「……っ!」 マカ と は

「……っ!」
「なにを……っ!」
 ミdha epaモザの言葉に横で話を聞いていたマシュサプリメント マカーが思わずというように声を上げた。ミモザはその反応にちょっと驚く。ちらりと彼のことを横目で見つつ、言葉を続けた。
「あなた方はもっと、自分が相手と同じ土俵に立っていないということを自覚すべきだ」
「……同じ土俵?」
 今にマカ サプリも食ってかかりそうなマシューを手で制し、ジェーンが尋ねる。ミモザは頷いた。
「ええ、責任を取る立場に」
 ぐるりと見回す。ジェーンにマシュー、ジーン、そしてロランだけがにやにやとした顔でこちらを見ていた。
「今後、塔を閉鎖したことにより騎士が弱体化し、他国に攻められることになったら?塔を観光資源として利用し商売を行っている人達の今後の生活は?ゴーヤ他にもいろいろありますが、教会はそれに対しなんらかの対応を迫られることになるでしょう。それに対しあなた方はどうでしょうか。その生涯をかけて塔を閉鎖したことによって起きる不利益に対応してくださるのですか?それともなんらかの対応策をすでに考えて用意してくださっているのでしょうか?」
「……それはっ」
「もしもそうでないのなら、あなた方は自分の行いに責任を取る気がないということだ。自分の要望は押し通して、自分たち以外の人が困っても知ったことじゃないと開き直る」
「そんなdhaつもりじゃ……」
「ではどういうおつもりですか」
 うめくマシューにミモザは問いを投げつけた。彼は言葉に詰まって黙り込む。それにミモザは首を振った。
「教会は、真っ先に非難の的になる立場です。責任逃れはできない。別に同じ立場になれと言うつもりはありませんが、同じ立場ではないということは自覚すべきだ。その上で人の評判や命を脅しに使って我を通そうというのなら、それは好きにしたらいい」
 そしてもう一度みんなを見回す。ミモザが見られているのは変わらないが、ジェーンとマシューの顔色は真っ青に染まっていた。
「けれどそれは悪業だと自覚して欲しい。今回の件は教会や国、そしてあなた方、それぞれの正義や信念のせめぎ合いなどという高尚なものではなく、ただの意地が悪い人達の欲望と悪意の応酬です。だからアントシアニン、まるで自分達だけは善人かのように振る舞うのはやめてもらいたい。自分の欲望のために悪いことをすると決めたなら、しらばっくれた態度を取るにせよ、開き直るにせよ、そこはちゃんと自分達は自分達の意思で悪いことに手を染めているのだと理解しておいていただかないと……」
 ミモザはそこでいったん言葉を切って首をかしげる。言おうかどうか迷った後で、ここまで言ってしまっては気遣うにしても手遅れか、とそのまま率直な意見を口にした。
「悪い事をしたという自覚もなく相手を攻撃するのはあまりにも卑怯だ。これが僕の考えです。えっと、ご満足いただけましたか?」
「貴重な意見をありがとう。……とても、参考になったわ」
 ジェーンは気丈にそう言った。けれどミモザが彼女のことを見てももう目線は合わない。その反応にミモザは嘆息する。
「ええと、なんかすみません。決してあなた方を非難したいわけではないのです。いや非難したいのかな」
 ミモザは迷いながdhaら言う。なんとも悩ましい。
「僕は娘を亡くした母の気持ちはわからないと言いましたが、目的のために悪どい手段を使いたいという気持ちはわかるんです。僕もあなた方と同じ『悪い人』ですから」
 今現在、姉から聖騎士の座を奪うためにゲームを参考にするというズルをしているミモザだ。そのことに関してはシンパシーすら感じる。そこで過去に言われたレオンハルトの言葉をミモザは思い出した。
「だから、ええと、そのぅ、もう少し『うまくやって』行きましょうよ。お互いに自分の我欲のために動いているんです。本音と建前をごっちゃにするからこんがらがる。僕たちは悪い人同士、もう少しわかりあえるはずです」
 ミモザは手を差し出した。ジェーンは戸惑ったように足を半歩引く。
「実は、僕とあなた方の利害は相反していないのです。僕の仕事はあなた方を守ること。だからいくらでもここに滞在していただいてかまいません。何時間でも何日でも何週間でも何ヶ月でも、僕が必ず守ります。……ですが、やはり家とは違いますから。物資は限られていますし襲われ続けるストレスはあるでしょう。ですからあなたマカ サプリ方が心身を疲弊して、まともな判断ができなくなった頃にーー」
 ミモザは蕾が花開くように、綺麗に微笑んだ。
「保護させていただきますね」
 それはぞっとするような笑みだった。

 きっと、レオンハルトならうまいこと口八丁で丸め込むのだろう。姉なら優しく諭すかもしれない。
 しかし、それが出来ないミモザは。
 真綿で首を絞めるように、生かさず殺さずただ待つことにしたのだ。
 ーー彼らが根を上げるまで。
マカポリ ペプチド亜鉛の効果

「それで?マカ と は

「それで? どうだったの?」
 亜鉛尋ねるフレイヤに騎士は首を横に振った。そこは教会のオルタンシア教皇の執務dha室だった。やはり前回集まった時同様、オルタンシア、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤ、そしてミモザが集まっている。そこに直接ステラの元へと強制クロム執行に行った騎士が報告に訪れていた。
 彼は淡々と告げる。
「ラブドロップは見つかりませんでした」
それにフレイヤは盛大に顔をしかめた。
「なぜ……っ!」
「わかりません。けれど、彼女自身に隠蔽工作をするほどの賢しさはないように見えました。もしも隠したとしたら、それは……」
 そこで彼は気まずそうにちらりdha、と近くに立つレオンハルトのことを見る。
「聖騎士殿の弟ぎみのほうかと」
「そうか」
 レオンハルトは淡々と頷く。
「アベルのことは俺の弟だからと遠慮するようなことは不要だ。君達の任務をしっかりと遂行してくれ」
「無論です。例えどなたのご身内であろうと我々が手を抜くことはありえません」
 むっとしたように騎士はそう告げた後、フレイヤの方へと再び向き直る。
「アベル殿が外から戻られたご様子でしたので、もしかしたらこちらの動きを察して処分したのかと一応宿の他の部屋や周ゴーヤ辺のごみ収集場なども探ったのですが、見つからず……。ひとまずはジーン殿とマシュー殿を取り急ぎ保護させていただき、今は病院で静養してもらっています。医師の見立てでは数日のうちに薬は抜けていくだろうとのことです」
「………気に食わないわね」
 フレイヤはドスの効いた声で吐き捨てる。
「状況証拠はこの上もなく彼女が黒だと示しているのに捕らえることができないだなんて……っ」
「まぁ、物的証拠か現行犯でもない限り逮捕は難しいですからね」
 オルタンシアはそんな彼女を宥めるようにそう言った。
「魔薬は尿検査や血液検査でも検出は困難ですし……、今回は仕方がないでしょう」
「犯罪者を野放しにするなど、我がゴーヤ騎士団の威信に関わります! ただでさえ、わたくしの弟子に手を出すなんてっ。こちらをこけにするにもほどがある……っ」
「そうは言っても仕方ねぇだろ。まぁ、今回逮捕できなかった容疑者はそこそこいるが、少なくとも元凶は捕らえた。もうあの薬が供給されることはねぇ。今回の件はこれで終いだ」
 いきり立つフレイヤにガブリエルが冷静に告げる。それに歯噛みしつつもこれ以上はどうしようもないことも理解している彼女はそれ以上の言葉を控えた。
 フレイヤが落ち着いたのを見てとって、オルタンシアは皆の注目を促すように手を数回叩いて見せる。
「今回は残念な結果でしたが、決して我々は犯罪者に屈したわけではありません。現に密売人は捕らえ、事件の収束には成功いたしました。残りの購入者についても目星はついているのです。これは犯罪者予備軍をピックアップ出来たと言ってもいい。一度誘惑に負けた者はまた違う形で誤ちを犯す可能性が高い。その時クロムには、彼らに二度目はないということを思い知らせてあげましょう」
 彼のすみれ色の瞳がうっすらと微笑む。そこに映るのは慈悲ではなく断罪の光だ。
「この国に住む人々の平和と安寧のために」
 最後に彼は祈るようにそう言った。

 そこは病室だった。看護師や医師は突然降って湧いた大量の精神汚染の患者達の対応に追われて慌ただしく走り回っていた。
 その廊下を美しい女性が肩で風を切って歩いていた。彼女は銀色の髪を風に流し、銀色の瞳に決意をみなぎらせている。
 そんなフレイヤの後ろをちょこちょこと物見遊山気分でミモザはついて歩いていた。
 とはいえ別に遊びに来たわけではない。手にはちゃんと果物を持っている。前回ミモザが怪我した際はジーンに迷惑をかけたので、そのお礼とお返しを兼ねたお見舞いに来たのである。
 フレイヤは目当ての病室を探し当てると勢いよくその扉を開けた。
「ジーン!! わたくしの不肖の弟子!! なんであんな怪しい奴からの飴なんて口にしたの!!」
 開口一番叱責である。
 まぁ、フレイヤの心労を思えば無理からぬことかも知れないが、被害者であるジーンには少亜鉛 サプリ おすすめ々酷な話だ。
 彼らは二人部屋にいた。身体的には異常がないからだろう、それぞれのベッドに腰掛けてマシューとジーンは何かを話しているところだったようだ。
 怒れる師匠の登場にジーンは素早く立ち上がりピーンと背筋を伸ばして直立すると「大変申し訳ありませんでした!!」と綺麗なお辞儀をかました。
 きっちりと分度器で測ったかのような90度のお辞儀である。
(体育会系……)
 人のことは言えないが、ミモザはそれを見てしみじみと思った。
 見るからに文化系のマシューなどその光景を見て若干引いている。
「その、まさか魔薬が入っているとは……。先日のお詫びだと渡されまして……」
「おおかた可愛い女の子から渡されたからって受け取ったんでしょう! 情けないわ!!」
「も、申し訳ありません!」
 師弟のやり取りを尻目にミモザはすすす、とマシューへと近づくとジーン宛の果物は勝手にジーンのベットサイドへと置き、マシュー宛の果物を彼に差し出した。
「ちなみにマシュー様はどうして食べたんですか?」
「………、あんな子だとは知らなかったんだよ。ちょっと極端な所があるとは思ってたけど……」
 そこまで言ってじろりとマシューはミモザを睨む。
「あんたのお姉さんだと言うのも一応理由としてはあったよ」
 それにおや、とミモザは首をひねる。
「マシュー様、僕が突然なんの理由もなく飴をあげたらゴーヤ食べるんですか?」
「…………」
 マシューは差し出された果物を受け取ろうとした手をぴたり、と止めてしばし悩んだ。
「いや、うん、そうだな……。あんたからのは……、悩ましいな。お見舞いであれば受け取るけど、なんの理由もなしか……」
「まぁ、あげませんからそんな真剣に悩まないでください」
「あんたはそういう所だよ」
 じろりと再び睨むとマシューはふん、と鼻を鳴らして果物を受け取った。
「まぁ、あんたは利口だからこんな目撃者の多い所で毒殺はしないだろう。こっそり渡されたら受け取らない!」
「はぁ……」
 まぁ、確かにこんなに目立つ場所で白昼堂々毒殺はしないだろう。
 そのまま二人はしばしフレイヤ師弟の叱責と謝罪が終わるのを待ったが、二人は全く終わる気配を見せない。
(帰ろうかな……)
 時間を持て余してジーンへの挨拶はまた今度にするかと諦めかけたところで、「なぁ」とマシューが声をかけてきた。
「あんたの姉ってなんか妄想癖でもある?」
「なぜですか?」
 突然の質問に驚く。正直思い込みは激しいが、と思いつつミモザは尋ねた。するとマシューは少し難しい顔をして頭を掻く。
「いや、なんかこれから起こることがわかるとか、自分は人生をやり直してるとか言っててさ」
「………っ」
 ヒュッと呼吸が鋭い音を立てた。言葉が出ない。
 そんなミモザの様子には気づかずにマシューは愚痴るように続ける。
「なんか前回が前回がってずっと言っててさ。俺たちは前回も仲が良かったとか、女神様にお願いしたからやり直せたと亜鉛 の サプリか……、薬が効いてる時は可愛いと思って聞いてたけど、今思い返すと結構ヤバいこと言ってたよ」
「そ、そうですか……」
 ミモザにはそう返すのがやっとだった。
サプリメント マカクロムマカ サプリ

「疲れた……」dha

「疲れた……」
 よろよろとミモザはレオンハルト邸の扉を開けた。
 アントシアニンの効果なんだか色々亜鉛 の サプリと濃い時間を過ごしてしまった。
 とりあえず顔に塗りたくった染料は泳いでいる間に落ちたが、可能ならお風呂に入ってすっきりしたいところである。
(まずはお風呂、次に何か飲んで、ベッドで寝る)
 やりたいことを夢想しながらふらふらゴーヤ歩いていると、
「ミモザ」
 背後から声がかけられた。
「レオン様」
 今は流石に修行する気にはなれないなと思いつつ振り返ると、彼のそばには白い軍服に身を包んだ教会騎士が立っていた。
 嫌な予感がする。猛烈に。
 そしてそんな予感ほどよく当たるものである。
「ちょうどいいところに帰ってきたな。これから教会に一緒に来てくれ」
「えっと、何があったんですか?」
 恐る恐るミモザは尋亜鉛 サプリ おすすめねる。それにレオンハルトはいかにも不愉快といった表情で答えた。
「ジーン君とマシュー君が失踪した。おそらくは君の姉、ステラ君のもとにいる」
 ミモザはあんぐりと口を開けた。

「皆さんお聞き及びかとは思いますが、先だっての精神汚染事件の被害者であるジーン君とマシュー君の二名が失踪しました」
 そうオルタンシアは重々しく口を開いた。
 場所はいつも通りのオルタンシア教皇の執務室である。もはや恒例かと思われるメンバーがそこには揃っていた。すなわち、ミモザ、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤである。
ゴーヤそれと同時に、彼らと思しき人物がステラ君と思しき人物と連れ立って歩いている姿が目撃されています。証言では彼らはとても仲睦まじそうな様子だったとのことです」
 ダンッと壁を叩く音がした。フレイヤだ。
 彼女は悔しげな顔で嘆いた。
「ジーン! あれほど変な物は食べないようにと言ったのに!」
「妙だな」
「ええ、妙な話です」
 ガブリエル、オルタンシア両名はそれに冷静に告げる。
「一度目はともかく、二度目です。彼らも馬鹿じゃない。差し出されたものを食べるとは思えません」
「何か別の手法で摂取させられたということですか」
 レオンハルトの問いに、
「その可能性が高いでしょう」
 オルタンシアは頷いた。
(別の手法……)
 ミモザは考える。
(一体どんな?)
 あれは経亜鉛の効果口摂取以外の方法がないと前回の時にオルタンシアから聞いていた。それもそこそこの量を取らなければならない。そのためにバーナードは飴という形で砂糖で味を誤魔化して食べやすくしたのだろうとのことだった。
「何にせよ、このまま放っておくわけにはいきません」
「俺が行きましょう」
 その言葉にレオンハルトが前に進み出た。
 金色の瞳が、静かにオルタンシアを見つめる。
「確実に捕えるために」
「……そうですねぇ」
「僕にも行かせてください!!」
 決まりかけそうな気配に、慌ててミモザは挙手して訴え出た。
 姉の関わることで除け者になるなどごめんだ。
(それになにより)
 ミモザはレオンハルトのことを心配げに見上げる。
 ここで何もせず、万が一のことがあっては悔やむに悔やみきれない。
 レオンハルトが戸惑うように彼女を見た。
「ミモザ、しかし……」
「僕にも行かせてください。必ずお役に立って見せます」
 じっと確かめるように金亜鉛 サプリ色の瞳がミモザを見下ろす。それに負けじとミモザは見返した。
 しばらく二人は見つめ合う。それは根比べにも似ていた。
「………いいだろう」
 諦めたように先に目を逸らしたのはレオンハルトだった。彼はふぅ、と息をつく。
「レオン様!」
「ただし」
 喜びに口元を緩めるミモザにレオンハルトは釘を刺す。
「俺の指示に従ってもらう。君のことだから大丈夫だとは思うが……」
「はい」 
 レオンハルトの言いたいことを察して、ミモザは静かに頷いた。
「貴方の指示に従います。足は引っ張りません」
「よし」
 レオンハルトは弟子の物分かりの良さに満足げに頷くとオルタンシアの方を向いて「我々で対応します」と告げた。
 それにオルタンシアが頷く前に、ずいっと割り込む人影がある。フレイヤだ。
 彼女は堂々とその豊かな胸を張ると「当然だけど、わたくしも行くわ」と宣言した。
「オルタンシア様」
 そして銀色の目を細めてオルタンシアに問いかける。
「洗脳を解く方法は、薬が自然に排出される以外にないのですか?」
「そうですねぇ」
 それは重要な質問だった。オルタンシアは難しい表情で記憶を探るように目を瞑る。
「……目に亜鉛 サプリは目を、歯には歯を、精神には精神を。強い精神的ショックを与えれば目を覚ます例があったと書物には書いてありましたね」
「わかったわ! 精神的ショックね!」
 フレイヤはその情報に鼻息荒く頷く。
(精神的ショックかぁ……)
 色々とやりようがありそうだな、とミモザも一つ納得するように頷いた。
dha epaマカ と はクロムの効能

 頭上には晴天が広ゴーヤ

 頭上には晴天が広がっていたアントシアニン
(塔の中なのに青空……)
 不思議だなーとミモザはぼクロムの効能んやり見上げる。
「ーーですから!こんな危険なことはやめて、いったん外に!」
 チロもメイスの姿のまま「チチッ」と鳴く。彼女は綺麗な空だ、とつぶやいたようだ。
「塔の処遇については責任者でないとお話しできませんから、これ以上こマカ と はこで粘っても……」
 その時、馬の野良精霊が再び突進してきた。それをバッターボックスにいるバッターよろしくミモザは迎え撃つ。
 ぐちゃ、と嫌な音がして馬の頭が飛んだ。
 ふぅ、と息をつく。もう野良精霊達をどのくらい倒したかわからない。100匹近くいっている気がする。1人20匹までという制限も、いつもの『仕事』同様、今回も人員救助のために見逃してくれるというお墨付きをもらっていた。
「あーアントシアニンの効果、返り血がすごい」
「ていうかミモザさんも少しは説得に協力してもらえませんかね!?」
 黙々と野良精霊を狩り続けるミモザに、辛抱たまらんといった様子でジーンが怒鳴った。それに答えたのはミモザではなくジェーンだ。
「申し訳ありませんが、どなたに何を言われても私の意思は変わりません」
「ですって」
「ですって、じゃありませんよ!!」
 うーん、とミモザはうなる。
(だって無理だし……)
 狭い村の人間とすらあまりうまくコミュニケーションを取れていなかったミモザである。そしてクラスメイトにはいじめられていて友達が1人もいないミモザである。
 それが自らクロムを人質にして立てこもる人を説得。
(ハードルが高すぎる)
 きっとレオンハルトならうまいこと口八丁で丸め込むのだろう。姉なら優しく諭すかもしれない。
 しかしミモザはーー、
「ジーンさん、だったかしら。わずらわせてしまってごめんなさいね。でも私達も必死なのよ」
 ジェーンは困ったように首を振った。
「私の娘は勇敢な子だったわ。そしてちょっと目立ちたがり屋だった。あの子の性格を考えると精霊騎士を目指すのは必然だったかも知れない。でもあの子が亡くなってしまって、思ったのよ。もしも塔を攻略するなんて選択肢がそもそも存在しなければ、そうしたらあの子は今でも元気だったかも知れない。そう思ってしまうのはそんなにおかしいことかしら?」
「……お気持ちはわかります、ですが、」
「まだ、精霊騎士として任務についていたとか、そうクロムいう理由ならばわかるの。けどそうじゃないのよ。塔に挑んで亡くなるなんて、なんて無益な死に方なのかしら。誰かを助けたわけでもない、それをすることによって世の中が良くなるわけでもない。挑む必要性なんて何もないじゃない。だったら、精霊騎士になるための道標として塔の攻略をする必然性なんてないじゃない?」
「塔に挑むことで得られる女神様の祝福があります。その恩恵により僕たちは今よりも強くなれる。貴方たちの要望では、塔を完全に封鎖し今後誰も入れないようにするというものだ。例えどれだけ本人がそれを望んだとしても」
「そうよ、そうでなければ意味がない。だって娘は自ら望んで入ったのだもの。選択肢として完全に消失させなければ意味がないの」
「それでは……っ!」
 ジーンは苦しげに訴える。
「それでは僕は永遠に先生に追いつけなくなってしまう!!」
 もっともの訴えだとミモザも思う。先人達は女神の祝福を受けているのに、これからの若者はそれを受けられなくなる。それは世代間に大dha epa dhaきな実力差という溝を作るだろう。
「それでも」
 しかしジェーンは静かに告げた。
「私は騎士になる以前に摘まれてしまう芽のほうが罪深いと思うわ」
「………っ!それは!」
「貴方にも、貴方を心配してくれる人はいるでしょう?それこそ貴方の先生は?ご両親は?貴方が塔に挑んで亡くなったら悲しむのではないかしら」
「そんなっ、そんなのは…っ!くそっ!」
 ジーンは悔しげに俯く。 
(なるほど、確かに『厄介』だ)
 その言葉を明確に否定できる人間は少ないだろう。
 その時、彼女はミモザの方を見た。お互いの目があったことにミモザは少し驚く。彼女は少し笑った。
「さっきから、貴方は何も言わない。……だんまりを決め込むのは楽でいいわね」
 その言葉にミモザは考え込む。
(楽。楽かぁ……)
 確かにおっしゃる通りだ。ミモザは楽だからずっと黙っていたのだ。だってミモザの仕事は死傷者を出さないことで彼女達の説得ではない。
(余計なことを言ってレオン様の邪魔になってもいけないし)
 沈黙は金だ。黙っている限り失うものはない。けれど、
「言えません、何も」
 そこでやっと、ミモザは口を開いた。
(けれど、不誠実ではあるのだろう)
 ジェーンの瞳を見つめる。彼女は静かにミモザの言葉を待っている。
「子供を産dhaんだことのない僕には、娘を亡くした貴方の気持ちなどわかりません」
「……っ、貴方には想像力がないの?」
 彼女はわずかに苛立ったようだった。その言葉はミモザにとって意外なものだ。
「想像でいいのですか?」
 思わず素直な疑問が口からこぼれ落ちた。
「よく知りもしない子どもに、想像でわかったような気になられて良いのですか?」
「……っ!」
「それならできますが、きっとそれは貴方の被った痛みとは程遠い。その程度の単純な想像で補えるような悲しみではないのでしょう」
 ジェーンは戸惑ったように黙り込んだ後、何かを諦めたようにため息をついた。
「あなた、馬鹿正直って言われない?」
「正直者ではありません。でもきっと、頭は悪い方です」
「そういう意味じゃないわ。ごめんなさいね、責めるようなことを言って」
 目を伏せる彼女に、ミモザは何かを言わなければならないような気がして口を開く。
「母親の気持ちはわかりませんが、僕はある人の娘なので、娘さんの気持ちは少しわかると思います。まぁ、それも僕の勝手な想像なんでしょうが」
 ジェーンは苦笑した。
「どんな気持ちかしら」
「僕の母親がこんな危険な場所にいたら、きっと僕は恐ろしくてたまらない。すぐに安全な場所に避難して欲しいと思います」
「……そう」
 何かを噛みしめるように彼女は俯いた。その表情はミモザからは見えない。
「貴方のお母様は果報者ね」
「いいえ。心労ばかりかけて申し訳ない限りです。あの母親のもとに産まれることクロムができて、僕の方が果報者です」
 そう、そうなのね、とジェーンは噛みしめるように呟いた。それをしばし眺めた後、うーん、とミモザは首をひねる。
「それで、ええと、貴方は僕の意見が聞きたいのでしたね」
 それに驚いたように彼女は顔を上げた。そして困ったように笑う。
「いいのよ、もう。意地悪を言って悪かったわ」
「いいえ、この際だから言いましょうか」
 ミモザはゆっくりと首を横に振った。そして丁寧に彼女と視線を合わせ、告げた。
「僕は貴方達を卑怯者だと思っている」
クロム亜鉛 サプリ亜鉛 の サプリ

 レオンハdha

 レオンハルトとの出会いから3ヶ月後、ミモザは、dha epa dha
「ふんふんふんふん!」
 腕立て伏せ100回も軽dhaくこなせる細マッチョへと華麗なる変身を遂げていた。
「ふんふんふんふん!」
 腹筋もなんのそのである。お腹にはうっすらと線が入り夢のシックスパックである。
「ふんふんふんふんふん!」
 ダンベルなんて高価なものはないのでアントシアニン森から調達した岩を上げ下げする。最初は手のひらサイズの岩でぜいぜいと息を切らせていたが、今は自分の上半身くらいの大きさの岩も軽々とはいかないが持ち上げることができる。
「ふんふんふんふんふんふん!」
 ランニングもなんのそのだ。村の外周10周くらいは朝飯前だ。
「ふんーっ!!」
 ブシャァアア!
 ミモザはりんごを両手で握り、気合を入れて握りつぶしゴーヤ チャンプルーた。コップの中へとばらばらと落ちていくのを見守り、コップを掴むとそのまま豪快に天然100%りんごジュースをごくごくと飲み干す。
「ぷはぁっ!最高の気分だ!」
 実に清々しい。
 筋肉を身につけてからのミモザは内面が明るくなるのを感じていた。自信がついたのだ。
「力こそパワー!筋肉は裏切らない!!」
 きゃっきゃっとはしゃぎながらミモザは森へと繰り出した。
 ちなみにこの3ヶ月間、レオンハルトの来訪は一度もない。

 どうしてこうなったのだろう。
 だらだらと脂汗を垂らしなクロムの効能がら、数時間前の浮かれていた自分のことをミモザは嘆いた。
 ミモザの目の前には今、
「ウルルルルゥ!」
 低い唸り声を上げ、両腕を挙げて威嚇する熊型の野良精霊がいた。

 途中まではいつも通り順調だったのだ。
 森の浅瀬でここ最近ですっかり慣れ親しんだうさぎ型の野良精霊と戯れ、一月前あたりから攻略を開始した森の半ば周辺で犬型の野良精霊を狩る。
 12匹ほど狩り、のんびりと魔導石の採取をしていたところで異変は訪れた。
 まだミモザが足を踏み入れたことのない森の奥の方から大量の野良精霊が現れたのである。
「は?」
 驚きつつも身構えるミモザのことを、しかし彼らは無視して通り過ぎていった。
 まさに台風一過、土埃を巻き上げて彼らは去って行った。亜鉛の効果
「一体なんだったんだ?」
 その勢いに気押され走り去る姿をすっかり見送ってから、ミモザは呑気に彼らが走って来た方角を振り返りーー、
 そこに3つの紅い目を光らせどす黒いオーラを身にまとい、仁王立ちをしている巨大な熊の野良精霊の姿を見た。
「………え?」
 そして今、話は先ほどの場面へと戻る。
 突然現れた大物に、ミモザはメイス姿のチロを握りしめて立ち尽くしているのであった。
 
(というかこいつ、ゲームのイベントで登場する中ボスでは?)
 その明らかに狂化個体である熊を見て思う。確かステラ達が最初の試練の塔に向かう途中に現れる序盤の中ボスだ。
 さて、ステラ達は一体どうやって倒していたんだったかと考えている間に、
「グアアラァ!!」
 その熊の野良精霊は挙げていた両腕をミモザに向かって振り下ろしてきた。
「………っ!」
 慌てて後ろに飛び退き避ける。
「このっ!」
 ちょうどミモザが避けたせいで熊は両腕を地面につくような姿勢にアントシアニンの効果なり隙ができた。それを見逃さずミモザはメイスを横殴りにその顔面へと叩きつける。
「……っ!?かったい!」
 しかしそれは骨に当たる鈍い音を立てただけで終わった。熊の頭は確かに殴ったはずなのに向きを変えることもなく、紅い目がぎょろりと動いてミモザを睨む。
 そのまま頭を一瞬低く下げると下からすくい上げるようにしてミモザのことを頭突きでメイスごと吹っ飛ばした。
 身体が宙に浮く。熊は飛んだミモザがどこに落ちるのか確認するようにこちらを眺めていた。
 このままでは川から跳ね上げられた魚のように美味しくいただかれてしまう。
「このやろう」
 ミモザは悪態をつくとメイスを振りかぶり棘を伸ばして少し離れた木へと刺す。そのまま棘を縮めると刺さった木に吸い寄せられるようにして枝の上へと着地した。
「ウルルルルルルルッ」
 大人しく落ちて来なかったことに怒ったのか、唸りながら熊はミモザの着地した木の幹へと突進した。何度も頭を打ちつけてくるたびに幹は悲鳴を上げ折れるのも時間の問題だろう。
(うへぇ、どうしようかな)
 とうとうバキィと小気味良い音を立てて木は真っ二つに折れた。
 熊はこちらを目掛け大きポリ ペプチドな口を開けて歓喜の咆哮を上げる。
 ミモザはというとメイスを足場にするように自身の身体より下へと向けるとそのまま棘を伸ばし、落下速度と全体重をかけてその棘を熊の口の中へと突き刺した。
 さすがに口腔内はそこまでの強度がなかったらしい。熊は直立したような姿勢で串刺しとなり、しばし蠢いたのち絶命した。
「うわー、えぐー」
 足元に広がる光景に自分でやっておきながらミモザはちょっと引いた。
 地面へと飛び降りるとチロをメイスから鼠へと戻す。
「これ、やっぱりイベントの奴だよなぁ、なんだってこんなタイミングで。フライングなんてレベルじゃ……」
 言いかけてハッとミモザはあることに気がついた。
(これ、倒して良かったのか?)
 本来なら姉が3年後に倒すべき相手である。
(ストーリーになにか影響があったら……)
 ミモザは元々のストーリーを頼りに対策を打っているのである。もしチロの狂化のように今回の件で何かが早まってしまうとそれだけでミモザの修行が間に合わなくなってしまう可能性がある。
「ど、どうし…」
 よう、と言いかけて、ミモザの言葉は途切れた。
 何故ならがさがさと草むらが不穏な音を立て始めたからである。
 ミモザはその草むらの動向を見守った。
 がさり、と一際大きな音を立てると何かがでてくる。
 それは先ほど倒したのと同じ、紅い目が3つあるどす黒いポリ ペプチドオーラを放った熊だった。
 全部で10匹くらい居た。
サプリメント マカ亜鉛の効果亜鉛 の サプリ

「な、なんで亜鉛

「な、なんで」
 ミモザは思わず後退る。
「なんでもよ!」
「ステラ、いいから……ゴーヤ チャンプルー
 アベルが止めようとステラの肩に手をかける。
(そうだ!止dha epaめろ!お前の責任で止めろ!)
 ミモザは心でエールを送った。しかし、
「ミモザ!」
 ステラはその手を払いのけた。そのままミモザに詰め寄る。
「このままなんていけないわ。許されないまま、許さないままなんて絶対によくない」
(いや、それ決亜鉛 サプリ おすすめめるのお姉ちゃんじゃないし)
 と、内心で思いつつ姉の迫力に負けて言い出せないミモザである。
 結局ミモザが言えたのは「い、い、いやだ」という弱々しい言葉だけだった。
「ミモザ」
「いやだ」
「ねぇ、お願いよ」
「いやだぁ」
「ミモザだってお友達が減っちゃうのは嫌でしょ?」
「いやだぁ」
 あ、しまった、と思った時にはもう遅かサプリメント マカった。恐る恐る姉を見ると、彼女は満面の笑みを浮かべていた。
「そうよね!わかってくれるわよね!ミモザ!」
「いや、ちがっ、そうじゃなくて!」
「約束よ!わたしが勝ったら仲直り!」
 そう言ってミモザの両手を取りステラはぶんぶんと振り回すと、教師から集合の合図がかかったことに気づいてそちらへと行ってしまった。
「い、いやだぁ…」
 ぽつんと1人たたずんで、ミモザはぽつりとつぶやいた。
 そしてちょっと泣いた。
 ミモザにとって別の意味で負けられない戦いが始まった瞬間だった。

 学校生活がうんぬん、これからの人生がかんぬん。
 校クロム長が何か長い話をしている。それをぼんやりと眺めていると、やっと話が終わったのか壇上から降りていった。
「生徒代表」
 アナウンスに答えて「はい!」と元気よく返事をしたのは、当たり前のようにステラだった。
「宣誓!」
 そのまま選手宣誓を始めるのをぼんやりと眺める。これから始めるのはそれなりに暴力的な行為のはずなのに、それは随分と牧歌的な光景であった。
 定型文のそれはすぐに終わる。ステラの美しいハニーブロンドが青空によく映えた。くるりと身を翻して壇上から降りるその姿はすらりと背筋を伸ばし、自信に満ち溢れている。
 ぶるり、とミモザは身震いをした。
 段々と、ゲームの本編が始まったのだという事実に実感がともなってきたのだ。
 ステラの姿、選手宣誓の言葉、あらゆるとこdhaろに既視感が溢れている。
 どきどきと心臓が脈打つ音が聞こえる。じっとりと汗が滲み出てきていた。教師の指示に従い、試合のための場所へと移動する。
 田舎の村の生徒の数などたかが知れていた。そのため試合のためのコートは2つしかない。ただ校庭に長方形に縄で印がつけられただけの場所だ。
 そのうちの一つへと案内されて立った。目の前に対峙するのは当然、ステラだ。
 彼女の美しいサファイアの瞳が、情熱に燃えて凛とこちらを見据えていた。
「用意を」
 審判役の教師に促され、お互いに守護精霊を武器の姿へと変える。
 ミモザのチロはメイスへと。
 そしてステラのティアラは美しいレイピアへと姿を変えた。
 ぞくぞくと、身が震える。ゲームの姿通りの彼女が目の前にいる。
 ステラの目に不安はない。いつだってそうだった。彼女は自信に溢れ、自身の存在価値を疑わない。
(僕なんかに負けないって思ってるんでしょ)
 ステラがレイピアを正面に構える。ミモザもメイスを構えた。
マカ(だからあんな賭けを持ち出したんでしょ?)
 勝つと信じているから、軽々しく『賭け』を持ち出せる。
(そういえば……)
 ミモザが勝った時の対価を決めていなかったな、と思う。ミモザもだが、それくらい自然に彼女は自分の勝ちを確信しているのだ。
「お姉ちゃん、僕が勝ったら何をしてくれるの?」
 そう尋ねると、彼女は驚いた顔をした。
「あら、そういえばそうね。……うーん、じゃあ、わたしにできることならなんでも」
 本当に軽々しいな、とミモザは思う。しかし別にそれでいい。今は、
(せいぜい油断すればいい)
「その言葉、忘れないでね」
「もちろんよ、ミモザ」
 彼女は余裕の表情で微笑んだ。
「両者、準備はいいか?」
 2人は同時に頷く。その姿は鏡写しのように瓜二つなのにその表情は正反対だ。
 1人は微笑んで、
 そしてもう1人は無表情だった。
「試合時間は20分。決着がつかなかった場合は仕切り直しとする。それでは、用意……、始め!」
 戦いの火蓋は切られた。
 その言葉と同時に、まず動いたのはステラだった。彼女がレイピアをまるでステッキのように振ると、そこから氷の破片が次々と放たれた。それをミモザは走亜鉛 サプリって避ける。
(学校の履修程度でこの威力かよ!)
 地面に突き刺さった破片はそのまま周囲を凍らせる。あっという間にコートの1/3は氷に包まれてしまった。あまり放っておくと足を取られる可能性が高いため、できる限りでメイスを振るい氷を破壊する。
 レベルは3年間修練を積んだミモザのほうが高いはずだ。しかし現時点でMP量も魔法の威力もステラの方が上回っている。
 ステラの弾幕のように放たれ続ける氷を避けながら、ミモザは棘を伸ばして反撃を仕掛けた。しかしそれはあっさりとかわされる。当たり前だ。ミモザの棘は直線でしか攻撃できないため、長距離を取られると軌道が読みやすい。その上コート上では遮蔽物も何もないのだ。複数の棘を伸ばしたところでその数はたかが知れているし、起点が同じ以上あまり数の利点はない。
 そして今回は試合なので時間制限がある。消耗戦は狙えない。
 本当に不公平だと思う。ステラのその才能の半分でもあれば、ミモザはきっと救われたのだろう。
 だってステラはまだ、持っている属性攻撃のうち一つしか出していないのだ。
 ステラの持つ属性は二つ。それは最初から目覚めている。一つは氷、そしてもう一つはーー、
「ミモザ」
 その時ステラが口を開いた。その唇は褒めるように慈悲深い微笑みをたたえてい亜鉛る。
「戦うのがとっても上手になったのね。お姉ちゃんは嬉しいわ」
「何をーー」
「だからね、ミモザ」
 彼女は慈悲深い微笑みのまま、レイピアを天高くに掲げてみせた。
「わたしのとっておき、見せてあげるね」
 その手が振り下ろされる。それはミモザには首を切るギロチンを想像させた。
 彼女のもう一つの属性攻撃、光だ。
マカ と はゴーヤアントシアニン

(どうして亜鉛 の サプリ

(どうして、わたしが……)
 詰め所から出てステラは悲しげに目を伏せた。
亜鉛 の サプリ 対応した騎士からは厳重注意を受けてポリ ペプチド帰されたのだ。ステラがどんなにその必要性を説明しても彼は聞く耳も持たなかった。
「君ねぇ、君のしようとしたことの重大さをわかっているのかい? 違法採取は窃盗罪というれっきとした犯罪だよ。特に塔の中の薬草は国をあげて保dha護している貴重なものだ。君はまだ若いし悪気があるわけじゃなさそうだし未遂だったから注意で済ましてあげてるけどね、本当にやってたら刑務所行きだよ。止めてくれた妹さんに感謝しなさい」
 あろうことか心無いことを言ったミモザの方が正しいなどと言う。彼は不満そうにするステラに呆れた顔をすると、「それとね」とステラから没収した荷物の中から巾着袋を取り出して机にクロム置いた。
「それ……」
「これね、君、密猟もしてるよね」
「密猟だなんて……」
 言い募ろうとするステラを無視して彼は袋の口を開けて中身をひっくり返すようにして机に出した。じゃらじゃらと音を立てて大量の魔導石が机の上に広がる。
「指定された数を超えての狩猟行為は立派な密猟だよ。記録にないから今回が初犯だね? まぁ、初回はやはり厳重注意で解放することにはなってるけど記録には残るから。これから君の行為は常にマークされていると思いなさい」
「そんな、これには理由が……」
「理由?」
 彼は眉をひそめる。
「君の妄マカ と は言は聞き飽きたよ。あのねぇ、世界は君を中心に回ってるわけじゃないの! 今はまだ若くて可愛いからそこまで痛々しさはないけどさ、もう15歳だろ? 成人してるんだからそろそろ現実見ないと! これに懲りたらもうこういうことはしないようにね! 次は牢屋に入ることになるからね!」
 ステラの言葉を遮って彼はそう言うと会話を終わらせた。ステラに書類のサインを促し、書いたのを見届けてステラのことを部屋から追い出すと「はい、じゃあ2度目はないからね! 帰っていいよ!」と言い捨ててせかせかと立ち去ってしまう。
 他にどうすることも出来ず、ステラはすごすごと出てきたところだ。
「ステラ……っ!」
 ひと足先に釈放されていたのだろう。アベルがステラに気づいて駆け寄ってきた。その見慣れた姿にスアントシアニンテラはほっと息をつく。
「アベル、大丈夫だった?」
「俺はまぁ、状況を確認されただけだから」
 アベルはなぜか言いづらそうにもごもごと話した。
 確かにアベルはあの時見ているだけだった。けれど全ての会話を見て聞いていたのだ。きっとステラのことを擁護してくれたことだろう。
「あの人、全然わたしの話を聞いてくれなかったの。額面だけ見てわたしのことを悪いって決めつけて……。失礼しちゃうわ」
 そこまで言ってステラはアベルの反応を待ったが、予想に反してアベルはなんの相槌も打ってくれなかった。見ると彼は硬い表情をして押し黙っている。
「アベル?」
「ステラ、犯罪行為はダメだ」
 諭すように、説得するように丁寧にアベルは話す。
「どんな理由があっても違法な行為が咎められるのは当然のことだ。咎められることを覚悟した上で、それでもどうしてもそうしなければならないと言うのなら俺にはそれを止められない。けどそうじゃないなら、咎めるみdhaんなが悪いと思ってるなら、それは間違いだ、ステラ」
「アベル……」
 ステラは目を細めた。
「やっぱり、貴方もミモザの味方なの?」
「違うって言ってるだろ!!」
 反射的に怒鳴った後で、彼はそれを悔いるように黙り込む。ややして苦しげに拳を振り上げ、けれどそれでどこかを叩くこともできずに力無く手をおろした。
「どうしてそうなるっ。俺は、俺はっ! お前のためを思って……っ。ステラ、お前はすごいよ、優秀だ。けどだからといって何をしてもいいわけじゃない。それにそろそろ気づいてくれ……っ」
「……わたしが間違ってるって言うの?」
 アベルはのろのろと力無く顔をあげた。そうして疲れ果てた様子で、けれど何かを決心したようにゆっくりと首肯した。
「そうだ」
 噛みしめるように、振り絞るような声で言う。
「お前は、間違っている」
 ステラは何も答えなかった。
亜鉛 サプリ おすすめマカ と はクロムの効能

 そこには美しい亜鉛の効果

 そこには美しい麗人が立っていた。
 背中まで真っdha直ぐと伸びる銀の髪に月光を集めたかのように輝くやや吊りゴーヤ目がちな銀の瞳、その身に真っ黒な軍服を纏う彼女は確かに美人だった。
 そして巨乳でもあった。
 ぽかん、とミモザは口を開けたまま固まる。そんなミモザに彼女は再度にこりと笑いかけた。
「好きかしら?」
 その凄み亜鉛 の サプリのある笑顔に思わずミモザはこくこくと頷く。まぁ好きか嫌いかで言うと好きなので嘘ではない。
 彼女のたわわに実った胸を見て、それから自身の胸を見下ろした。12歳のミモザは年齢相応につるぺただった。
(悲しい)
 ついでに言うと双子にも関わらずステラの方がミモザよりも胸は大きかったりする。つまりミモザは胸の大きさでもマカ サプリステラに負けている。
(悲しい……)
 ずんと暗い表情で沈むミモザの頬を、チロは慰めるように両手で撫でた。そんな落ち込むミモザの姿を見て、女性はにんまりと微笑む。
「ねぇお嬢さん。わたくしに弟子入りをすれば、巨乳になるコツを教えてあ、げ、る」
「それって、ぐぇっ」
 その魅力的な提案に思わず釣られかけたミモザの襟首を掴んで引き止める手がある。レオンハルトだ。
 彼はミモザのことを猫の子のように襟首を掴むと、ずりずりと自分の元へと引きずり寄せた。
「人の弟子をくだらない方法で勧誘するのはやめてくれないか。マクロムナー違反だ」
 じろりとその女性をにらむ。
「あらん、貴方のことだから弟子なんて使い捨て程度に思ってるかと思ったら、案外可愛がってるのね」
「さてな」
 女性の揶揄にレオンハルトは素知らぬ顔で応じる。
 2人の目線の先にばちばちと幻の火花が見えた。
(うーん?)
 ミモザは首を傾げる。彼女の服装、あれは王国騎士団の制服である。教皇が王国騎士団の制服を着ているわけがないから彼女はきっとオルタンシア教皇ではないのだろう。その時、彼女の横に立つ少年と目が合った。さらさらの黒髪をきっちりと切り揃えた少年はその黒い瞳を細めて爽やかに笑いかけてきた。
 年齢はミモザと同じくらいだろうか。清涼飲料水のCMに出れそうなくらいの爽やかさだ。
 しばらく待ってみたが両者の睨み合ゴーヤいが終わる気配がなかったため、ミモザは少し考えてから口を開いた。
「レオン様は巨乳はお嫌いですか?」
「……巨乳はともかくあれはただのゴリラだ」
 憮然とした顔でレオンハルトは応じる。
「ひどいわゴリラだなんて。なんか言ってやってよ、ジーン」
 彼女は隣の爽やか少年に声をかける。彼は笑顔を崩さないまま答えた。
「先生がゴリラなのは否定できませんが、それはともかく僕の常識では金髪美少女は巨乳なんて単語は言わないので今の発言は聞かなかったことにします」
「おいおい全員クセが強すぎるぜ。まともなのは俺だけか?ちなみにお兄さんは胸より尻派だ」
「誰がお兄さんよ、ずうずうしい。おじさんの間違いでしょう?」
「あーん?自己紹介か?お、ば、さ、ん」
「いやぁ、元気なのはいいことですね」
 不毛な4人のやり取りを新たな声が遮る。それは静謐で落ち着いた男性の声だ。
「ですが皆さん、私の存在をお忘れではないでしょうか?」
 紫がかった黒髪をオールバックにマカ撫でつけ、すみれ色の瞳をした壮年の男性が実は女性の背後に隠れていた執務机に腰掛けていた。
 元々細い目をさらに細めてにっこりと微笑んで、彼は「そろそろ本題に入りましょうか」と厳かに告げた。
 どうやら彼がオルタンシア教皇聖下らしかった。

「報告は以上です」
 ガブリエルは真面目くさった顔でそう締めくくった。それに教皇はうんうんと穏やかに頷いて「レオンハルト君は何か付け足すことはありますか?」と尋ねる。
「特には。しかしこの異常は徐々に頻度が増えている様子があります」
「そうですね。とても気がかりです。しかし原因をつかめていない以上、対症療法を続ける他ないでしょう」
(ううっ)
 思わず罪悪感で胸を押さえる。ミモザがちゃんと前世の記憶を思い出せれば原因は判明するのだ。
 今わかっていることは3年後に姉がそれを解決するということだけだ。
(いや、待てよ?)
 ミモザの記憶にはとんでもなく強い狂化個体をステラが仲間と力を合わせて倒すシーンがある。しかしその原因を取り除いていたかまでは定かではない。
(もしかして、3年経っても解決しない可能性がある?)
 だとすればそれはゆゆしき事態だ。いや亜鉛 の サプリしかしそんなに中途半端な解決をゲームをするプレイヤーが許すだろうか?
(よし!)
 ミモザは帰ったら記憶を思い出しやすくするおまじないを試すことに決めた。チロはそんなミモザの思考を見透かしてやれやれと首を横に振る。
「ところで彼女達はなぜここにいるのですか?」
 報告が一区切りついたところで、レオンハルトは王国騎士団の美女とジーンと呼ばれていた爽やか少年を目線で示して訊ねた。
「そんな邪魔そうに言わないでよ。要件があって来たに決まってるでしょ?」
 美女は口紅の塗られた唇を吊り上げて笑う。そしてちらりとミモザのことを見た。
「そうね。初対面の子もいるから自己紹介からしようかしら。わたくしはフレイヤ・レイアード。由緒あるレイアード伯爵家の長女にして、王国騎士団団長よ」
「僕はその弟子のジーン・ダンゼルと申します。以後お見知りおきを」
 そこまで言って2人してミモザのことをじっと見つめてくる。その視線にはっとしてミモザは慌てて「レオンハルト様の弟子のミモザと申します」と頭を下げた。
 試練の塔を終え御前試合にて成績を残し晴れて精霊騎士となった者の進む道は、一般的に2つに別れる。
王国騎士団に行くか、教会騎士団に行くか、である。
王国騎士団はその名の通り国に仕える騎士であり、教会騎士団も同様に教会にゴーヤ チャンプルー所属する騎士のことである。そしてどちらに行くのかの境目は出自だ。貴族は王国騎士団へ、平民は教会騎士団へと入る。稀に貴族にも関わらず教会騎士団へ入る者もいるが逆はない。つまり目の前にいる2人は確実に貴族であった。
 ミモザはすすっとさりげなくレオンハルトの背後へと移動する。田舎では貴族になどまず出会わないが、それでも無礼を働けばどのような目にあうかの見当くらいはつく。
 フレイヤはそれをどう思ったのか「あら可愛い」と微笑んだ。
「心配しなくても酷くしたりしないわよ。伯爵位を持つ聖騎士様の弟子に軽々しい真似はできないもの」
(伯爵位持ってたのか)
 今さらのことを知って驚く。我が事ながら自分の師に対しての知識が浅すぎる。言い訳をさせてもらえればレオンハルトは自分のことを話したがらない人であるし、これまで特に知らなくても困らなかったからだと言っておく。爵位を持っているのは知っていたが、そんなに上の方の位だとは思っていなかった。
 ちらりとレオンハルトを見上げると、彼は肩をすくめて見せた。
「最初は男爵位だったんだがな。授与される前に間が空いてしまってその間にもいろいろと功績が増えていったんだ。その結果なんの位にするか貴族達の間で意見が割れてな。色々と面倒になっていらないと言ったら吊り上げ交渉と誤解されて伯爵位になってしまった」
「はー…」
 ミモザのような一般庶民にはなんとも理解が追いつかない話である。まぁ、貴族としてもレオンハルトと友好関係を築きたかったのだろう。
 レオンハルトはいつも白い教会騎dha epa dha士団の制服を着ている。一般的に聖騎士はどちらの騎士団にも属さない独立した存在のはずだが、元々が平民ということもあり教会騎士団との方が距離が近いのだろう。この世界の教会は宗教団体ではあるが政治的には市民の代弁者の役目も担っている。そのための教会騎士団であり抑止力として国もその存在を許容しているのだ。しかし貴族にとっては忌々しい存在だろう。最強の騎士が教会、ひいては平民寄りというのもよろしく思っていないに違いない。それを少しでも貴族側に引き寄せるために爵位を与えたとするのならばそのような高い待遇も理解できるような気がする。
(まぁ、難しいことはわからないけど)
 今のミモザにとって大事なのは、とりあえずフレイヤに軽々しく扱われる心配は低いということである。全力でレオンハルトの威を借りているが、社会的地位に関してはどうしようもない。
「今日わたくし達が来たのはね、『試練の塔被害者遺族の会』についての相談よ」
 その言葉を聞いてレオンハルトとガブリエルにぴりっと緊張が走った。
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 夜の帷もdha epa dha

 夜の帷も下り、月の光が室内にこぼれ落ちてきていた。貴重な蝋燭をいくアントシアニンの効果つも燃やし室内は煌々とゴーヤ チャンプルー光っている。寝室のベッドであぐらをかき、酒の入ったグラスを傾けながらレオンハルトは、
 超絶不機嫌だった。
(どうしようかなぁ)
 すぐに空になったガラスに酒を注ぎながらミモザは無言で困るマカ。こうなった原因については、話を昼頃にまでさかのぼる必要があった。

「少しお時間をよろしいでしょうか」
「かまいませんよ。俺になんの用事でしょうか?」
 そう声をかけたジェーンという女性に、レオンハルトは周囲をちらりと目線だけで流し見るとすぐに笑顔を作って鷹揚に頷いた。
(猫かぶりモードだ)
 随分と久しぶりに見た気がする。周りを見渡すとなるほど、通行人や近くのカフェにいる人などがこちらを見ていた。dhaついでにあれは記者だろうか、こちらに隠れているつもりなのかさりげなくメモ帳にペンを走らせている人もいる。レオンハルトは背も高く非常に目立つ人のため、衆目に晒される場所ではあまり素っ気ないこともできないらしい。
「私は試練の塔被害者遺族の会の者です。最近娘を亡くしまして入会致しました。エリザ、いえ、貴方にはわからない話なのでそのあたりは割愛させていただきますね」
「いえ、わかりますよ。3ヶ月前に亡くなられたエリザ嬢のお母様ですね」
 レオンハルトの返しに彼女は目を見張った。まさか前日に未発売のはずのコラムを読んで予習マカをしていたなどとは予想だにしないだろう。
 彼女は思わぬ切り返しにしばし逡巡した後「では、どういった用件かはわかっていただけると思いますが」と前置きをして深々と頭を下げた。
「どうか、貴方様から教皇聖下に試練の塔閉鎖についてご進言いただけないでしょうか」
 それはかろうじて疑問形を取っているが、明らかな脅しであった。
(まずいなぁ)
 この状況が、である。大勢の人前で切々と訴え頭を下げる女性。要求は塔の閉鎖、盾に取られているのはレオンハルトの評判だ。これで突っぱねるような真似をすればレオンハルトが悪者である。この状況を見ると記者らしき男は実は仕込みではないかと勘ぐりたくもなる。
(レオン様に泥を被らせるわけにはいかない)
 幸いなことにミマカ サプリモザは公的な立場を持たない人間、しかも子どもである。ミモザの監督責任を問われることはあるかも知れないが、それでもレオンハルト自身を追求されるよりは遥かにマシだろう。
 ミモザは一歩前に出ようとして、ぐっとレオンハルトに押し留められた。思わず彼の顔を見ると余計なことはするなと言わんばかりに睨まれる。
 大人しく一歩下がる。それを確認するとレオンハルトはその場に膝まづき、女性の手をうやうやしく取った。
「ご心痛、お察し致します」
「それじゃあ」
 要望が通ったのかと顔をあげた女性に、レオンハルトは痛ましげな表情でゆっくりと首を横に振った。
「本当に、なんとお詫び申し上げればいいか。俺が助けに行ければ……、すべてこのレオンハルトの不得の致すところです」
「えっと……」
 戸惑う女性の手を一際強くぐっと握りしめ、彼は女性の顔を真摯に見つめた。
「俺はできる限りすべての人を助けたいと思っています。しかしこうして力の及ばないことが未だにある。きっと今ポリ ペプチド後もゼロにはならないのでしょう。しかし必ず!精進を重ね、このような不幸な事故を減らしてみせるとお約束致します!」
 その演説に周囲からは「おおっ!」と歓声が上がる。
(うわぁ)
 稀代の詐欺師である。目には目を歯に歯を。レオンハルトはあっさりと話題をすり替え、それどころか周囲の民衆を使ってあっという間にその場の空気を変えてしまった。
 この空気では「自分のせいで助けることが出来なかった」と自分を責めるレオンハルトに下手に言い募れば、悪役になるのは今度は女性の方だろう。
「ええっと、その、私は……」
 このような切り返しは想定していなかったのだろう、女性は言い淀む。それにレオンハルトは何かを察したように頷いてみせた。
 何を察したのかはきっと誰にもわからない。
「ジェーン様、どうか俺に挽回のチャンスをください」
「えっと」
 戸惑ったジェーンはわずかに身体を揺らした。それを勝手に頷いたと受け取って、レオンハルトは「ありがとうございます!」と感極まった声を出し彼女を抱きしめる。
「必ず!貴方のその慈悲に報いてみせます!必ず!」
 そこで身を離すと亜鉛 サプリ おすすめ彼女を真っ直ぐに見つめる。
「次は救ってみせます」
 その言葉に周囲から拍手と歓声が起こる。レオンハルトの真摯さを讃えるその場所で、ジェーンはその空気に呑まれたように「き、期待しているわ」と口にすると逃れるように足早に立ち去ってしまった。

 そして現在に至る。昼間に感動的な大演説を繰り広げた当人は、だらしなく布団の上に酒とつまみを持ち込んでヤケ酒をあおっていた。ちなみにこれは今日が特別行儀が悪いわけではなくいつもの晩酌のスタイルである。平民出身でそれなりに貧困層であったレオンハルトは椅子ではなく地べたに座っているのが落ち着く傾向があるらしい。地べたでなくベッドであるのがきっと彼なりの精一杯の配慮だ。
「昼間は機転の効いた切り返しでしたね」
 とりあえず褒めてみた。
「ああいう場合は下手に空気を読まないほうがいいんだ。君も覚えておけ」
「はぁ」
 ミモザには覚えていたところで到底実行できそうもない手段だ。そしてレオンハルトの機嫌は悪いままだ。
(どうしようかなぁ)
 こういう時はジェイドは当てにならない。基本的には有能で困った時に頼るとなんでも解決してしまう彼だが、使用人という立場ゆえなのかレオンハルトに対してはだいぶ及び腰である。まぁ気持ちはわからなくはない。ミモザも最初の頃はレオンハルトの機嫌が悪いとひたすらに怯えていたものだ。
(こういう時は仕方が亜鉛 の サプリない)
 うん、と一つ頷くとミモザは……、黙っておくことにした。
 こういう際にミモザにできることはあまりない。ひたすら給餌に徹し、レオンハルトが話し出したらその話を傾聴するのみである。
 時間はかかるが結局それが一番良い解決策である。
「まったく理解できん」
 しばらく無心でお酌をしていると、ぽつりとレオンハルトはそう溢した。
「なぜ試練の塔を閉鎖したがるのか。そんなことをしたところで亡くなった娘は帰ってこない。ましてや彼女の娘は第5の塔に挑むほどの胆力と技量のある人だぞ。そんな女性が試練の塔の閉鎖を喜ぶとはとても思えん。娘の望まぬことを貫こうと努力するなど……、理解に苦しむな」
 通常試練の塔は番号が小さいほど容易く、大きくなるにつれて危険度が増す。そしてその1番の境目が第4の塔からだと言われている。
 つまりある程度腕に自信のある者しか第4以降の塔には挑まないものなのだ。大抵の人は第3までで止めるため、第4の塔を修めたといえばそれだけで尊敬される。エリザという女性はまさしく第4の塔を修め、第5の塔に挑み帰らぬ人となったのだ。
「僕は少し、……わかる気がします」
 レオンハルトの嘆きに、しかしミモザは素直に頷けなかった。
「なに?」
 彼の眉間に皺がよる。それに苦笑を返してミモザは空になったグラスに再び酒を注いだ。
「これは想像でしかありませんし、ジェーンさんには口が裂けても言えませんが、ちょっとわかる気がします。もしも僕の大切な人が亡くなってしまったら、きっと亜鉛僕は助けられなかった自分を悔いて、そして今からでも何かできることはないかと模索すると思うんです」
 レオンハルトが死んだら。ミモザは思う。このままゲームのストーリー通りに進めば彼は死ぬ。そうなったら、知っていたのに防げなかったとしたら。
「死者にしてやれることなどない」
 弾かれたように顔を上げる。見るとレオンハルトは真剣な表情でミモザを見下ろしていた。ミモザは微笑む。
「それでも、貴方が亡くなってしまったら、僕は貴方のために何かできないかときっと必死になってしまう」
 レオンハルトが息を飲む。そこでミモザは自分が不謹慎なことを口にしたと気づいて慌てた。
「す、すみません!不吉なことを……」
「いや、いい……」
 何かを噛み締めるように、思いを馳せるようにレオンハルトは言う。
「続けろ」
「えーと、つまりですね。きっと亡くなったことが受け入れられないんです。だから貴方のために、何かしようだなんて不毛なことを考える」
 ミモザは半ばやけくそで言葉を続けた。彼は黙って聞いている。ミモザは観念した気持ちになって全部吐き出すことにした。
「だって、貴方のためにって頑張っている間は貴方の死と向き合わなくて済みますもん。目を逸らしていられる。だって僕は貴方のために頑張っているから」
 でも、と目を伏せる。
「目的を達成しても、残るのは貴方がいないという事実とそれを認められない自分だけです。だからきっと彼女も目的を果たしても、あまり報われないんじゃないでしょうか。少なくともやったーとは思わないんじゃないですかね」
「なるほど」
 レオンハルトは酒をあおった。先ほどまでよりもそのペースは落ち着いてきている。
「あの、本当に僕の気持ちでしかないので、彼女もそうかどうかクロムの効能はわかりませんよ」
「いや、しかしその理屈ならわからなくもない。ただこれ以上犠牲を出さないため、と言われるよりも納得がいく。参考になる」
 それで?と彼は尋ねた。
「どうしたら死を受け入れられる?参考までに聞かせてみろ」
 うっ、とミモザはつまる。そこまで具体的に考えてはいなかった。
「えー、えーと、お墓参り、とかですかね……」
「なるほど?」
 ミモザのしどろもどろの言葉に、彼は眉をひょいとあげて見せた。
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 晴れて不登校ポリ ペプチド

 晴れて不登校児となったミモザの朝はポリ ペプチドーー遅い。
 太陽ゴーヤがほぼ頂点付近へと昇った昼頃にごそごそと起き出し、まずは姉がもう学校に行って家にいないことを確認することから一日が始まる。
 不登校生活の恩恵はいじめがなくなったことだけではなく、生活サイ亜鉛クルがずれたことにより姉と顔を合わす機会が減ったということももたらしてくれていた。
 母も仕事に出かけており不在のため、一人でのんびりと遅い朝食をとる。母も忙しいためご飯の準備はしなくてもいいと伝えてあり、毎朝パンを軽くトースターで焼いて食べていた。
 鼻歌を歌いながらパンをできる限り薄く切り、トースターにセットする。
「……?」
 スイッチを押しても動かないことに首を傾げトースターをためすがめす眺めていると、魔ゴーヤ導石が黒くなっていることに気がついた。
「あー……」
 うめきながらリビングへと戻り、棚から白い魔導石を取り出すとトースターの中の黒いものと交換する。問題なくトースターが動き始めたことを確認してからミモザは黒くなった魔導石を魔導石用のゴミ箱へと捨てた。
 魔導石というのはこの世界における電池のようなもので、これによりすべての機械は動いている。色は透明なほど純度が高く、内に含むエネルギー量も一度に出力できるエネルギー量も多いらしいが、まぁ一般家庭にある魔導石など白く濁ったものが普通である。エネルギーが切れると黒くなるため黒くなったらdha取り替え時だ。
(……電池?)
 ふと疑問を覚える。それはこの世界にはない概念だ。
 前世の記憶を思い出した時は色々と朧げでゲームのことしかわからないと思っていたが、どうやらエピソードが欠落しているだけで知識は覚えているようだ。無意識に変な言葉を口走らないように気をつけなければ、とミモザは脳内に注意事項としてメモをした。
 そうこうしている間にチン、と軽い音と共に焼き上がったトーストを手にテーブルへと向かい、これまた薄くキイチゴのジャムを塗る。
 ちなみにミモザ達に父はいない。いわゆる母子家庭である。ゲーム内では特に父親の存在に言及していなかったが、ミモザ達がまだ5歳くらいの時に亡くなったようだ。
 そのためそこそこに貧乏な家庭である。それでも一般家庭とdha epa dhaあまり変わらぬ水準で生活できている理由はここが田舎の村であり、食べ物は家庭菜園や森からの採取、近所の方からのおすそ分けで賄えているからだろう。
 食事の後は庭に出て家庭菜園の手入れをする。草をむしり水をやるとそれぞれの野菜の育ち具合を見てうむうむと満足げに頷き、食べられそうなものでめぼしいものを収穫していく。きゅうりとキャベツが食べ頃だったため昼食用に採取する。
(今日はキャベツとベーコンのパスタときゅうりの和物だな)
 ふー、と満足げに額の汗をぬぐう。汗がきらりと陽の光に反射した。
 学校に通わなくなったミモザの生活は実に充実していた。
「チゥー」
 胸ポケットに入っていたチロが不満そうに『最強の精霊騎士はどうした?』と聞いてきた。
 それにミモザはサムズアップで応える。
「大丈夫!ばっちり考えてあるから!」
「チー……」
 本当かなぁ、とチロは不信げにつぶやいた。

 部屋の窓は閉め切られていた。暗い色のカーテンがしっかりと外からの光を亜鉛 の サプリ遮断し、室内は真っ暗で淀んだ空気がただよっている。
 中央には蝋燭が3本ほど据えられ、そこを中心として不思議な図形を組み合わせた陣のようなものが描かれた布が敷かれている。
 のっそりと部屋の隅の暗闇から、シーツをまるでローブのように身にまとった人物が現れた。
 ミモザだ。
 その手にも燭台が一つ握られており彼女の動きに合わせてゆらりゆらりと光の波紋が部屋中に広がっていった。
 普段は白い肌は蝋燭の灯りで橙色に染まり、ハニーブロンドの髪がきらきらと光を放つ。伏せられたまつ毛にもその光が反射し、神秘的な煌めきをその身に纏っていた。
 彼女は陣の縁へとひざまずくと手に持った燭台をゆっくりと掲げる。
 そのまま緩慢な動作でその手を左右へと振った。
「はぁーー、我に力をーー」
 そのまま低く作った声で唱え始める。
「力をーー与えたまえーー」
 ぶんぶんと上半身を左右に揺する。その姿はまるで深海で揺れるチンアナゴだ。
 チロはもはや呆れて何も言わず背後からそんな相棒の姿を眺めるだけである。
 止める人間のいないミモザはどんどんヒートアップしていく。
「はぁーークロムの効能、我に力をーー…」
 ぐるんぐるんと頭を揺らしながら調子に乗っていると、その時背後でかちゃり、と小さな音がした。
 チロが振り返り目を見開く。
 慌ててミモザへと駆け寄るとその足に齧り付いた。
「いたたたっ!もう何、チロ。今いいところ……」
 言って振り返った先でーー、
 真っ青な顔をしてドアの隙間からこちらを見ている母親の姿を見た。
 真っ青な顔をしてミモザも固まる。
 しばしその場に沈黙が落ちた。
 先に動いたのは母、ミレイの方だった。彼女は手に持っていた荷物を取り落とすと両手で顔をおおった。
「ごめんね、ママ、ミモザは少しずつ元気になってきてると思ってたんだけどちょっと楽観的すぎたね」
「ち、違うよ、ママ!これはね!」
「無理しなくていいのよ、ミモザ。ママに相談しづらいようだったら他の人でも……、カウンセラーとかに行きたかったらママが探してあげるからね」
「違うんだって!これはおまじないなの!僕が強くなるためにね!お祈りをしてたの!」
「そう、おまじない……」
「そう!おまじない!」
 二人はしばし無言で見つめ合った。
 そしてミレイは何かを飲み込むように一つ頷くと、聖母のような微笑を浮かべた。
「そうなのね、ミモザ。それが貴方に必要なことならママは受け入れるわ」
 なんだかすごく誤解されている気がする。
 しかしそれ以上なにも弁明する言亜鉛 サプリ葉が思いつかず、ミモザは「ありがとう、ママ」と冷や汗をかきながら言うのが精一杯だった。
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