテージなのだ。それがほぼ同時に、しかも同じ師匠から教えを受けるなど才能にあふれるステラに対してミモザは敵う要素がない。
 しかしそんな事情はレオンハルトには知ったことではないだろう。彼がその申し出をゴーヤ受けることを止める権利はミモザにはない。
(どうしよう……)
 うろうろと視線を彷徨わせてそれは自然と自分の肩に腰掛けるチロへと着地した。
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 その視線を受けるとチロは立ち上がり任せておけとばかりにサムズアップする。そのままおもむろに自分の背中から一際鋭い針を引き抜くと暗殺の準備は万端だぜ!と頷いてみせた。
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 ミモザにはその紙の中身が手に取るようにわかった。
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 ステラはその紙の内容とレオンハルトを困惑したように交互に見ると「あのー」と口を開いた。
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 瞳にはわずかに失望の影がある。
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 レオンハルトはその様子にわずかに拍子抜けをするような顔を見せたがそれは一瞬のことで、瞬きをした次の瞬間にはそれはいかにも誠実そうな真面目な表情へと切り替わっていた。
「そういうことではない。なんと言えば誤解がなく伝わるかな。君自身の価値がどうこうではなく物理的に難しいと言っているんだよ」
「すみませんでした。おこがましいお願いをしてしまって。ご迷惑をおかけするわけにもいきませんから、わたしは大人しく身を引きます」
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 姉はこういうのが本当にうまい。本当に天然なのか計算なのか知らないが、相手の同情や気遣いを引き出して自分の都合の良いように物事を進めようとするのだ。
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 ステラも予想外だったのか呆気に取られたような表情で彼を見つめていた。
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 結局ステラは驚いた表情のままレオンハルトが立ち去るまで再び口を開くことはなかった。
dha epaゴーヤdha epa dha

 ガチャン、という亜鉛の効果

 ガチャン、という音をdha epa立ててその扉は閉まった。
「あ、あなたが悪いんだからね!」
 捨て台詞クロムと同時にパタパタと遠ざかっていく足音がする。どうやら彼女は立ち去ってしまったようだ。
「うーん」
 閉じ込められた……のだろうか?ミモザは首をひねった。
 まず扉を押してみると何かつっか亜鉛の効果えがしてあるのか開かない。だがメイスで叩けば壊すことは可能だろう。次にミモザは月明かりの差し込む窓へと近づいた。
「開くんだよなぁ、これが」
 カシャ、と軽い音を立てて窓が開く。窓の外は庭園で、別にとんでもなく高くて外に出れないというわけではない。
 さて、閉じ込めるとはなんぞや?と疑問に思う。
「窓から外に出るという発想がお嬢様にはないのかな……」
「チゥー…」
 チロも同意するように頷く。dha epaあまりにも詰めの甘すぎる監禁だった。
 もしもミモザを本気で閉じ込めようと思ったら、まずはチロを拘束しなくてはならないし、ついでにミモザのことも手足を縛るくらいはしなくてはならないだろう。そうでなくては普通に破壊して出てきてしまう。
「まぁ、今回は壊さないけど」
 一体弁償代がいくらかかることか。想像すると寒気がしてミモザはぶるりと身を震わせた。
 さて、それでは外に出ようかと窓枠に手をかけたところで、
「……ん?」
 人の気配に思わず隠れる。隠れてから別に隠れる必要がなかったことに気がついたが後の祭りである。
 かくして近づいてきたマカ と はのはオルタンシア教皇とオーティス宰相であった。
「………薬は、……で、」
「しかし……の、効果……」
(薬……?)
 2人はぼそぼそと小声で話しながらゆっくりとミモザの隠れている窓の前を通り過ぎ、遠ざかって行った。前を通り過ぎるといっても距離があったため、その内容はあまり聞き取れない。
(仲が良いんだろうか?)
 考えながらもまさかな、と思い直す。宰相などは貴族の筆頭であろうし、教皇はいわずもがな平民の代表である。派閥的に仲睦まじく、というのは難しい立場だろう。だからこそこうして密会のようにこっそり会っている可能性もなくはないが、それよりは仕事の話をしているというほうがしっくりくる。
 さて気を取り直して、とミモザは窓枠に手と足をかけるとそのまま外へとぴょんっと身軽に飛び降りゴーヤ チャンプルーた。
 ぴ、と体操選手のようにポーズを決める。
「10点!」
「何が10点なのかしら?」
 その言葉に振り返る。そこには、
「フレイヤ様!」
 が立っていた。彼女は赤いドレスに黒いショールを羽織っていた。銀色の髪は綺麗に結い上げられて真珠の髪飾りで彩られている。月明かりに照らされたその体は、銀色の粒子をまといきらきらとほのかに輝いていた。
 ミモザはその姿にうっ、とうめく。
 彼女の抜群のプロポーションが眩しい。
「どうしたのかしら?」
「ちょっと世の理不尽に目が眩んでしまって……」
「ちょっと意味はわからないけど大丈夫そうなのは伝わったわ」
 体調が悪いのかと心配したじゃない、と彼女は嘆息する。
「あなた、今1人?」
「はい。フレイヤ様もですか?」
「ええ、ちょっと夜風にあたりたくて……」
 そう言いつつ彼女の目は何かを探すように彷徨っている。
(なんだ……?)
 dha epaパッと見た印象だが彼女の装飾はどこかが欠けているという様子もなく彷徨う目線の高さ的にも地面を探している様子はない。何かを落としたとかでは無さそうだ。
「ジーン様はご一緒ではないのですか?」
「ああ、ジーンは今日はご家族もいらしてるからそっちと一緒にいるのよ」
「なるほど」
 ジーンの素性はよく知らないが、王国騎士団長の弟子になるくらいだ。やんごとない家柄なのだろう。
「じゃあ、わたくしはそろそろ行くわね」
「はぁ……」
 声をかけておきながら随分とつれないことだ、と思いながらその後ろ姿を見送る。
「………ついてってみる?」
「チゥ」
 ついていこう、とチロが頷く。フレイヤはミモザに連れがいないのかを尋ねて、いないことを知ると明らかに興味を失ったようだった。つまり誰かと一緒に来たのではないかと疑ってミモザに声をかけたのだ。
(でも誰だろ?)
 探し人がレオンハルトならば、たぶん普通にミモザにレオンハルトはどこにいるのかと尋ねただろう。しかしそれをしないということはミモザには居場所がわからないであろう相手、その上ワンチャンミモザと一緒にいてもおかしくない相手を探しているということだ。
(鬼が出るかゴーヤ蛇が出るか)
 庭園の生垣で作られた迷路の中へと姿を消したフレイヤを、ゆっくりと追跡する。ミモザが追うのでは気づかれる可能性が高いためチロを斥候に使い絶妙にお互いの姿が見えない距離を保ちながら進む。
(おっと)
 これ出れるかなぁ、と不安になりつつ歩いていると、唐突にフレイヤが立ち止まった。彼女はぼんやりと立ち尽くし、迷路の先を眺めているようだ。
 手で合図をしてチロに様子を見てきてもらう。しばらく待つとチロは走って戻ってきて、そこで見た光景を伝えてくれた。
 迷路の先にはガブリエルがいたのだ。それも、先ほどホールでミモザを睨んでいたもう1人の令嬢、セレーナ嬢と一緒だったようだ。
(なんでその2人が?)
 教皇と宰相に引き続き謎のペアである。首をひねるミモザの目の前で、フレイヤはその2人のことを憎々しげに睨んでいた。

「フラフラついて行くなと言っただろうが」
 ホールに戻るとレオンハルトが仁王立ちでミモザを見下ろしてそう言った。
 その顔は険しい。
「えっと、レオン様、違うんです」
「何が違う」
「筋肉にも胸にもつられてません」
「じゃあ何に釣られた」
「こ、好奇心……?」
 はぁ、と彼は深い深いため息をつく。
「俺はとても簡単な指示を出したと思っていたが、その認識は誤りだったか?」
「ええと、クロムの効能レオン様と結婚したがっている令嬢の方がですね」
「……どっちだ」
「ピンクブロンドのほうです」
「アイリーンか」
 ちっ、と小さくレオンハルトは舌打ちをする。ミモザは頷いた。
「ええ、そちらの方に、ちょっと監禁されてきました」
 ミモザが続けて言ったセリフに、レオンハルトはなんか変な言葉を聞いたというようにその顔をすがめる。
「……出れたのか」
「窓が普通に開いたので」
「…………。万が一ということもある。そういう場合は知り合いに声をかけるなりして軽率について行くのは控えなさい」
 さすがに彼も少し呆れた様子だ。閉じ込めた部屋の鍵がかかっていないなど、監禁というにはあまりにお粗末である。
「はい、申し訳ありませんでした」
 とりあえずレオンハルトの態度が軟化してきたのでミモザは言い訳をやめて素直に謝罪した。
「……帰るぞ」
「よろしいのですか?」
 身を翻すレオンハルトに追従しながらもホールを見渡す。パーティーはまだ終わる気配を見せてはいない。
「ああ、君がいない間に一通りの挨拶は済ませた。問題ない」
「……申し訳ありませんでした」
 ミモザはもう一度丁寧に謝罪をした。
マカ サプリdha epaマカdha epa dha

 晴れて不登校児とdha

 晴れて不登校児となったミモザの朝はーー遅い。
 太陽がほぼ頂点付近へと昇った昼頃にマカ と はごそごそと起き出し、亜鉛 サプリまずは姉がもう学校に行って家にいないことを確認することから一日が始まる。
 不登校生活の恩恵はいじめがなくなったことだけではなく、生活サイクルがずれたことにより姉と顔を合わ亜鉛 サプリす機会が減ったということももたらしてくれていた。
 母も仕事に出かけており不在のため、一人でのんびりと遅い朝食をとる。母も忙しいためご飯の準備はしなくてもいいと伝えてあり、毎朝パンを軽くトースターで焼いて食べていた。
 鼻歌を歌いながらパンをできる限り薄く切り、トースターにセットする。
「……?」
 スイッチを押マカ サプリしても動かないことに首を傾げトースターをためすがめす眺めていると、魔導石が黒くなっていることに気がついた。
「あー……」
 うめきながらリビングへと戻り、棚から白い魔導石を取り出すとトースターの中の黒いものと交換する。問題なくトースターが動き始めたことを確認してからミモザは黒くなった魔導石を魔導石用のゴミ箱へと捨てた。
 魔導石というのはこの世界における電池のようなもので、これによりすべての機械は動いている。色は透明なほど純度が高く、内に含むエネルギー量も一度に出力できるエネルギー量も多いらしいポリ ペプチドが、まぁ一般家庭にある魔導石など白く濁ったものが普通である。エネルギーが切れると黒くなるため黒くなったら取り替え時だ。
(……電池?)
 ふと疑問を覚える。それはこの世界にはない概念だ。
 前世の記憶を思い出した時は色々と朧げでゲームのことしかわからないと思っていたが、どうやらエピソードが欠落しているだけで知識は覚えているようだ。無意識に変な言葉を口走らないように気をつけなければ、とミモザは脳内に注意事項としてメモをした。
 そうこうしている間にチン、と軽い音と共に焼き上がったトーストを手にテーブルへと向かい、これまた薄くキイチゴのジャムを塗る。
 ちなみにミモザ達に父はいない。亜鉛いわゆる母子家庭である。ゲーム内では特に父親の存在に言及していなかったが、ミモザ達がまだ5歳くらいの時に亡くなったようだ。
 そのためそこそこに貧乏な家庭である。それでも一般家庭とあまり変わらぬ水準で生活できている理由はここが田舎の村であり、食べ物は家庭菜園や森からの採取、近所の方からのおすそ分けで賄えているからだろう。
 食事の後は庭に出て家庭菜園の手入れをする。草をむしり水をやるとそれぞれの野菜の育ち具合を見てうむうむと満足げに頷き、食べられそうなものでめぼしいものを収穫していく。きゅうりとキャベツが食べ頃だったため昼食用に採取する。
(今日はキャベツとベーコンのパスタときゅうりの和物だな)
 ふー、と満足げに額の汗をぬぐう。汗がきらりと陽の光に反射した。
 学校に通わなくなったミモザの生活は実に充実していた。
「チゥー」
 胸ポケットに入っていたチロが不満そうに『最強のサプリメント マカ精霊騎士はどうした?』と聞いてきた。
 それにミモザはサムズアップで応える。
「大丈夫!ばっちり考えてあるから!」
「チー……」
 本当かなぁ、とチロは不信げにつぶやいた。

 部屋の窓は閉め切られていた。暗い色のカーテンがしっかりと外からの光を遮断し、室内は真っ暗で淀んだ空気がただよっている。
 中央には蝋燭が3本ほど据えられ、そこを中心として不思議な図形を組み合わせた陣のようなものが描かれた布が敷かれている。
 のっそりと部屋の隅の暗闇から、シーツをまるでローブのように身にまとった人物が現れた。
 ミモザだ。
 その手にも燭台が一つ握られており彼女の動きに合わせてゆらりゆらりと光の波紋が部屋中に広がっていった。
 普段は白い肌は蝋燭の灯りで橙色に染まり、ハニーブロンドの髪がきらきらと光を放つ。伏せられたまつ毛にもその光が反射し、神秘的な煌めきをその身に纏っていた。
 彼女は陣の縁へとひざまずくと手に持った燭台をゆっくりと掲げる。
 そのまま緩慢な動作でその手を左右へと振った。
「はぁーゴーヤー、我に力をーー」
 そのまま低く作った声で唱え始める。
「力をーー与えたまえーー」
 ぶんぶんと上半身を左右に揺する。その姿はまるで深海で揺れるチンアナゴだ。
 チロはもはや呆れて何も言わず背後からそんな相棒の姿を眺めるだけである。
 止める人間のいないミモザはどんどんヒートアップしていく。
「はぁーー、我に力をーー…」
 ぐるんぐるんと頭を揺らしながら調子に乗っていると、その時背後でかちゃり、と小さな音がした。
 チロが振り返り目を見開く。
 慌ててミモザへと駆け寄るとその足に齧り付いた。
「いたたたっ!もう何、チロ。今いいところ……」
 言って振り返った先でーー、
 真っ青な顔をしてドアの隙間からこちらを見ている母親の姿を見た。
 真っ青な顔をしてミモザも固まる。
 しばしその場に沈黙が落ちた。
 先に動いたのは母、ミレイの方だった。彼女は手に持っていた荷物を取り落とすと両手で顔をおおった。
「ごめんね、ママ、ミモザは少しずつ元気になってきてると思ってたんだけどちょっと楽観的すぎたね」
「ち、違うよ、ママ!これはね!」
「無理しなくていいのよ、ミモザ。ママに相談しづらいようだったら他の人でも……、カウンセラーとかに行きたかったらママが探してあげ亜鉛るからね」
「違うんだって!これはおまじないなの!僕が強くなるためにね!お祈りをしてたの!」
「そう、おまじない……」
「そう!おまじない!」
 二人はしばし無言で見つめ合った。
 そしてミレイは何かを飲み込むように一つ頷くと、聖母のような微笑を浮かべた。
「そうなのね、ミモザ。それが貴方に必要なことならママは受け入れるわ」
 なんだかすごく誤解されている気がする。
 しかしそれ以上なにも弁明する言葉が思いつかず、ミモザは「ありがとう、ママ」と冷や汗をかきながら言うのが精一杯だった。
アントシアニンの効果アントシアニンの効果マカ サプリ